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いいえ【否】🔗⭐🔉
いいえ【否】
〔感〕
(丁寧な言い方の口頭語)そうではない。いな。いや。「―、違います」
いいや【否】🔗⭐🔉
いいや【否】
〔感〕
強い打消の語。いいえ。
いな【否】🔗⭐🔉
いな【否】
〔感〕
(不同意・否定の意を表す)
①申し出を拒否する語。いやだ。万葉集20「見むと言はば―と言はめや」
②問いに対して否定的に答える語。また、発言の途中で訂正したりためらったりして発する語。いいえ。いや。そうでない。竹取物語「―、さもあらず」。「日本で、―、世界で認められた業績だ」
いな‐いな【否否】🔗⭐🔉
いな‐いな【否否】
〔感〕
「いな」を強めていう語。いえいえ。いやいや。
いな‐う【否諾】🔗⭐🔉
いな‐う【否諾】
(「いな」は不承知、「う」は承諾の意を表す語)諾否だくひ。いやおう。
いな‐せ【否然】🔗⭐🔉
いな‐せ【否然】
①(「せ」は「さ(然)」の転で、承諾の意)不承知と承知。いやおう。諾否。丹後風土記逸文「―の意を知らむ」
②安否。消息。浄瑠璃、出世景清「―の便りもし給はぬは」
いな‐と‐よ【否とよ】🔗⭐🔉
いな‐と‐よ【否とよ】
〔感〕
(他人の発言に不同意の意を表して、自分の心持を述べようとする時にいう語)いやいや。いやとよ。鶉衣「―、世にしら猫ともしら鼠ともいふにこそ」
いな・ぶ【辞ぶ・否ぶ】🔗⭐🔉
いな・ぶ【辞ぶ・否ぶ】
〔他上二〕
(感動詞イナに動詞構成の接尾語ブの付いたもの。後、四段活用に転じた)承知しない。ことわる。源氏物語若菜上「かたく―・ぶるをせめ給へば」
いな・む【辞む・否む】🔗⭐🔉
いな・む【辞む・否む】
〔他上二・五〕
(イナブの転)
①承知しない。ことわる。「援助を―・むわけにもいかない」
②否定する。蜻蛉日記中「あしともよしともあらんを、―・むまじき人は」。続草庵集「―・みむことも」。「―・みがたい事実」
いなめ‐ない【否めない】🔗⭐🔉
いなめ‐ない【否めない】
(イナメはイナムの可能動詞イナメルの未然形)否定できない。「何人なにびとも―事実」
いな‐も‐お‐も【否も諾も】‥ヲ‥🔗⭐🔉
いな‐も‐お‐も【否も諾も】‥ヲ‥
否とも応とも。承知も不承知も。否も応も。万葉集16「―欲しき随まにまに赦すべき貌かたちは見ゆや」
いな‐や【否や】🔗⭐🔉
いな‐や【否や】
(感動詞イナに疑問の終助詞ヤの付いたもの)
[一]〔感〕
①そうするかしないか。どうであろうか。枕草子101「思ふべしや、―。人、第一ならずはいかに」
②いやいや。いやもう。古今和歌集雑体「―思はじ思ふかひなし」
③いやこれは。さてもさても。堤中納言物語「―こは誰ぞ」
[二]〔副〕
(「…や―」の形で)そうするかしないかのうちに。ただちに。橋弁慶「胎内を下おるるや―に池のみぎはに立ち寄りて」。「聞くや―、家を飛び出した」
[三]〔名〕
([一]の名詞化)不承知。異議。また、諾否の返事。花暦八笑人「私ばかり―を申しましては」。「―を聞く」
いや【否・嫌・厭】🔗⭐🔉
いや‐いや【否否・嫌嫌】🔗⭐🔉
いや‐いや【否否・嫌嫌】
[一]〔感〕
「いや」を重ねて否定の気持を強調する語。「―絶対まちがいだ」
[二]〔副〕
いやだと思いながら(も)。「―従う」「―ながら去る」
[三]〔名〕
幼児がいやがって首を振ること。「―をする」
⇒否否三杯
○否否三杯いやいやさんばい
辞退しながらも、すすめられるままにいくらでも飲んだり食べたりすること。口先だけで遠慮すること。
