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坊つちやん     →坊つちやん🔗🔉

坊つちやん     →坊つちやん  親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。小学校にいる時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。なぜそんな無闇(むやみ)をしたと聞く人があるかも知れぬ。別段深い理由でもない。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。と囃したからである。小使(こづかい)に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階位から飛び降りて腰を抜かす奴があるかといったから、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた。  親類のものから西洋製のナイフを貰って奇麗な刃を日に翳(かざ)して、友達に見せていたら、一人が光る事は光るが切れそうもないといった。切れぬ事があるか、何でも切って見せると受け合った。そんなら君の指を切って見ろと注文したから、何だ指位この通りだと右の手の親指の甲をはすに切り込んだ。幸(さいわい)ナイフが小さいのと、親指の骨が堅かったので、今だに親指は手に付いている。しかし創痕(きずあと)は死ぬまで消えぬ。

広辞苑 ページ 24113 での坊つちやん     →坊つちやん単語。