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新花つみ     →新花つみ🔗🔉

新花つみ     →新花つみ  五元集は角(かく)が自選にして、もとより自筆に浄写して剞劂(きけつ)氏にあたへ、世にひろくせんとおもひとりたる物なれば、芟柞(さんさく)の法も厳なるべし。さるを其集も閲(けみ)するに大かた解しがたき句のみにて、よきとおもふ句はまれなり。それが中に世に膾炙せるはいづれもやすらかにしてきこゆる句也。されば作者のこゝろにこれは妙にし得たりなどうちほのめくも、いとむつかしく聞えがたきは闇夜ににしき着たらん類いにて、無益(むやく)のわざなるべし。  家々の句集を見るに、多く没後に出せるものなり。ひとり五元集のみ現在に出せる也。発句集は出さずともあれなど覚ゆれ。句集出てのち、すべて日来(ひごろ)の声誉を減ずるもの也。玄峰(げんぽう)集麦林(ばくりん)集なども、かんばせなきこゝ地せらるれ。  況汎々(はんはん)の輩は論ずべくもあらず。よき句といふものはきはめて得がたきものなり。其角は俳中の李青蓮と呼れたるもの也。それだに百千の句のうち、めでたしと聞ゆるは二十句にたらず覚ゆ。其角が句集は聞えがたき句多けれども、読むたびにあかず覚ゆ。是角がまされるところ也。とかく句は磊落なるをよしとすべし。  麦林集などは、よき句もあれどよみもて行うち、やがていとはしきこゝ地せらるれ。

広辞苑 ページ 24071 での新花つみ     →新花つみ単語。