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風流志道軒伝 →風流志道軒伝🔗⭐🔉
風流志道軒伝 →風流志道軒伝
爰に江戸浅草の地内に、志道軒といへるえせものあり。軍談を以て人を集、木にて作(り)たる松茸の形したる、をかしきものを以て、節を撃て諸人の臍を宿がへさせる、猥雑滑稽、耳を抓(つかん)で尻のごふ程、取(つ)ても付(か)ぬ歯なしの口をくひしばり、そこらだらけが皺だらけなる顔打(ち)ふり、或は白眼にして、他の世上の人を、味噌八百のめつぽう矢八、九十に近き痩親父にて、女形の身ぶり声色まで、其趣を写(す)こと誠に妙を得たりと云(ふ)べし。其説ところは、神儒仏のざく
汁、老荘の芥子ぬた、氷の吸物、稲光の油あげ、跡も形もないて居る子も笑(ひ)出し、草履つかむやつこらさまでが、何やら坊といへば、志道軒としる程の、古今無双の坊主なり。(下略)
〈日本古典文学大系〉


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