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北越雪譜     →北越雪譜🔗🔉

北越雪譜     →北越雪譜 ㈠○ 地気雪と成る弁  凡天より形を為して下す物○雨○雪○霰○霙○雹なり。露は地気の粒珠する所、霜は地気の凝結する所、冷気の強弱によりて其形を異にするのみ。地気天に上騰(のぼり)形を為て雨○雪○霰○霙○雹となれども、温気をうくれば水となる。水は地の全体なれば元の地に皈(かえる)なり。地中深ければかならず温気あり、地温なるを得て気を吐、天に向て上騰事人の気息(いき)のごとく、昼夜片時も絶(たゆ)る事なし。天も又気を吐て地に下す、是天地の呼吸なり。人の呼(でるいき)と吸(ひくいき)とのごとし。天地呼吸して万物を生育(そだつる)也。天地の呼吸常を失ふ時は暑寒(あつささむさ)時に応ぜず、大風大雨其余さまの天変あるは天地の病(やめ)る也。(下略) ㈡○ 雪の用意  前にいへるがごとく、雪降んとするを量り、雪に損ぜられぬ為に屋上(やね)に修造を加へ、梁(うつばり)柱廂(ひさし)〈家の前の屋翼(ひさし)を里言にらうかといふ、すなはち廊架なり〉其外すべて居室に係る所力弱はこれを補ふ。雪に潰れざる為也。庭樹は大小に随ひ枝の曲べきはまげて縛束(しばりつけ)、椙丸太(すぎまるた)又は竹を添へ杖となして枝を強からしむ。雪折をいとへば也。冬草の類は菰筵を以覆ひ包む。井戸は小屋を懸、厠は雪中其物を荷(になわ)しむべき備をなす。雪中には一点の野菜もなければ家内の人数にしたがひて、雪中の食料を貯ふ。〈あたゝかなるやうに土中にうづめ又はわらにつゝみ桶に入れてこほらざらしむ〉其外雪の用意に種々の造作をなす事筆に尽しがたし。                                                                〈岩波文庫〉

広辞苑 ページ 24207 での北越雪譜     →北越雪譜単語。