応仁記　　　　　→応仁の乱 　洛中大焼之事。 花洛ハ真ニ名ニ負フ平安城ナリシニ、量ラズ応仁ノ兵乱ニ依テ、今赤土ト成リニケリ。（中略）又臨川寺ノ水車ハ廻ル迹トナク成ハテヽ、昔ノ嵯峨ノ旧迹、草深キ野ト成リニケリ。計ラズ万歳期セシ花ノ都、今何ンゾ狐狼ノ伏土トナラントハ。適(たまたま)残ル東寺、北野サヘ灰土トナルヲ、古ニモ治乱興亡ノナラヒアリトイヘドモ、応仁ノ一変ハ仏法王法トモニ破滅シ、諸宗皆悉ク絶ハテヌルヲ感歎ニ堪ヘズ、飯尾彦六左衛門尉、一首ノ歌ヲ詠ジケル。 　　汝ヤシル都ハ野辺ノ夕雲雀アガルヲ見テモ落ルナミダハ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈群書類従〉