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けり🔗⭐🔉
けり
[一]〔助動〕
(活用はラ変型。[活用](けら)/○/けり/ける/けれ/○)過去の助動詞キとアリとが結合したものとする説、動詞キ(来)とアリとが結合したものとする説などがある。活用語の連用形に付く。ある事実を基に過去を回想する意を表す。後世には助動詞タの意味を詠嘆的にいう時に用いることが多い。
①ある事実から、過去にあったことを回想する。前は…だった。…であることから前にあったことが思い出される。古事記上「赤玉は緒さへ光れど白玉の君が装よそひし貴くありけり」。万葉集5「梅の花咲きたる園の青柳は鬘かずらにすべく成りにけらずや」。源氏物語桐壺「かかる人も世に出でおはするものなりけり」。源氏物語少女「式部卿の宮明けむ年ぞ五十になり給ひけるを」
②人から聞いたりして知っていたことを思い起こしていう。万葉集3「田子の浦ゆ打ち出でて見れば真白にそ不尽の高嶺に雪は降りける」。土佐日記「昔土佐といひける所に住みける女、この舟にまじれりけり」
③過去にあったことを今の話題にのせる時にいう。…た。物語の冒頭に用いるのはこの用法。竹取物語「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり」
④今あることは、前からのことであったと思う。…ているのは前からだった。前から…ていた。源氏物語橋姫「この宇治山に、聖だちたる阿闍梨住みけり」
⑤時を超越してある事実が存在することを述べる。西大寺本最勝王経平安初期点「諸仏の境は難思なりケリ、世間に与に等しきは無かりケリ、法身は性において常住なりケリ、修行も差別無かリケリ」
[二]〔名〕
(和歌・語り物など、助動詞ケリで終わるものが多いところから)物事の終り。結末。「鳧」の字を当てる。
⇒けりがつく
広辞苑 ページ 6275 での【けり】単語。