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さ・げる【下げる】🔗🔉

さ・げる下げる】 〔他下一〕[文]さ・ぐ(下二) ➊物の一部を固定して他は下方へ垂らす。 ①つるす。ぶらさげる。大鏡兼家「くれなゐの袴に赤き色紙の物忌いと広きつけて土とひとしう―・げられたりしかば」。「看板を―・げる」 ②(「提げる」とも書く)手に持ってぶらぶらさせる。転じて、たずさえる。ひき連れる。源氏物語若紫「よべ縫ひし御衣どもひき―・げて、みづからもよろしき衣着かへて」。「かばんを―・げる」「土産物を―・げてやってきた」 ③ぶらさげて持つ意から、「持つ」「有する」の意をいやしめていう語。浄瑠璃、女殺油地獄「人間の根性なぜ―・げぬ」 ④一方の端または一部を他より低くする。徒然草「倚廬いろの御所のさまなど、板敷を―・げ、葦の御簾をかけて」。「目尻を―・げる」 ➋後へ退かせる。源氏物語藤裏葉「中宮の御母御息所の車押し―・げられ給へりし折の事」。「椅子をうしろへ―・げる」 ➌高い所から低い所へ位置をかえる。 ①低い位置へ移す。くだす。おろす。下方へ向ける。竹取物語「鼎の上より手とり足とりして―・げおろし奉る」。天草本伊曾保物語「首こうべを地に―・げへりくだつたれば」。日葡辞書「アタマヲサグル」。「棚板を1段―・げる」 ②目上の者の前から退かせる。しりぞける。のける。源氏物語帚木「心地なやましければ、人々―・げずおさへさせてなむ」。歌舞伎、傾情吾嬬鑑「コレ、お伝、この新造めを―・げてくりやれ」。「供物を―・げる」 ③勤務場所・学校などから帰らせる。また、そこをやめさせる。 ④目上の者から目下の者へ物を渡す。また、役所が書類などを下付する。梅暦「随分金子は―・げつかはすが…さし引き残り千両は早速に上納いたせ」。「役所から鑑札を―・げてもらう」 ➍物事の程度などを低くする。 ①地位・格式などを低くする。平家物語1「我身に過つ事は無けれども、すてられたてまつるだにあるに、座敷をさへ―・げらるる事の心うさよ」 ②価値・値段などを低くする。劣った状態にする。炭俵「茶の買置きを―・げて売り出す」(孤屋)。「値段を―・げる」「評判を―・げる」「男を―・げる」 ③高低・強弱の度合を低くする。また、(速度を)おとす。「温度を―・げる」「もっとスピードを―・げろ」 ④見さげる。けなす。平家物語7「さては互ひに好い敵かたきぞ。但わ殿を―・ぐるにはあらず」。日葡辞書「ヒトヲサグル」。「人を上げたり―・げたりする」 ➎銀行などから金を引き出す。おろす。

広辞苑 ページ 7884 での下げる単語。