⇒いや‐いや【否否・嫌嫌】
○否否三杯いやいやさんばい🔗⭐🔉
○否否三杯いやいやさんばい
辞退しながらも、すすめられるままにいくらでも飲んだり食べたりすること。口先だけで遠慮すること。
⇒いや‐いや【否否・嫌嫌】
いや‐いや・し【礼礼し】ヰヤヰヤシ
〔形シク〕
礼儀正しい。うやうやしい。源氏物語真木柱「―・しく書きなし給ひけり」
いや‐おい【弥生】‥オヒ
①草木がいよいよ生い茂ること。新撰六帖1「梓弓末野の草の―に」
②陰暦3月の異称。「いやおいの月」とも。
いや‐おう【否応】
不承知と承知。「―を言わせない」
⇒否応無しに
いや‐おう【否応】🔗⭐🔉
いや‐おう【否応】
不承知と承知。「―を言わせない」
⇒否応無しに
○否応無しにいやおうなしに
相手の意向には関係なく。有無を言わせずに。「―承諾させられる」
⇒いや‐おう【否応】
○否応無しにいやおうなしに🔗⭐🔉
○否応無しにいやおうなしに
相手の意向には関係なく。有無を言わせずに。「―承諾させられる」
⇒いや‐おう【否応】
いや‐おち‐に【弥をちに】‥ヲチ‥
幾度もはじめにかえって。万葉集20「ゆめ花散るな―咲け」→おつ(復つ)
いや‐おとこ【嫌男】‥ヲトコ
いやみな男。気どりや。好色一代男7「茨木屋にて御存じの―に逢ひ申候」
いや‐が‐うえ‐に【弥が上に】‥ウヘ‥
なおその上に。あるがうえにますます。「―も気勢があがる」
いや‐がき【弥書】
一つの事を2回書くこと。重ね書き。〈日葡辞書〉
いや‐がた【悪方】
⇒あくがた
いや‐かたぎ【嫌気質】
いやな気質。気にくわない性質。好色一代男3「袖をひけども合点せず、なるは―なり」
いや‐かも
〔副〕
もしや。ひょっとして。〈日本霊異記中訓釈〉
いや‐がら‐せ【嫌がらせ】
相手のいやがることを、わざわざ言ったりしたりすること。「―をする」「―の電話」
いや‐が・る【嫌がる】
〔他五〕
いやだと思う。いやだという様子をする。「学校へ行くのを―・る」
いや‐き【嫌気】
①何となくいやだと感ずる気持。いやけ。
②相場が思う通りに動かないで人気が落ちること。「―売り」
い‐やく【医薬】
①疾病の診断・治療・予防に使用する薬品。日本薬局方に収められているものなど。薬事法の規制を受ける。医薬品。
②医術と薬品。
⇒いやく‐の‐かみ【医薬の神】
⇒いやく‐ひん【医薬品】
⇒いやく‐ぶがいひん【医薬部外品】
⇒いやく‐ぶんぎょう【医薬分業】
い‐やく【意訳】
原文の一語一語にこだわらず、全体の意味に重点をおいて訳すこと。また、その訳したもの。↔直訳↔逐語訳
い‐やく【違約】ヰ‥
約束をたがえること。契約に違反すること。
⇒いやく‐きん【違約金】
⇒いやく‐しょぶん【違約処分】
⇒いやく‐てつけ【違約手付】
⇒いやく‐ばいしょう【違約賠償】
いやく‐きん【違約金】ヰ‥
約束に違反した者が罰として相手方に支払うべき金銭。民法上、債務不履行による賠償額の予定と推定される。
⇒い‐やく【違約】
いやく‐しょぶん【違約処分】ヰ‥
違約者に対する制裁としての処分。取引所の売買取引で期日に受渡しをしない者に対する制裁。
⇒い‐やく【違約】
いやく‐てつけ【違約手付】ヰ‥
交付した者が契約に違反すると相手方に没収される手付。
⇒い‐やく【違約】
いやく‐の‐かみ【医薬の神】
医療をつかさどる神。大国主命・少彦名命、仏教では薬師如来。
⇒い‐やく【医薬】
いやく‐ばいしょう【違約賠償】ヰ‥シヤウ
