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のび‐のび【伸び伸び・延び延び】🔗🔉

のび‐のび伸び伸び・延び延び】 ①よくのびるさま。落窪物語2「足手あはせて、いとよく―して、辛うじて起きいで」 ②急がないさま。曾我物語4「―の御心なるべしと思ひつるに」 ③物事の延引するさま。「期日が―になる」 ④おさえられることなく自由であるさま。ゆったりしているさま。「―と育つ」「―した生活」

のび‐やか【伸びやか】🔗🔉

のび‐やか伸びやか(→)「のびらか」に同じ。「―な筆致」

のび‐らか【伸びらか】🔗🔉

のび‐らか伸びらか】 ①長くのびたさま。源氏物語末摘花「御鼻あさましう高う―に」 ②心がゆったりしているさま。源氏物語初音「人の心も―にぞ見ゆるかし」

のび‐りつ【伸び率】🔗🔉

のび‐りつ伸び率】 伸びる割合。前の期に比して増加する割合。

の‐びる【野蒜】🔗🔉

の‐びる野蒜】 ユリ科の多年草。広く山野に自生。地下に球形の鱗茎があり、細い長管状の葉は、長さ約30センチメートル。夏、花茎を出し、紫色を帯びた白色の花を開く。多くの珠芽を混生。全体にネギに似た臭気がある。葉および鱗茎を食用にし、根・茎を摺りつぶして外傷・打身などの薬用とする。ねびる。ぬびる。のびろ。古名、アララギ。〈[季]春〉。「野蒜の花」は〈[季]夏〉。 ノビル 撮影:関戸 勇 ノビル(鱗茎) 撮影:関戸 勇

の・びる【伸びる・延びる】🔗🔉

の・びる伸びる・延びる】 〔自上一〕[文]の・ぶ(上二) ➊空間的に長くひろがる。 ①長くなる。広くなる。源氏物語総角「大方例の見奉るに皺―・ぶる心地して、めでたくあはれに見まほしき御かたち有様を」。日葡辞書「セイ、また、タケガノブル」。「髪が―・びる」 ②ある点にまで、達する。とどく。「鉄道がやっとここまで―・びた」「捜査の手が―・びる」 ③ゆるむ。平家物語9「腹帯はるびの―・びて見えさうぞ。しめ給へ」 ④にげて遠くへだたる。平家物語4「今は宮も遥かに―・びさせ給ひぬらんとや思ひけん」 ⑤時間がたったり古くなったりして、弾力がなくなる。「蕎麦そばが―・びる」「―・びたゴム紐」 ⑥溶けたり、やわらかくなったりして、よくひろがる。「糊がうすく―・びた」 ⑦疲れたり、なぐられたりして、動けなくなる。「マットに―・びる」「暑さに―・びる」 ➋時間が長くなる。 ①久しくなる。長引く。西大寺本最勝王経平安初期点「疾病を離れて、寿命延ノビて長からむ」。大鏡後一条「おきな今十廿年の命は今日―・びぬる心地し侍る」。「日照時間が―・びる」「会期が―・びる」 ②日時がおくれる。延期になる。源氏物語梅枝「御まゐり―・びぬるを宮にも心もとながらせ給へば、四月にと定めさせ給ふ」 ➌心理的にゆるむ。 ①のびのびとする。くつろぐ。源氏物語絵合「三月の十日のほどなれば、空もうららかにて人の心も―・び物面白き折なるに」 ②たるむ。弛緩する。玉塵抄14「人のぬたでものを懈怠して―・びてゐたことぞ」 ③女にうつつをぬかす。でれでれする。浄瑠璃、女殺油地獄「エ忝いと―・びた顔付客は堪らず傍にどうと腰掛け」 ➍財産が豊かになる。また、勢力や能力などが盛大になる。浮世草子、子孫大黒柱「商売に精を出し、毎年―・びる店おろしを次郎兵衛入道に聞して喜ばせ」。「輸出量が―・びる」「学力が―・びる」「若手が―・びる」 ➎収支差し引いてあまる。浮世草子、好色敗毒散「此の銀を一年壱割にまはして、利足弐百貫目あり、此の利にて世帯入用五拾貫目引いて、百五拾貫目―・びるなり」 ◇「伸」は、主として➊・➍の意で使う。「延」は、距離が延長されたり平面的に広がったりする意や➋の意で使う。

広辞苑 ページ 15427