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さ・める【冷める・覚める・醒める・褪める】🔗🔉

さ・める冷める・覚める・醒める・褪める】 〔自下一〕[文]さ・む(下二) (「寒い」と同源) ➊物体の熱、物事に対する熱意が低下してもとの状態になる。 ①《冷》熱くした物の温度が普段の温度まで下がる。ぬるくなる。冷たくなる。永久百首「夜と共に下に焚く火はなけれどもしまねの御湯は―・むるよもなし」。「スープの―・めない距離」 ②《冷・覚・醒》心の高ぶりがなくなり、普段の心の状態に戻る。気持が静まる。源氏物語夕顔「ただあなむつかしと思ひける心地皆―・めて、泣き惑ふさまいといみじ」。日葡辞書「ココロガサメタ」。「あの人に対する熱も―・めた」「ほとぼりが―・める」「興味が―・める」「―・めた目で見る」 ➋《覚・醒》眠り・酔い・迷いなどが消え去って、普段の判断ができるようになる。 ①眠った状態から起きた状態に戻る。夢からうつつにかえる。正気に戻る。万葉集19「夜ぐたちに寝―・めて居れば河瀬とめ心もしのに鳴く千鳥かも」。日本霊異記「地にたふれて臥し嘿然しずかなり。ものいはず、やや久にありて蘇め起ち」。源氏物語帚木「いたづらぶしとおぼさるるに御目―・めて」。「夢から―・める」 ②酒の酔いがなくなる。大鏡道隆「この殿御酔のほどよりはとく―・むることをぞせさせ給ひし」。「酔いが―・める」 ③迷いがなくなり、普段の判断ができるようになる。物思いが晴れる。源氏物語槿「今日は老いも忘れ、憂き世の嘆き皆―・めぬる心地なむ」。「迷いから―・める」 ➌《褪》染色などがうすれて、濃かった色が薄い色になる。色が分からなくなる。くすむ。あせる。風雅和歌集「風わたる田の面の早苗色―・めて入日のこれる岡の松原」。「着物の色が―・める」

広辞苑 ページ 8071 での冷める単語。