違約に対して賠償すること。取引員の売買取引で期日に受渡しをしないために生じた損害を取引所が賠償すること。
⇒い‐やく【違約】
いやく‐ひん【医薬品】
(→)医薬1に同じ。薬事法で用いる語。
⇒い‐やく【医薬】
いやく‐ぶがいひん【医薬部外品】‥グワイ‥
人体に対する作用の緩やかな薬品で軽度の不快・不調に対し用いられ、厚生労働大臣の指定するもの。
⇒い‐やく【医薬】
いやく‐ぶんぎょう【医薬分業】‥ゲフ
医師と薬剤師とが業務を分割する制度。診察と処方は医者が、調剤は薬剤師がする。
⇒い‐やく【医薬】
いや‐け【嫌気】
何となくいやだと思う気持。いやき。「―を起こす」
⇒嫌気が差す
いや‐さ【否さ】🔗⭐🔉
いや‐さ【否さ】
〔感〕
「いや」を強めていう語。勢いこんで問いつめる時などに用いる。狂言、隠狸「―狸は売るるかといふ事ぢや」
○否でも応でもいやでもおうでも🔗⭐🔉
○否でも応でもいやでもおうでも
承知でも不承知でも。ぜひとも。
⇒いや【否・嫌・厭】
○否という程いやというほど🔗⭐🔉
○否という程いやというほど
もうこれ以上はいらないというほど。飽きるまで。ひどく。
⇒いや【否・嫌・厭】
いや‐とし‐に【弥年に】
(いよいよ絶えず)年ごとに。毎年毎年。万葉集19「新あらたしき年の初めは―雪踏み平ならし常かくにもが」
いや‐としのは‐に【弥年のはに】
(→)「いやとしに」に同じ。万葉集17「―思ふどちかくし遊ばむ」
いや‐とも【否とも】
〔副〕
いやでも。いやでもおうでも。浄瑠璃、国性爺合戦「―両国権を争ひ合戦に及ぶところ」
いや‐と‐よ【否とよ】
〔感〕
「いや」を強めていう語。いや、とんでもない。いなとよ。謡曲、八島「―弓を惜しむにあらず」
いやなが【弥永】
姓氏の一つ。
⇒いやなが‐しょうきち【弥永昌吉】
いやなが‐しょうきち【弥永昌吉】‥シヤウ‥
数学者。東京生れ。東大・学習院大学教授。整数論・代数学を研究、後進の育成に尽力、平和運動にも関わる。(1906〜2006)
⇒いやなが【弥永】
いや‐な・し【礼無し】ヰヤ‥
〔形ク〕
無礼である。無作法である。皇極紀(岩崎本)平安中期点「多さわに行無礼ヰヤナキワザす」
いや‐に
〔副〕
変に。妙に。ひどく。「―静かな夜」「―もったいぶる」
いや‐は【弥歯】
普通の位置にはえた歯の脇に重なるようにはえた歯。やえば。
いや‐はつはな【弥初花】
最も早く咲く花。万葉集20「なでしこが―に恋しきわがせ」
いや‐はて【弥終】
一番あと。最後。古事記上「―に来りし大穴牟遅神」
いや‐はや
〔感〕
驚きあきれて発する語。まことにはや。いやもう。「―あきれた事だ」
いや‐はや‐に【弥速に】
いよいよ早く。万葉集11「―急事はやことなさば」
いや‐ひ‐け‐に【弥日異に】
いよいよ日ましに。「いやひにけに」とも。万葉集3「―栄ゆる時に」
いやひこ‐じんじゃ【弥彦神社】
新潟県西蒲原郡弥彦村にある元国幣中社。祭神は天香山命あまのかぐやまのみこと。灯籠神事が著名。越後国一の宮。やひこじんじゃ。
弥彦神社
撮影:新海良夫
いや・ぶ【礼ぶ】ヰヤブ
〔他上二〕
うやまう。推古紀(岩崎本)平安中期点「神祇を拝ヰヤヒマツルべし」
いや‐ふう【嫌風・否風】
いやらしいふう。感じのよくない様子。男色大鑑「―なる親父めに」
イヤホン【earphone】
耳にあてたり差しこんだりして、ラジオなどの音を聞く装置。イヤフォン。
イヤマーク【earmark】
