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され‐ば【然れば】🔗⭐🔉
され‐ば【然れば】
[一]〔接続〕
①上の文をうけて、次の論を展開させるのに用いる。そうであるから。それゆえ。源氏物語帚木「―、かのさがなものも思ひいであるかたに忘れがたけれど、さしあたりて見むには煩はしく、よくせずはあきたきこともありなむや」
②「―よ」「―こそ」などの形で、思った通りだ、案の定だ、の意を表す。源氏物語少女「あさましくもあるかな、―よ、思ひ寄らぬ事にはあらねど、いはけなき程にうちたゆみて、世は憂きものにもありけるかな」。天草本平家物語「三位の入道―こそと言うて喜ばれた」
③強い驚き・意外さを表す文の中に用いて、いったい、そもそもの意を表す。平家物語3「こは―何事ぞや。御とがあるべしとも思し召さず」
④話題を先へ転じたり、新しく説き起こしたりする際に用いる。さて。ところで。日本永代蔵3「この男…世の人あやかりものとて升掻ますかきを切らせける。―かぎりある命、この親父その年の時雨降るころ」
[二]〔感〕
答える際に用いる語。下に「いの」「いな」「さ」を伴い、また「―その事」「―でございます」などの形で用いられる。さよう。いや。狂言、仏師「何時頃出来ませう。―、十年ばかりせずば出来ますまい」。天草本平家物語「木曾が京で狼藉をしたは何たることぞ。―そのことでござる」。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「権三殿は御存じないか。―、存じたとも申されず、存ぜぬとも申されぬ」
⇒されば‐いな【然ればいな】
⇒されば‐こそ【然ればこそ】
⇒されば‐よ【然ればよ】
広辞苑 ページ 8124 での【然れば】単語。