春の日 →春の日
曙(あけぼの)見んと、人


の戸扣(たた)きあひて、熱田のかたにゆきぬ。渡し舟さはがしくなりゆく比(ころ)、并松(なみまつ)のかたも見えわたりて、いとのどかなり。重五が枝折(しおり)をける竹墻(たけがき)ほどちかさにたちより、けさのけしきをおもひ出侍(いではべ)る。
二月十八日
春めくや人さま


の伊勢まいり 荷兮
桜ちる中馬(なかうま)ながく連(つれ) 重五
山かすむ月一時(いつとき)に館(いえ)立(たち)て 雨桐
鎧(よろい)ながらの火にあたる也 李風
しほ風によく


聞(きけ)ば鴎なく 昌圭
くもりに沖の岩黒く見え 執筆