(放牧している羊の所有者を識別するために耳に焼印を押したからいう)正貨または地金を外国の中央銀行に寄託して保管を依頼すること。国際間の為替尻決済の支払準備などの目的で行う。
いや‐ま・う【敬ふ・礼ふ】ヰヤマフ
〔他四〕
うやまう。崇神紀「神を―・ふこと」
いや‐まさ・る【弥増さる】
〔自五〕
いよいよつのる。だんだん多くなる。万葉集12「こよひゆ恋の―・りなむ」
いや‐ま・し【否まし】
〔形シク〕
いやに思われる。唐物語「呂后―・しく心うきことにぞおぼしける」
いや‐まし‐に【弥増に】
いよいよますます。いやが上に。万葉集17「夕凪に満ちくる潮の―絶ゆることなく」
いや‐ま・す【弥増す】
〔自五〕
いよいよ多くなる。一段とつのる。
いや‐み【嫌み・厭み】
相手に不快感を抱かせる言葉や態度。いやがらせ。「―を言う」「―たっぷり」「―な人」「―のない応対」
いやみ‐たらし・い【嫌みたらしい】
〔形〕
いかにも嫌みなさまである。「―・い奴」
いや・む【否む】
〔他四〕
いやがる。きらう。宇治拾遺物語3「我等に逢ひてかうはいふぞとて―・み思ひて」
いや‐め【いや目】
悲しそうな目つき。涙ぐんでいる目つき。源氏物語手習「いとど―に尼君は物したまふ」
いや‐もて【嫌持て】
心ではきらわれながら、表面だけはよくもてなされること。
いや‐もの【嫌物】
いとわしいもの。きらいなもの。
いや‐やか【礼やか】ヰヤ‥
うやうやしいさま。礼儀正しいさま。土佐日記「家の人の出で入り、にくげならず―なり」
いや‐やく【忌役】
墓の穴掘りの当番のこと。
いやよつぎ【弥世継】
歴史物語。2巻。藤原隆信の著。「今鏡」と「増鏡」との間の時代、高倉・安徳天皇時代のことを記す。今は伝わらない。
いや‐らし・い【嫌らしい】
〔形〕
①いやな感じがする。いやみったらしい。「―・い趣味」
②みだりがましくて、不愉快である。いけすかない。「―・い目つき」
イヤリング【earring】
耳輪。耳かざり。
いや・る【言やる】
〔他四〕
(言ヒアルの約)おっしゃる。お言いやる。浄瑠璃、大経師昔暦「ほんに―・ればさうぢや」
い・ゆ【癒ゆ】
〔自下二〕
⇒いえる(下一)
い‐ゆ【射ゆ】
(射ルの未然形に受身の助動詞ユの付いた形)射られる。斉明紀「―ししを認つなぐ川上かわへの若草の」
い‐ゆう【畏友】ヰイウ
尊敬する友人。
いゆう‐ごうきん【易融合金】‥ガフ‥
鉛・錫・カドミウム・ビスマスなどの金属を適当な割合で混ぜた融点の低い合金の総称。消火栓・はんだ・ヒューズなどに使用。ウッド合金・ローゼ合金・ニュートン合金など。可融合金。易溶合金。
い‐ゆきあい【い行き会ひ】‥アヒ
(イは接頭語)行きあうこと。また、その場所。万葉集9「―の坂の麓に」
い‐ゆ・く【い行く】
〔自四〕
(イは接頭語)行く。古事記中「―・きまもらひ戦へば」
いよ【伊予】
①旧国名。今の愛媛県。伊余。伊与。予州。
②愛媛県中部、伊予灘に面する市。松山平野南西部にあり、花鰹・ミカンの産地。人口3万9千。
いよ【壱与】
邪馬台国の女王。卑弥呼の死後、男王が立ったが国中服せず、13歳の壱与が女王となって治まったという。魏に使者を派遣。「壹(壱)」は「臺」の誤写とし、臺與とよとよむ説がある。
いよ【弥】
〔副〕
(イヤ(弥)の転。近世「いよしも」の形で多く使われているが、これは「いよ
も」を誤ったものともいう)いよいよ。ますます。浄瑠璃、夕霧阿波鳴渡「―しも変らぬ御見ごげんまで」
いよ
〔感〕
①はやす声。
②ほめそやし、または、からかう時に発する声。
いよ‐いよ【愈々・弥々】
