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独立宣言 →独立宣言🔗⭐🔉
独立宣言 →独立宣言
人事の道程において、一人民にとって、彼らを今まで他の人民に連結していた政府的紐帯を解き放ち、地球上の他の列強の間に、自然および自然の神の法則が、この人民に賦与する独立平等の地位を引受けることが必要となる場合、人類の意見にたいする礼儀正しい尊敬の念は、彼らをしてこの分離独立を余儀なくせしめる理由を宣言することを要求する。
われわれは、つぎの事柄を自明の真理と考える。すべての人々は、平等に創られたものである。すべての人々には、彼らの創造主によって、一定の譲渡すべからざる権利があたえられている。これらの中に、生命、自由および幸福追求の権利がある。これらの権利を安全ならしめるために、政府は人々の間に設けられたものであって、その正当なる権力は、被統治者の承諾から引き出されたものである。政府のいかなる形態も、これらの目的を破壊するにいたれば、人民にはいつでも、それを変更あるいは廃止する権利があり、また人民の安全と幸福とに最も効果的と思われる原則に基礎をおき、またそのように権力と形態とが組織されている新しい政府を設ける権利がある。もちろん、永い間存立していた政府が、軽い一時的な理由で、変更されてはならぬということは、慎重さの教えるところであり、したがってすべての経験は、今まで人類が慣れた形態を廃止して自らを救うよりは、弊害のたえられる限りは、むしろ、これに忍従するものであることを示してきた。しかし濫用および簒奪が永く連続し、不変に同じ目的物を追求して、ついに人民を絶対専制政治の下に陥れる計画が明らかになる場合には、かくの如き政府を放棄し、将来の安全のために、新しい保障を備えるにいたることは、人民の権利であり、また義務である。これら植民地の忍耐強い苦悩は、そのようなものであり、また今や従来の政府組織を変更するの止むなきにいたらしめた必要もまたそのようなものである。現大ブリテン王の歴史は、くりかえされた侵害と、簒奪の歴史であって、すべてこれらの州に絶対的な暴君政治をうち立てようとするのが、その直接の目的であった。このことを証明するために、事実を公平なる世界の前に提出せしめよ。
彼は、社会福祉のため、最も健全で必要な法律を裁可することを拒んだ。彼は、緊急な重要さを有する法律が、彼の裁可をうるまでその施行を停止される場合以外、総督がこれを行うことを禁じ、またかく停止された場合に、彼は、全然これらに注意を払わなかった。彼は、人民にとって無償に尊く、暴君にとってのみは恐しいものである人民の立法部に代表される権利を、人民が放棄しようとしない限りは、広大な地域の人民のために便宜をはかる他の諸法律を通過させることを拒んだ。彼は異常で、不便でしかも公記録の保管してあるところから、遠距離の地に立法部会を召集したのは、彼らをつからせて、自分の処置を認諾するの止むなきにいたらしめる目的にのみ出ずるのである。彼は、代議院が人民の権利にたいする王の侵害に男らしい確固さをもって反対したため、くりかえしこれを解散した。彼はかくの如き解散の後に、長期間他のものが選挙されることを拒んだため、立法の権力は、全然なくなることもできないで、その実行が人民にひろく分散することになり、州はその間外部からのあらゆる侵略と内部の暴動の危険にさらされた。彼は、これらの州の人口増加を妨げるのに努力し、その目的のために、諸州への移民を奨励する他の諸法律の通過を拒み、新しい土地を獲得するための条件を困難にした。彼は司法権樹立についての法律を裁可することを拒み、それによって裁判の実行を妨げた。彼は裁判官を、その任期、俸給の額およびその支払について、彼の意志に依存するものたらしめた。彼は、多くの新官職を制定して、これらの諸州に役人の大群を送り、われわれ人民を悩ませ、その資産を喰いつくさせようとした。彼は、われわれの立法部の承諾をえないで平時にもわれわれの中に常備軍を設けた。彼は軍隊を市民的な権力から独立で、しかもそれよりも優越するものたらしめることを好んだ。