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伽羅先代萩     →伽羅先代萩🔗🔉

伽羅先代萩     →伽羅先代萩  天地(あめつち)の開始(ひらけはじ)めし昔より。今にかわらぬ妹(いも)と背(せ)の。ちぎりの末の楽しみは。女夫(みようと)ぐらしの世帯事(せたいごと)。手鍋提(さげ)るが真実の。誠の恋の陸言(むつごと)や。五十四郡の御主(おんあるじ)。冠者(かんじや)太郎義綱公。今日(きよう)吉辰の宿這入(やどばいり)。都離れし舟岡(ふなおか)の。山の麓に手を尽し。綺羅をみがきし葛屋葺(くずやぶき)。勝手賑ふ客もふけ。嶋原に名も高尾とて。盛(さかり)あらそふ太夫職。手づから炊(かし)ぐ白水も。流(ながれ)の粋(すい)なたすきがけ。御大将はまな板に。きざむ鱠(なます)も五分切(ごぶぎり)の。国分(こくぶ)煙草を禿(かぶろ)の楓(かいで)。お気がつけふと長(なが)ぎせる。ホヽコリャよふ気が付た。コレ太夫。イヤこちの女房ども。そなたもさっきにから米(よね)洗ふて。定めて肩がつかよふ。マア一(ひと)休したがよい。アイ。私(わたし)より殿様の仕付(しつけ)もなされぬ切きざみ。嘸(さぞ)お肩が痛(いたみ)ませう。よっ程久しう洗ふたりゃ是で大かたよいであろ。是からおかゆをしかけふと。言(いふ)に楓が小利口に。二人してかく米(よね)かし桶。二つ竈(へつい)に金の釜。玉をのべたる玉だすき。伽羅(きやら)割よりも持(もた)ぬ手に。割木(わりき)のそげもいたし。

広辞苑 ページ 24119 での伽羅先代萩     →伽羅先代萩単語。