〔副〕
(イヤ(弥)の転イヨを重ねたもの。上代では「いよよ」の形で使われた)
①その上に、より一層。ますます。伊勢物語「―見まくほしき君かな」。「雨が―激しくなる」
②確かさが増し決定的となったさま。確かに。まちがいなく。狂言、絹粥ひめのり「―それでござりました」
③勢いがそこまで来たさま。とうとう。ついに。「―本降りだ」
④さしせまった状態になるさま。「―という時になって」
い‐よう【医用】
医学用。医術用。
⇒いよう‐びる【医用蛭】
い‐よう【威容】ヰ‥
他を圧するようないかめしい姿。威厳のあるかたち。「富岳の―」「―を誇る高層建築」
い‐よう【移用】
国の歳出予算に定めた各部局の経費を、必要に応じ、異なる部局または項の間で移し用いること。国会の議決と財務大臣の承認が必要。→流用
い‐よう【偉容】ヰ‥
すぐれて立派な姿。
い‐よう【異容】
かわった姿。かわったみなり。
い‐よう【異様】‥ヤウ
普通とちがっているさま。「―な雰囲気」「―に輝く目」
いよう
〔感〕
「いよ」を強めていう語。驚きや喜びをあらわす時にも使う。「―しばらく」
いよう‐びる【医用蛭】
チスイビルの別称。
⇒い‐よう【医用】
いよ‐かずら【伊予蔓】‥カヅラ
ガガイモ科イケマ属の多年草。海岸の草地に自生。高さ約60センチメートル。葉は対生し楕円形。葉のつけ根に分枝の多い花茎を出し、黄白色の小花を多数散形花序につける。花後、獣角状の果実を結ぶ。スズメノオゴケ。
いよ‐がすり【伊予絣】
愛媛県(伊予国)松山市付近に産する木綿の絣織物。享和(1801〜1804)年間創始という。松山絣。
いよ‐かん【伊予柑】
ダイダイ類柑橘の一品種。1887年(明治20)山口県で発見され、90年愛媛県に導入。気候・風土に適合し、栽培が拡がった。甘酸味が強く多汁。〈[季]春〉
伊予柑
撮影:関戸 勇
い‐よく【意欲】
①積極的に何かをしようと思う気持。「創作―がわく」
②種々の動機の中から或る一つを選択してこれを目標とする能動的意志活動。狭義には、当為に対する主観的傾向性即ち任意・恣意を意味する。
⇒いよく‐てき【意欲的】
いよく‐てき【意欲的】
意欲にあふれているさま。「―に仕事にとりくむ」
⇒い‐よく【意欲】
いよ‐ざね【伊予札】
鎧よろいの札の一種。多くは鉄で作り、左右の両端を少しずつ重ねて綴り延べたもの。
いよし
(「いよ
」を「いよし」と誤読して生じた語か)
①いよいよ。ますます。色道大鏡「近年見え来りたる文章に、―もかはらでおはしまし候や、などとあり」→いよ(弥)。
②「いよしごげん」の略。必ずお目にかかりたい、の意。浄瑠璃、三世相「袖から渡す一結び片仮名のより五大力、―とまではほの見ゆる」
いよ‐す【伊予簾】
伊予国上浮穴かみうけな郡露峰つゆのみねに産する篠で編んだ良質のすだれ。いよすだれ。〈[季]夏〉。源氏物語浮舟「―はさらさらと鳴るもつつまし」
いよ‐すだれ【伊予簾】
①(→)「いよす」に同じ。宇津保物語藤原君「はつれたる―を懸けて」
②緞子どんすの名物切。こまかい石畳地紋の上に宝尽しを織り出したもの。小石畳み。
いよ‐ぞめ【伊予染】
染め模様の名。伊予すだれを重ねて透かした時に見える木目のような模様を絹などに染める。江戸時代に流行。
いよ‐た・つ【弥立つ】
〔自四〕
寒さや恐怖などのために、身の毛が立つ。中世以降、「よだつ」とも。地蔵十輪経元慶点「心驚き毛竪イヨタツ」
いよ‐と【伊予砥】
愛媛県伊予郡砥部町および伊予市唐川地方に産出する白色の砥石。古来、刀の研磨に用いる。
