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童子問 →童子問🔗⭐🔉
童子問 →童子問
一童行有り、問て曰、「伏して聞く、先生孔孟の正指を闡明(せんめい)して、以て学者を教導すと。然ども門に入ること日浅く、賦性亦魯なり。之に加るに先入の言主と為て、孔孟の直指に於ては、反て驚き且怪むことを免れず。冀くは開示を賜へ」。予之に応て曰、「孔孟の直指、論孟の二書に見るる者、炳として丹青の如く、天下の理を包含して欠ること無く、百家の典を会萃して遺さず。此を出るときは、則旁径なり、他岐なり。子予の意を識らんと欲せば、則語孟の二書を観て足れり。」(中略)
「知り易く行ひ易く万世不易の道を立てて、以て生民の極と為(し)、之を門人に伝へ、之を後世に詔(つ)ぐ。故に論語の一書、実に最上至極宇宙第一の書と為て、孔子の聖、生民以来未嘗て有らずして、
舜に賢れること遠しと為る所以の者は、此を以てなり。而して孟子の書、又論語に亜(つい)で孔子の旨(むね)を発明する者なり。」(下略)
問、「仁は聖門第一字為る者は、其の旨如何」。曰、「仁の徳為る大なり。然ども一言以て之を蔽ふ。曰、愛のみ。(中略)故に君子慈愛の徳より大なるは莫し、残忍刻薄の心より戚(いたま)しきは莫し。孔門仁を以て徳の長と為るは、蓋し此れが為めなり。此れ仁の聖門第一字為る所以なり。(下略)
〈日本古典文学大系〉

広辞苑 ページ 24187 での【童子問 →童子問】単語。