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さ・る【去る】🔗🔉

さ・る去る】 〔自五〕 (常時そこに存在するものが、共に存在するものの意思・感情にかかわりなく)移動する。古くは、遠ざかるにも近づくにもいう。 ①(時・季節などが)移りめぐってくる。万葉集1「冬ごもり春―・り来れば」。万葉集15「夕―・ればひぐらし来鳴く生駒いこま山」 ②時が過ぎてゆく。平家物語3「年―・り年来れ共、忘れ難きは撫育の昔の恩」。平家物語4「これは―・んぬる夜、御寝の成らざりし故也」。「夏が―・る」 ③ある所・地位・状況から離れ、ほかへ行く。移る。竹取物語「御心をのみまどわして―・りなむことの、悲しくたへがたく侍るなり」。枕草子160「さすがになどてかと思ひ顔にえ―・らぬ」。源氏物語若菜上「今かく政事を―・りて静かにおはします頃ほひ」。「職を―・る」 ④物事が過ぎてゆく。過去のものとなる。古今和歌集「たとひ時移り事―・りたのしびかなしびゆきかふともこの歌のもじあるをや」。「唯一のチャンスも―・った」「一難―・ってまた一難」 ⑤へだたる。離れる。 ㋐距離がある。「京を―・ること10里」 ㋑過去にさかのぼる。「今を―・る10年」 ⑥(色が)あせる。また、(感覚・幻覚などが)消えうせる。なくなる。貫之集「雨ふれば色―・りやすき花桜うすき心を我が思はなくに」。源氏物語早蕨「面影―・らぬ人の御事をさへ思ひ出できこえ給ふに」。「痛みが―・る」 ⑦(「世を―・る」の形で)亡くなる。死ぬ。源氏物語若菜上「うちつづき世を―・らむきざみ心苦しく」 ⑧(サ変動詞の連用形に付いて)…してしまう。…してのける。「聴衆を魅了し―・る」「一笑に付し―・った」 ⇒去る者は追わず ⇒去る者は日日に疎し

広辞苑 ページ 8107 での去る単語。