いよ‐どうまる【伊予胴丸】
伊予札いよざね製の胴丸。
イヨネスコ【Eugène Ionesco】
フランスの劇作家。ルーマニア生れ。不条理劇「禿の女歌手」「授業」「犀」など。(1912〜1994)
いよのゆおか‐の‐ひぶん【伊予湯岡碑文】‥ヲカ‥
596年、聖徳太子が伊予の道後温泉を訪れたことを記した碑文。高句麗僧慧慈えじの作かといわれ、「釈日本紀」に引用。碑は伝わらない。
いよ‐の‐ゆげた【伊予の湯桁】
(伊予の道後温泉の湯桁は数が多いので)物の数の多いたとえ。源氏物語空蝉「…など数ふるさま、―も、たどたどしかるまじう見ゆ」
いよ‐ぶし【伊予節】
愛媛県の民謡。幕末より流行。元唄は伊勢参宮の名所尽しとされ、松山の名物・名所をよみこんだもののほか、江戸・大坂など、各地で替え歌が作られた。端唄でも歌われる。
→伊予節
提供:コロムビアミュージックエンタテインメント(株)
いよ‐まさがみ【伊予柾紙】
伊予から産出した良質の正目まさめ奉書。昭和初期まで多く錦絵などの版画や千代紙に用いた。
いよ‐まんざい【伊予万歳】
伊予地方(愛媛県松山市など)に伝承される万歳。三味線・太鼓・拍子木の伴奏でにぎやかに踊る祝福芸。曲は「松づくし」「柱揃え」など。
イヨマンテ
(アイヌ語)熊送り。イオマンテ。
いよみしま【伊予三島】
愛媛県北東部の旧市名。2004年、川之江市ほか3市町村と合併して四国中央市となる。
いよ‐やか
①(→)「いよよか」に同じ。
②明瞭でまぎれないさま。日葡辞書「イヨヤカニ。即ち、キラリト、マギレモナウ」
いよ‐よ【愈】
〔副〕
(イヨイヨの約)いっそう。万葉集5「世間よのなかは空しきものと知る時し―ますます悲しかりけり」
いよ‐よか
木などが丈高く茂るさま。いよやか。いややか。常陸風土記「櫟いちい・柴くぬぎ・鶏頭樹かえるでのき・桧、よりより森々いよよかに、おのづから山林を成せり」
い‐よ・る【い寄る】
〔自四〕
(イは接頭語)寄る。万葉集1「夕べには―・り立たしし」
い‐よ・る【居寄る】ヰ‥
〔自四〕
すわったまま近寄る。いざり寄る。源氏物語東屋「語らひがたげなる顔して近う―・りて」
いよ‐ろう【伊予蝋】‥ラフ
愛媛県(伊予)の中部以南に産する木蝋。ハゼノキの果実から製する。
いら【刺】
①草木のとげ。はり。〈倭名類聚鈔20〉
②いらくさ。
③魚類の背のひれ。
いら【伊良】
ベラ科の海産の硬骨魚。鯛型で、紅色。全長約40センチメートル。本州中部以南沿岸の産。
いら【苛】
〔接頭〕
かどのあるさま、いらいらするさま、はなはだしいさま、などの意。「―高」「―立つ」
い‐らい【以来】
①その時からこのかた。〈伊呂波字類抄〉。「入社―」
②この後。今より後。以後。狂言、乞ひ聟「―は酒をふつつとくだされまい」
い‐らい【依頼】
①他人を頼みにしてよりかかること。
②用件などを人に頼むこと。「御―の件」
⇒いらい‐しん【依頼心】
いらい‐しん【依頼心】
他人に頼る気持ち。田山花袋、蒲団「昔の女のやうに―を持て居ては駄目だ」
⇒い‐らい【依頼】
イライト【illite】
堆積岩を構成する雲母粘土鉱物の総称。
いら‐いら【苛苛】
①刺とげなどが皮膚や粘膜を刺激する不快な感触。ちくちく。日葡辞書「テニイライラトサワル」。「喉が―する」
②ものごとが思うようにならず腹立たしいさま。「席があくのを―と待つ」「―が高じて不眠症になる」
③イラクサの異称。
いらいら・し【苛苛し】
〔形シク〕
