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おこ・す【起こす・興す】🔗🔉

おこ・す起こす・興す】 〔他五〕 静止あるいは停滞しているものを他から刺激して活動させる意。 ➊(潜在している活力を)活動させる。 ①《起》眠りからさめさせる。万葉集6「朝狩に鹿猪ししふみ―・し」。源氏物語夕顔「渡殿わたどのなる宿直人―・して」。「朝7時に―・す」 ②《興》衰えたものをさかんにする。古今和歌集「いにしへのことをも忘れじ、旧りにし事をも―・したまふとて」。「芭蕉の遺風を―・す」 ③心を奮いたたせる。また、信心・仏心・欲心・悪心などの心を発動させる。万葉集3「ますらをの心振り―・し」。源氏物語御法「思ひのままの道心―・す人々」。「かんしゃくを―・す」 ④(「熾す」とも書く)炭に火をうつす。炭火の勢いを盛んにする。枕草子1「いと寒きに、火などいそぎ―・して」 ⑤物事を始める。新たに設ける。古事記「隠処くみどに―・して生める子は」。「会社を―・す」「稿を―・す」 ⑥(平穏な状態を騒がせるような物事や状態を)発生させる。生ぜしめる。神功紀「兵甲いくさを振おこして」。日葡辞書「ランヲヲコス」「ヤマイヲヲコス」。「事を―・す」「腹痛を―・す」 ⑦大勢の人を出動させる。立ちあがらせる。武烈紀「信濃国の男丁よほろを発おこして」。平家物語4「十八日辰の一点に大衆を―・し」 ⑧版に彫る。出版する。江戸生艶気樺焼えどうまれうわきのかばやき「この訳を板行に―・して」。「版を―・す」 ➋《起》横たわっているものを立てる。立たせる。万葉集19「梓弓末振り―・し投矢もち千尋射わたし」。源氏物語若紫「臥し給へるをせめて―・して」。「転んだ子を―・す」 ➌《起》中のものを外にあらわれるようにする。 ①土を掘り返す。たがやす。平家物語2「はかなくなれる二親がしかばねを掘り―・いて打たせらる」。「田を―・す」 ②固着したものをはぎとる。はがす。「にかわを―・す」 ③花札で、ふせてある札をめくり、表をあらわす。 ④文字化する。「テープを―・す」 ◇広く一般には「起」。物事を盛んにする意、組織体などを新しく設ける意の場合に「興」を使う。

広辞苑 ページ 2733 での起こす単語。