複数辞典一括検索+

毛利元就書状     →毛利元就🔗🔉

毛利元就書状     →毛利元就 (一) 三人心持之事、今度弥然るべく申談ぜられ候。誠千秋万歳、大慶此事候 1一 幾度申候而、毛利と申名字之儀、涯分末代までもすたり候はぬやうに、御心がけ・御心遣肝心までにて候 2一 元春・隆景之事、他名之家を続がるる事候。然りと雖も、是者誠の当座の物にてこそ候へ。毛利之二字、あだおろかにも思食、御忘却候ては、一円曲無き事に候。中申もおろかにて候 3一 申すも事旧り候と雖も、弥以申候。三人之半、少にてもかけこへだても候はゞ、たゞ三人御滅亡と思召さるべく候。余之者には取分替るべく候。我等子孫と申候はん事は、別而諸人之にくまれを蒙るべく候間、後先(あとさき)にてこそ候へ、一人も人はもらし候まじく候。縦又かゝはり候ても、名を失い候て、一人二人かゝはり候ては、何之用にすべく候哉、申すに能はず候。  4一 隆元之事者、隆景・元春を力にして、内外様(うちとざま)共に申付けらるべく候。然るに於ては、何之子細あるべく候や。 (二)  1一 当家をよかれと存候者は、他国之事は申すに能はず、当国にも一人もあるまじく候 2一 当家中にも、人により、時々により候て、さのみよくは存候はぬ者のみあるべく候。 11一 元就事、廿之年、興元に離れ申候。当年之于今に至る迄、四十余か年候。其内大浪小浪、洞・他家之弓矢、いかばかりの伝変に候哉。然処、元就一人すべりぬけ候て、此くの如く之儀不思儀申すに能はず候。身ながら、我等事、健気者、胴骨者にても、智恵才覚、人に越候者にても、又正直正路者にて、人にすぐれ、神仏の御守あるべき者にても、何之条にてもなく候処に、斯様にすべりぬけ候事、何之故にて候共、更に身ながら推量に及ばず候。然間、早々心安、ちと今生之楽をも仕、心静に後生之願をも仕度候へ共、其段も先ならず候て、申すに及ばず候。                             〈日本思想大系21〉

広辞苑 ページ 24169 での毛利元就書状     →毛利元就単語。