気がいらだつさまである。じれったい。十訓抄「いまだ来らざらん報いを―・しく願ひ求めて」
いら・う【弄う】イラフ
〔他五〕
(イロフの転とも)
①もてあそぶ。いじる。さわる。浄瑠璃、冥途飛脚「包みは解くに及ぶまじ、―・うてみても五十両」
②からかう。おもちゃにする。
③手入れをする。修理する。
いら・う【応ふ・答ふ】イラフ
〔自下二〕
⇒いらえる(下一)
いら・う【苛ふ】イラフ
〔自四〕
気がいらいらする。
いら・う【借ふ】イラフ
〔自下二〕
「借りる」の古語。(甲斐・駿河などには後世も残存)天武紀下「稲と資財たからとを貸いらへし者」↔貸いらす
いらえ【答え・応え】イラヘ
こたえ。返事。応答。宇津保物語俊蔭「名のりし給へなどのたまへど―もせず」
いら・える【応える・答える】イラヘル
〔自下一〕[文]いら・ふ(下二)
答える。返答する。返事する。宇津保物語祭使「いふことに―・へぬ人はつらからで」
いらか【甍】
(苛処いらかの意)
①屋根の背。家の上棟うわむね。万葉集16「海神わたつみの殿の―に飛びかける」
②屋根の棟瓦。また、瓦葺かわらぶきの屋根。「―を並べる」
③屋根の妻の下の三角形の壁体部分。
⇒いらか‐づくり【甍造】
⇒甍を争う
いら‐が【刺蛾】
イラガ科のガの総称。中形で口吻を欠く。幼虫は短く扁平で毒刺があり、種々の樹木を食害する。繭は卵形できわめて堅く、俗に「すずめのたご」「たまむし」といい、中の蛹さなぎを釣餌とする。その一種のイラガはカキ・ナシ・リンゴなどの害虫で、9月ごろ黒条のある繭を作る。
イラガの羽化
撮影:海野和男
イラガ(繭)
撮影:海野和男
イラムシ
撮影:海野和男
ナシイラガ
撮影:海野和男
いらか‐づくり【甍造】
(→)切妻造きりづまづくりに同じ。
⇒いらか【甍】










いや‐とも【否とも】🔗⭐🔉
いや‐とも【否とも】
〔副〕
いやでも。いやでもおうでも。浄瑠璃、国性爺合戦「―両国権を争ひ合戦に及ぶところ」
いや‐と‐よ【否とよ】🔗⭐🔉
いや‐と‐よ【否とよ】
〔感〕
「いや」を強めていう語。いや、とんでもない。いなとよ。謡曲、八島「―弓を惜しむにあらず」
いや‐ふう【嫌風・否風】🔗⭐🔉
いや‐ふう【嫌風・否風】
いやらしいふう。感じのよくない様子。男色大鑑「―なる親父めに」
いや‐ま・し【否まし】🔗⭐🔉
いや‐ま・し【否まし】
〔形シク〕
いやに思われる。唐物語「呂后―・しく心うきことにぞおぼしける」
いや・む【否む】🔗⭐🔉
いや・む【否む】
〔他四〕
いやがる。きらう。宇治拾遺物語3「我等に逢ひてかうはいふぞとて―・み思ひて」
なや‐うや【否諾】🔗⭐🔉
なや‐うや【否諾】
いやかおうか。いやおうの返辞。
ひ【否】🔗⭐🔉
ひ【否】
(呉音はフ)
①打ち消すこと。肯定しないこと。いな。
②そうでないこと。
ひ‐うん【非運・否運】🔗⭐🔉
ひ‐うん【非運・否運】
運命がふさがって開けないこと。ふしあわせ。不運。↔幸運
ひ‐けつ【否決】🔗⭐🔉
ひ‐けつ【否決】
会議に出た議案を、認められないと議決すること。↔可決
ひ‐てい【否定】🔗⭐🔉
ひ‐てい【否定】
(negation)
①そうでないと打ち消すこと。(価値などを)認めないこと。「うわさを―する」「暴力を―する」
②〔哲〕〔論〕ある命題を偽であるとして打ち消すこと。「Pでない」を元の命題の否定という。形式論理学では、否定と肯定とは絶対に対立するものであるが、ヘーゲルの弁証法では、否定は発展の契機として積極的な意味を持つ。→否定の否定。