彼は他の者と結合して、わが憲法と関係なく、わが法律によって認められていない法権の下に、われわれを服従せしめんとして、武装した大軍隊をわれわれの間に宿泊させ、またわれわれの州の住民を、彼らが殺害した場合に、偽装の裁判によって彼らが刑罰を受けぬように保護し、またわれわれの貿易を世界のすべての地と遮断し、われわれの承諾をえずしてわれわれに課税し、多くの訴訟で陪審裁判をうける利益をわれわれから奪い去り、見せかけの犯罪事件の裁判をするために、われわれを海の彼方に輸送し、隣接する領土内で英国法の自由制度を廃止して、そこに専制政府を樹立し、そのおよぶ領域を拡大して、われわれの植民地に、ただちに同一の専制的支配を移入するための好箇の例証ないしは恰好の手段たらしめ、われわれの特許状をとり上げ、われわれの最も価値のある法律を廃止して、われわれの政府の形態を根本的に変更せしめ、われわれ自身の立法部を停止し、何事についてもあらゆる事件において彼らこそわれわれについて、立法する権力を有すると宣言するために、見せかけの立法でできた法令に裁可をあたえているのである。彼は、われわれを彼の保護から除外する宣言を発し、われわれにたいして戦争を挑んだことによって、この地における彼の統治を放棄したのである。彼は、われわれの領海を掠奪し、わが海岸を荒し、われわれの町を焼きはらい、われわれの同胞の生命を奪ったのである。彼は、最も野蛮な時代においてさえもほとんどその比を見ない程に、残酷で背信的である事情の下に、すでに始めた死と蹂躙と圧制の事業を完成するために、外国の傭兵からなる大軍隊を現に輸送しつつあるのであって、全然文明国民の首長たる価値がないのである。彼は、公海上で捕虜となったわれわれの同胞市民をして、彼ら自らの国家にたいして武器をとらせ、彼ら自らの友であり兄弟である者にたいする刑の執行者たらしめ、あるいは、彼ら自らを、自らの手によってたおれしめたのである。彼はわれわれの間に暴動を起させ、すべてわが辺境の住民であり、年齢、性、事情のいかんにかかわらず無差別の殺戮を行うことを、戦闘の法則としていることで有名な残忍なインド野蛮族を招きよせることを努めたのである。これらの圧迫のたびごとに、われわれは、最も謙遜な言葉をもって、救済の請願をしたのであるが、このくりかえしなされた請願は、ただくりかえしなされた危害によってのみ答えられた。かくの如く、どの行為についても暴君と定義さるべき性格の特徴を有する君主は、自由な人民の支配者たる資格がない。またわれわれは、英国の同胞に注意することも怠らなかった。彼らがその立法によってわれわれにたいして不当にその法権の支配を拡大せんと努めたことに、その時々、警告を発したのである。われわれはこの土地における移民および植民の事情について彼らに理解をえさせようとした。われわれは彼らの本来の正義心と寛大とに訴え、上述のような虐政が改められぬ限り、われわれの間の連結と一致とが破られざるをえないと、共通血族の紐帯によって彼らに懇願した。しかし彼らもまた、正義と血族の声に耳をかさなかったのである。故にわれわれは、われわれの分離を通告し、われわれが今後彼らにたいして、他の人類にたいすると同様に、戦時の敵、平時の友として過さざるをえなくなったのである。
故に、われわれアメリカ合衆国の代表は、一般会議に集合して、世界の最高法廷にたいして、われわれの考えの公正なことを訴え、これら連合植民地が自由かつ独立の国家であり、また当然あるべきこと、彼らが英国王にたいするすべての忠誠から解除されたこと、彼らと大ブリテン国とのすべての政治的結合関係が完全に解除されたこと、また当然さるべきであったこと、自由独立の国家として、彼らは宣戦講和、同盟締結、通商その他独立国家が当然なしうるすべての行動および事物にたいし完全な権利を有することを、これら諸州の善良なる人民の名前と権威によって厳かに公示し宣言するものである。しかしてこの宣言を支持するため、われわれは神の冥助に確固たる信頼をもって、われわれの生命、財産およびわれわれの神聖な名誉を賭して相共に誓うのである。
〈世界各国人権宣言集〉
広辞苑 ページ 24344 での【独立宣言 →独立宣言】単語。