玉勝間 →玉勝間
23 学問して道をしる事
がくもんして道をしらむとならば、まづ漢意(からごころ)をきよくのぞきさるべし、から意の清くのぞこらぬほどは、いかに古書をよみても考へても、古(いにしえ)の意はしりがたく、古のこゝろをしらでは、道はしりがたきわざになむ有ける、そも


道は、もと学問をして知ることにはあらず、生れながらの真心なるぞ、道には有ける、真心とは、よくもあしくも、うまれつきたるまゝの心をいふ、然るに後の世の人は、おしなべてかの漢意にのみうつりて、真心をばうしなひはてたれば、今は学問せざれば、道をえしらざるにこそあれ、
〈日本思想大系40〉