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根南志具佐     →根南志具佐🔗🔉

根南志具佐     →根南志具佐 「公(こう)河(か)を渡ることなかれ、公(こう)竟(つい)に河を渡る、河に堕ちて死す、当(まさ)に公を奈何(いかん)すべき」と詩(からうた)に作りしは、見ぬ唐土(もろこし)の古(いにしえ)、夫(おつと)の水に溺て死したるをなん、かなしみに堪(たえ)ざる妹子(わぎもこ)の歎(なげき)とかや。されば宝暦十あまり三の年水無月の頃、荻野八重桐となんいへる俳優人(わざおぎびと)の、水に入りて死したる事、世の取沙汰のまちにして、それと定まりたる事を知る人なし。  其由つて来る処を尋ぬるに、「皓々(こうこう)の白を以て、世俗の塵埃を蒙らんや」と憤(いきどおり)て、汨羅(べきら)に沈(しずみ)し屈原が流(たぐい)にもあらず、竜宮の玉を取らんと、海底に飛び入りて命を捨てたる蜒人(あまびと)にも異(こと)なり。此世にもあらぬ世界の極楽と地獄の真中に、閻魔大王となんいへる、やんごとなき方ぞましける。此大王三千世界を領し給ふことなれば、十王を始として、朝廷の臣下数もかぎらず、それの役を司(つかさどる)者多し。されば人間の世渡(よわたり)、士農工商の各隙(ひま)なきも断(ことわり)ぞかし。

広辞苑 ページ 24097 での根南志具佐     →根南志具佐単語。