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胆大小心録     →胆大小心録🔗🔉

胆大小心録     →胆大小心録  都なれば、歌よむと云ふ人多し。皆口真似のえまねぬ也。師と云ふ人も我に似よと也。京極中納言の巧みによく似せんとぞ。其師は貫之、躬恒(みつね)在りし世も知らぬにはあらざるべし。貫之、忠岑(ただみね)は人丸をたうとめるぞかし。かゝるあそびにさへ阿諛(あゆ)はありて妨ぐるよ。  芦庵云ふ。「そなたは何わざもせずして在るが、いたづら也。人の歌なほして、事広くして遊べよ」と云ふ。答ふ。「人の哥直すべき事知らず」と云ふ。「いなや、たゞおろか者をかしこくしてつかはさせよと思ひて勤めよ」と云ふ。「いな、其方(そのかた)にうまれえぬ人は、かへりて愚にするにこそあれ。親のおしへしわたらひをよく心得し人も、おのれになき才学は、学ぶとはいへども、愚になるのみ也」と云ひしかば、芦庵答なかりし。

広辞苑 ページ 24084 での胆大小心録     →胆大小心録単語。