③(文法用語)(→)打消うちけしに同じ。↔肯定。
⇒ひてい‐がいねん【否定概念】
⇒ひてい‐しんがく【否定神学】
⇒ひてい‐てき【否定的】
⇒ひてい‐の‐ひてい【否定の否定】
⇒ひてい‐ぶん【否定文】
⇒ひてい‐めいだい【否定命題】
ひてい‐がいねん【否定概念】🔗⭐🔉
ひてい‐がいねん【否定概念】
(negative concept)ある性質の非存在を示す概念。消極的概念。欠如概念。
⇒ひ‐てい【否定】
ひてい‐しんがく【否定神学】🔗⭐🔉
ひてい‐しんがく【否定神学】
(Theologia Negativa ラテン)絶対他者(神)は理性・言葉で把握できないとして、これを否定的概念で考察・表現する神学。キリスト教神秘神学に顕著。
⇒ひ‐てい【否定】
ひてい‐てき【否定的】🔗⭐🔉
ひてい‐てき【否定的】
賛成できない考えでいること。否定する内容であること。「今の風潮には―だ」「―見解」
⇒ひ‐てい【否定】
ひていてきべんしょうほう【否定的弁証法】‥ハフ🔗⭐🔉
ひていてきべんしょうほう【否定的弁証法】‥ハフ
(Nagative Dialektik ドイツ)アドルノの著書。1966年刊。ヘーゲルの弁証法を、矛盾を同一性に回収する肯定的なものであると批判。他者である非同一的なものが弁証法自体を可能にするとして、限定的否定としての批判の遂行と宥和の可能性の模索を行う。
ひてい‐の‐ひてい【否定の否定】🔗⭐🔉
ひてい‐の‐ひてい【否定の否定】
①形式論理では「Pでないことはない」のように肯定に戻る。二重否定。
②(Negation der Negation ドイツ)ヘーゲル弁証法の基本法則の一つ。思考は、ある規定が自己を否定して、反対の規定に移り、両者の矛盾が再び否定されてより高次の段階に上昇する形で進行する。この結果は、最初の規定より豊かな内容をもつとされる。
⇒ひ‐てい【否定】
ひてい‐ぶん【否定文】🔗⭐🔉
ひてい‐ぶん【否定文】
否定の語を用いた文。
⇒ひ‐てい【否定】
ひてい‐めいだい【否定命題】🔗⭐🔉
ひてい‐めいだい【否定命題】
(negative proposition)「SはPでない」という形式の命題。↔肯定命題。
⇒ひ‐てい【否定】
ひ‐にん【否認】🔗⭐🔉
ひ‐にん【否認】
否とみとめること。承認しないこと。「罪状を―する」
⇒ひにん‐けん【否認権】
ひにん‐けん【否認権】🔗⭐🔉
ひにん‐けん【否認権】
破産者の破産手続開始前になした行為が破産債権者に損害を与える場合、破産管財人がその行為を無効にする権利。会社更生・民事再生でも同様の権利がある。
⇒ひ‐にん【否認】
[漢]否🔗⭐🔉
否 字形
筆順
〔口部4画/7画/教育/4061・485D〕
〔音〕ヒ(漢) フ(呉)
〔訓〕いな・いや・いなむ
[意味]
①打ち消す。肯定しない。承認しない。いなむ。いな。「可とするか否とするか」「否定・否決・否認・拒否」
②そうではない。しからず。「安否・諾否・採否・実否じっぴ・じっぷ・運否天賦うんぷてんぷ」▶漢文訓読では「…や、いなや」とよむ。「在否=ありやいなや」。「否則」の形で、「しからずんば」とよむ。
③悪い。正しくない。「否運」
[解字]
形声。「口」+音符「不」。
[下ツキ
安否・運否天賦・可否・拒否・許否・合否・採否・賛否・実否・真否・成否・正否・然否・存否・諾否・適否・当否・認否・能否・良否


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