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あま【尼】🔗⭐🔉
あま【尼】
(梵語ambāの俗語形の音写。母の意)
①出家して仏門に入った女。あまほうし。尼僧。比丘尼びくに。伊勢物語「―になれる人ありけり」↔僧。
②「あまそぎ」の略。能因本枕草子うつくしきもの「―にそぎたるちごの」
③肩のあたりで髪を切りそろえた童女。(室町時代以来の称)
④教外者によるキリスト教の修道女の呼称。
⑤女をののしっていう語。あまっこ。あまっちょ。
あま‐がお【尼顔】‥ガホ🔗⭐🔉
あま‐がお【尼顔】‥ガホ
化粧をしない顔。すがお。
あま‐かか【尼媽】🔗⭐🔉
あま‐かか【尼媽】
女を卑しめていう語。愚かしい女ども。雨月物語5「―を蕩とらかすなま仏法」
あまがさき【尼崎】🔗⭐🔉
あまがさき【尼崎】
①兵庫県南東端の市。阪神工業地帯を構成する主要工業地区。中世には神崎川の河口港大物浦だいもつのうらが栄えた。もと松平氏4万石の城下町。人口46万3千。
②(「尼ヶ崎」と書く)浄瑠璃「絵本太功記」10段目の通称。
→文献資料[絵本太功記(尼ヶ崎の段)]
⇒あまがさき‐だい【尼崎台】
あまがさき‐だい【尼崎台】🔗⭐🔉
あまがさき‐だい【尼崎台】
(唐船で尼崎に将来したと伝えるからいう)名物天目てんもく台の称。黒塗りで底の内に朱漆で梅鉢または雁2羽あるいは蜈蚣むかでの書印がある。
⇒あまがさき【尼崎】
あま‐ぎみ【尼君】🔗⭐🔉
あま‐ぎみ【尼君】
尼を敬っていう語。あまうえ。源氏物語若紫「―ただ人と見えず」
あまこ【尼子】🔗⭐🔉
あまこ【尼子】
(アマゴとも)姓氏の一つ。近江源氏佐々木氏の支族。室町時代出雲の豪族。
⇒あまこ‐かつひさ【尼子勝久】
⇒あまこ‐じゅうゆうし【尼子十勇士】
⇒あまこ‐つねひさ【尼子経久】
⇒あまこ‐はるひさ【尼子晴久】
あま‐こう【尼講】‥カウ🔗⭐🔉
あま‐こう【尼講】‥カウ
女性の信者によって行われる講。
あまこ‐かつひさ【尼子勝久】🔗⭐🔉
あまこ‐かつひさ【尼子勝久】
戦国時代の武将。1569年(永禄12)尼子氏再興をめざして出雲で挙兵したが、後に毛利氏の攻囲をうけて自刃。(1553〜1578)
⇒あまこ【尼子】
あま‐ござん【尼五山】🔗⭐🔉
あま‐ござん【尼五山】
(→)尼寺五山に同じ。
あまこ‐じゅうゆうし【尼子十勇士】‥ジフ‥🔗⭐🔉
あまこ‐じゅうゆうし【尼子十勇士】‥ジフ‥
1566年(永禄9)の尼子氏滅亡後、尼子氏の復興につとめたという十人の勇士。山中鹿介・秋宅庵之介・横道兵庫之介・早川鮎之介・尤道理之介・寺本生死之介・植田早稲之介・深田泥之介・藪中荊之介・小倉鼠之介。
⇒あまこ【尼子】
あま‐ごしょ【尼御所】🔗⭐🔉
あま‐ごしょ【尼御所】
(→)比丘尼御所びくにごしょに同じ。
あま‐ごぜ【尼御前】🔗⭐🔉
あま‐ごぜ【尼御前】
「あまごぜん」の略。
あま‐ごぜん【尼御前】🔗⭐🔉
あま‐ごぜん【尼御前】
(「御前」は敬称の接尾語)尼を敬っていう語。あまごぜ。あまぜ。
あまこ‐つねひさ【尼子経久】🔗⭐🔉
あまこ‐つねひさ【尼子経久】
室町後期の武将。出雲のほか隠岐・因幡・伯耆を合わせ、尼子氏を強大にした。(1458〜1541)
⇒あまこ【尼子】
あまこ‐はるひさ【尼子晴久】🔗⭐🔉
あまこ‐はるひさ【尼子晴久】
戦国時代の武将。経久の孫。大内義隆・毛利元就と争った。(1514〜1560一説に1514〜1562)
⇒あまこ【尼子】
あま‐ごろも【尼衣】🔗⭐🔉
あま‐ごろも【尼衣】
尼の着る法衣。源氏物語手習「―かはれる身にやありし世の」
あま‐しょうぐん【尼将軍】‥シヤウ‥🔗⭐🔉
あま‐しょうぐん【尼将軍】‥シヤウ‥
北条政子の異称。
あま‐ぜ【尼前】🔗⭐🔉
あま‐ぜ【尼前】
尼御前の略。平家物語3「御車の尻には、―一人まゐられたり」
あま‐そぎ【尼削】🔗⭐🔉
あま‐そぎ【尼削】
①肩から背のあたりで髪を切り揃えること。在俗のまま仏門に入った優婆夷うばいの髪型。そぎあま。さげあま。
②女性の髪を尼のように肩のあたりで切り揃えること。源氏物語薄雲「この春よりおほす御ぐし―の程にて」
あま‐だな【尼店・尼棚】🔗⭐🔉
あま‐だな【尼店・尼棚】
今の東京日本橋室町1丁目南西付近の俗称。江戸時代には塗物問屋が多くあった。尼崎店。
あまっ‐こ【尼っこ】🔗⭐🔉
