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あ・てる【当てる・充てる】🔗🔉

あ・てる当てる・充てる】 〔他下一〕[文]あ・つ(下二) 一定の方向への働きかけをし、それに対応するようなショックや反応をおこさせる意。 ➊まともに対象にぶつける、または触れさせる。 ①(目標や急所などに)ぶつける。命中させる。源氏物語若菜下「柳の葉を百度―・てつべき舎人どもの」。「石を電柱に―・てる」 ②(局所などに)接触させる。くっつける。あてがう。大鏡時平「焼き石のやうに御身に―・てて持ち給へりけるに」。「胸に手を―・てる」「継ぎを―・てる」「お寒いので座ぶとんを―・てて下さい」 ▷最後の例は、「敷く」よりも丁寧な言い方。 ③当て身をくわせる。歌舞伎、名歌徳三升玉垣「有右衛門を―・てると、有右衛門倒れ」 ④(あるやり方で人を)扱う。傾城禁短気「幼少より、兄弟子の太夫達に、つらく―・てられた事なく」 ⑤あてつけを言う。非難する。醒睡笑「『奇特なことや。こちさへ知らぬ』と―・てたれば」 ⑥(視線などを)まともに向ける。方丈記「変りゆくかたち有様、目も―・てられぬこと多かり」 ➋直進作用をまともに受けさせる。 ①(熱・風・光などに)さらす。あたらせる。古事記「真火には―・てず」。拾遺和歌集「吹く風の荒きかたには―・てじとて」 ②(「宛てる」とも書く)(仕事や役目などを)担当させる。割り当てる。指名する。…に向ける。宇津保物語祭使「その日の御節供、よき御庄ある国々の受領に―・てられたり」。栄華物語日蔭のかづら「歌の方に、さもあるべき人どもを、―・てさせ給へるなるべし」。「先生に―・てられる」「その人に―・てて便りを書く」 ③(罪状にてらし)処分する。(しかるべき罰を)科する。宇津保物語俊蔭「かかること世にきこえば、汝らをさへ罪に―・てむ」。「罰ばちを―・てられた」 ④(主として受身の形で)熱気・毒気・悪気などが心身に障害をおこさせる。地蔵十輪経元慶点「種々の毒薬に中アテらるることを」。「毒気に―・てられた」 ⑤(主として受身の形で)(男女が)仲のいい所を見せつける。「夫婦仲のよいのに―・てられる」 ➌物事を他の物事とぴったり相対応するようにする。 ①うまく対応するようにする。また、それぞれにしかるべく分配する。源氏物語橋姫「四季に―・てつつし給ふ御念仏の」。今昔物語集15「食物じきもつなど―・ててあはれめば」。「仮名に漢字を―・てる」 ②正しく見当をつける。予測・推測を的中させる。源氏物語「大将の君の御通ひ所ここかしこと思し―・つるに」。「誰がしたのか―・ててごらん」「年齢を―・てる」 ③《充》目的や用途にぴったりかなうようにする。充当する。平家物語8「なまぐさき肉しし、酪のつくり水もつて飢渇に―・つ」。「2階を書斎に―・てる」「交通費に―・てる」 ④ちょうどその方向にあるようにする。平家物語7「山をうしろにし、山を前に―・つ」 ⑤(物事を)期待通りの状態にする。よい結果を得る。歌舞伎、韓人漢文手管始「おいらが太鼓を持つて―・てささにやならぬ神事の趣向」。「新製品で―・てる」 ⑥くじなどに当たって金銭・物品などを得る。「1等百万円を―・てた」 ◇広く一般には「当」、割りあてて使用する・分担させるなどの場合に「充」も使う。

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