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○雪を回らすゆきをめぐらす🔗🔉

○雪を回らすゆきをめぐらす [曹植、洛神賦](「回雪かいせつ」の訓読)風が雪を吹きめぐらす。衣の袖を巧みにひるがえして舞うことをたとえる。住吉物語社歌合「月影にかなづるきねが衣手は―ここちこそすれ」 ⇒ゆき【雪】 ゆ・く行く・往く・逝く】 〔自五〕 (奈良・平安時代からイクと併存。平安・鎌倉時代の漢文訓読ではほとんどユクを使い、イクの例はきわめて稀) ①現在いる地点から出発して向うの方へ進行・移動する。 ㋐前方へ向かって進む。離れ去る。万葉集15「真楫まかじき船し―・かずは見れど飽かぬまりふの浦に宿りせましを」。「―・けども―・けども山の中」 ㋑目的地に向かい進む。出向く。古事記「いざ子ども野蒜摘みに蒜摘みにわが―・く道の」。「外国へ―・く船」 ㋒目的の所に到達する。とどく。万葉集5「家に―・きて如何にか吾がせむ枕づく妻屋さぶしく思ほゆべしも」。「もうじき知らせが―・くはずです」 ㋓ある段階に達する。「そこまで―・けば玄人だ」 ㋔(「そこへ―・くと」「そこへ―・けば」の形で)その点から考える。「そこへ―・くと日本は狭い」 ②ある所を通過して進む。 ㋐通り過ぎる。通行する。古事記「浜つ千鳥浜よは―・かず磯伝ふ」。「道―・く人」「―・く雁」 ㋑水が流れ去る。また、風が吹き渡る。斉明紀「飛鳥川みなぎらひつつ―・く水の間もなくも思ほゆるかも」。万葉集11「わが背子が浜―・く風のいやはやに早事なさば」 ㋒年月・時日などが経過する。万葉集9「とこしへに夏冬―・けや皮衣扇はなたず山に住む人」。「―・く年、来る年」 ③道などが通じる。通っている。万葉集2「三笠山野辺―・く道はこきだくもしじに荒れたるか」。「学校へ―・く道」 ④ある方法で事を行う。「名案だ。それで―・こう」 ⑤《逝》死ぬ。逝去せいきょする。伊勢物語「つひに―・く道とはかねて聞きしかど」 ⑥年齢が進む。成長する。平家物語2「わが身の年の―・く事をば嘆かずして」。好色五人女5「年の程十五か六か、七までは―・かじ」 ⑦心が満たされる。万葉集3「わが屋前にわに花そ咲きたるそを見れど心も―・かず」。「納得が―・く」 ⑧物事がはかどる。進展する。古今著聞集12「相論事―・かざりけるに」。愚管抄3「万機の沙汰の―・かぬ様になるとき」。「にっちもさっちも―・かない」 ⑨ある事態が生起する。生ずる。玉塵抄23「風は乱の―・くにたとへられたぞ」。玉塵抄26「大ひでりが―・くぞ」。世間胸算用1「お伊勢様も損の―・かぬやうに」 ⑩(嫁・婿などになって)他家に移る。毛詩抄「その―・く時分が秋冬でよい時分ぢやぞ」。「養子に―・く」 ⑪他の動詞に付いて「物事が次第に進行する」「引き続いて進行する」意を表す。口語では助詞「て」を介して動詞に付く。万葉集3「語り継ぎ言ひ継ぎ―・かむ富士の高嶺は」。「やせて―・く」 ⇒行くとして可ならざるはなし ⇒行くに径に由らず ゆ‐ぐ湯具】 ①入浴の際に着た衣。ゆかたびら。 ②腰巻き。ゆまき。ゆもじ。 ゆく‐あき行く秋】 暮れて行く秋。晩秋。〈[季]秋〉。古今和歌集六帖6「しのすすき穂に出でずとも―を招くといはばそよと答へよ」 ゆく‐え行方‥ヘ ①進んで行く先。行くべき方向。ゆくて。また、行った先の場所。万葉集3「もののふの八十やそ宇治河の網代木あじろぎにいさよふ波の―知らずも」。「―をくらます」 ②行く末。前途。将来。万葉集11「数多あまたあらぬ名をしも惜しみ埋木うもれぎの下ゆそ恋ふる―知らずて」。「国の―を憂える」 ③(女房詞)銭ぜに⇒ゆくえ‐ふめい【行方不明】 ⇒行方なし

広辞苑 ページ 20067