あまっ‐こ【尼っこ】
女をののしっていう語。あまっちょ。誹風柳多留10「―を未練のないがかひにくる」
あまっ‐ちょ【尼っちょ】🔗⭐🔉
あまっ‐ちょ【尼っちょ】
(→)「あまっこ」に同じ。
あま‐でら【尼寺】🔗⭐🔉
あま‐でら【尼寺】
尼の住む寺。尼屋・尼寺にじ・比丘尼びくに寺ともいう。
⇒あまでら‐ござん【尼寺五山】
あまでら‐ござん【尼寺五山】🔗⭐🔉
あまでら‐ござん【尼寺五山】
京都の景愛寺・通玄寺・檀林寺・護念寺・恵林寺。また、鎌倉の太平寺(高松寺)・東慶寺・国恩寺・護法寺・禅明寺の称。尼五山にごさん・あまござん。
⇒あま‐でら【尼寺】
あま‐にゅうどう【尼入道】‥ニフダウ🔗⭐🔉
あま‐にゅうどう【尼入道】‥ニフダウ
在家のまま髪を剃って仏道にはいった尼。尼女房。
あま‐びたい【尼額】‥ビタヒ🔗⭐🔉
あま‐びたい【尼額】‥ビタヒ
髪を肩のあたりで切った女の額。尼そぎにした額。尼の額。源氏物語少女「おん―ひきつくろひ」
あま‐ひめぎみ【尼姫君】🔗⭐🔉
あま‐ひめぎみ【尼姫君】
浜松中納言物語中の人物。左大将の長女。継母の子中納言の子を宿し、中納言渡唐後は尼となり1女を生む。
あま‐ぶね【尼船】🔗⭐🔉
あま‐ぶね【尼船】
尼崎・大坂間にあった運送船。尼崎船。
あま‐ほうし【尼法師】‥ホフ‥🔗⭐🔉
あま‐ほうし【尼法師】‥ホフ‥
仏門に入った女性。尼。尼僧。狭衣物語3「はやうはやう―になり給ひね」
あま‐みだいどころ【尼御台所】🔗⭐🔉
あま‐みだいどころ【尼御台所】
大臣・大将・将軍の妻で尼になった人の尊称。
あま‐みや【尼宮】🔗⭐🔉
あま‐みや【尼宮】
尼となった皇女。
あま‐やき【尼焼】🔗⭐🔉
あま‐やき【尼焼】
(楽焼らくやきの初代長次郎ちょうじろうの没後、尼となった妻が自ら陶器を作ったとされることから)陶業を営む家で、当主の没後に妻が作った焼物。
じ‐しゅう【尼衆】ヂ‥🔗⭐🔉
じ‐しゅう【尼衆】ヂ‥
(ジシュ・ニシュウとも)尼あまたち。狂言、若市にゃくいち「残りの―は悦びて」
に【尼】🔗⭐🔉
に【尼】
(呉音)
①(比丘尼びくにの略)女が出家して戒を受けたもの。あま。
②出家した女子の名の下につける語。「阿仏―」
に‐こう【尼公】🔗⭐🔉
に‐こう【尼公】
尼になった貴婦人の敬称。あまぎみ。
にこう【尼港】‥カウ🔗⭐🔉
にこう【尼港】‥カウ
ニコライエフスク‐ナ‐アムーレの旧称。
⇒にこう‐じけん【尼港事件】
にこう‐じけん【尼港事件】‥カウ‥🔗⭐🔉
にこう‐じけん【尼港事件】‥カウ‥
シベリア出兵中の1920年(大正9)3〜5月、ロシアのパルチザン(遊撃隊)によってニコライエフスク港にあった日本守備隊および居留民約700名が殺された事件。これを理由に日本は北樺太の保障占領を敢行。
⇒にこう【尼港】
に‐じ【尼寺】🔗⭐🔉
に‐じ【尼寺】
あまでら。↔僧寺
にしだん【尼師壇】🔗⭐🔉
にしだん【尼師壇】
〔仏〕(梵語niṣīdana 座具・敷具と訳す)比丘びく六物の一つ。座る時に敷物にする布片。尼師壇那。
に‐そう【尼僧】🔗⭐🔉
に‐そう【尼僧】
出家した女。びくに。あま。キリスト教の修道女についてもいう。
にれんぜん‐が【尼連禅河】🔗⭐🔉
にれんぜん‐が【尼連禅河】
(梵語Nairañjanā)インド北東部のビハール州にある川。ガンジス川の一支流。今はパルグ川という。河畔の菩提樹下に釈尊が悟りを開いたと伝え、流域は仏教の聖跡に富む。ナイランジャナー。→ブッダガヤー
ネルチンスク【Nerchinsk・尼布楚】🔗⭐🔉
ネルチンスク【Nerchinsk・尼布楚】
ロシア、東シベリア南部の都市。アムール川の上流シルカ川の支流に沿い、シベリア鉄道の要駅。
⇒ネルチンスク‐じょうやく【ネルチンスク条約】
[漢]尼🔗⭐🔉
尼 字形
筆順
〔尸部2画/5画/常用/3884・4674〕
〔音〕ニ(呉) ジ〈ヂ〉(漢)
〔訓〕あま
[意味]
出家した女子。あま。「尼僧・尼院にいん・じいん・僧尼・禅尼・修道尼・恵信尼えしんに」
▷bhikṣuṇīサンスクリットの音訳「比丘尼びくに」の略。
[解字]
会意。「尸」(=人のからだ)+「匕」(=比。ならぶ意)。原義は、人と人とが寄りそって親しむ意。


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