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くだ・す【下す・降す】🔗🔉

くだ・す下す・降す】 〔他五〕 ①高い所にあるものを一気に低い所に移す。肥前風土記「篠原の弟姫の子ぞさ一夜ひとゆも率寝てむ時しだや家に―・さむ」 ②川上から川下へ一気に流す。拾遺和歌集「大井河―・す筏のみなれ棹」 ③(雨などを)降らせる。拾遺和歌集雑秋「杣山にたつけぶりこそ神無月時雨を―・す雲となりけれ」 ④価値・地位などを低くする。さげる。「位を―・す」 ⑤都から他の地方へつかわす。源氏物語若菜上「これより―・し給ふ人ばかりにつけてなむ、一くだりにても尼君にさるべき折節の事も通ひける」。「使を各地へ―・す」 ⑥(貴人から物を)賜る。下賜する。平家物語(延慶本)「今度は御衣おんぞを―・させ給ふ」 ⑦最終的な意志をうちだす。命令・判決などを申し渡す。大鏡伊尹「辰の時に人々参れと宣旨―・させ給ふを」。「判決を―・す」「判断を―・す」「結論を―・す」 ⑧打ち勝って自分に従わせる。降参させる。「朝に一塁を屠り夕に一城を―・す」。「大差で―・す」 ⑨実際にその行為をする。「手を―・す」 ⑩筆を紙上におろして書く。源氏物語梅枝「かかる御なかに、おもなく―・す筆の程、さりともとなむ思ひ給ふる」 ⑪(動詞の連用形に付いて)物事を次へ進めて行く。源氏物語手習「髪は尼君のみけづり給ふを…ただすこしとき―・して」。「読み―・す」 ⑫(「瀉す」とも書く)下痢を起こす。「腹を―・す」 ⑬(隠語)紙幣入れや鞄などの中身だけ抜き取る。 ◇一般には「下」を使うが、4・8では「降」を用いることも多い。

広辞苑 ページ 5637 での下す単語。