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学問のすゝめ →学問のすゝめ🔗⭐🔉
学問のすゝめ →学問のすゝめ
天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと云へり。されば天より人を生ずるには、万人は万人皆同じ位にして、生れながら貴賎上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働を以て天地の間にあるよろづの物を資り、以て衣食住の用を達し、自由自在、互に人の妨をなさずして各安楽にこの世を渡らしめ給ふの趣意なり。されども今広く此人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、其有様雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや。其次第甚だ明なり。実語教に、人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なりとあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとに由て出来るものなり。又世の中にむづかしき仕事もあり、やすき仕事もあり。其むづかしき仕事をする者を身分重き人と名づけ、やすき仕事をする者を身分軽き人と云ふ。都て心を用ひ心配する仕事はむづかしくして、手足を用る力役はやすし。
広辞苑 ページ 24320 での【学問のすゝめ →学問のすゝめ】単語。