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ひ・く【引く・退く】(自五)🔗🔉

ひ・く引く・退く】 〔自五〕 ①しりぞく。後へさがる。玉葉集「―・く波のさそひやかへす友千鳥また磯遠く声のきこゆる」。続古今和歌集「いさ知らず鳴海の浦に―・く汐の早くも人は遠ざかりにし」。日葡辞書「ミヅガヒク」。「熱が―・く」「血の気が―・く」 ②その場を去る。退席する。源氏物語少女「座を―・きて立ちたうびなむ」 ③その地位から身をしりぞける。引退する。「会社を―・く」 ④縁を切って別れる。狂言、貰聟「子をなしたる中で、出るぞ―・くぞといふ事はあるまい」 ⇒引くに引かれず

ひ・く【引く・曳く・牽く】(他五)🔗🔉

ひ・く引く・曳く・牽く】 〔他五〕 ➊糸・紐などのはしを手で取り出して自分の方へ寄せる。 ①手前の方へたぐって近づける。万葉集14「常陸なる浪逆なさかの海の玉藻こそ―・けば絶えすれあどか絶えせむ」。日葡辞書「アミヲヒク」 ②抜き取る。抜き出す。催馬楽、走井「走井のこがや苅り収め、おけ、それにこそ繭作らせて糸―・きなさめ」。源氏物語初音「お前の山の小松―・き遊ぶ」。日葡辞書「クサヲヒク」 ③念仏をとなえるとき、数珠のたまを一つずつ繰る。源氏物語御法「阿弥陀仏阿弥陀仏と―・き給ふ数珠の数にまぎらはしてぞ」 ④(「惹く」とも書く)心をこちらに向けさせる。関心を呼ぶ。気を持たせる。さそう。万葉集11「真葛まくずふ小野の浅茅を心ゆも人―・かめやもわが無けなくに」。日葡辞書「ココロヲヒキミル」。「人目を―・く」「気を―・く」 ⑤(「惹く」とも書く)誘いこむ。導き入れる。源氏物語松風「かう拙き身に―・かれて山がつのいほりにはまじり給はじ」。「客を―・く」 ⑥多くの中から選び出す。源氏物語夕霧「世のためしにも―・かれ給ふべきなめり」。讃岐典侍日記「扇ひき…まづ―・けと仰せられしかば―・きしに」。「古典の例を―・く」「くじを―・く」 ⑦調べに用いる。参照する。「辞書を―・く」 ⑧ひいきにする。浮世風呂2「今は役者贔屓もひねつて、ぬれ事師よりは敵役や半道を―・く世の中」 ⑨ひそかに盗み取る。好色一代女4「猫御秘蔵なれば、譬へ肴を―・くとても追はぬ事なり」 ⑩(抜き取る意から)中からそれをとり去る。差し引く。へらす。「正札の一割を―・く」「給料から税金を―・く」 ⑪息を吸いこむ。くしゃみする。日葡辞書「ハナ(鼻)ヲヒク」 ⑫ひきこむ。風邪にかかる。浄瑠璃、心中重井筒「風邪―・いて頭痛がするとて奥に寝てゐられます」 ➋進むのに合わせてひき寄せながらある区域を経過する。 ①力を加えて、自分の進むのに合わせてついて来させる。万葉集13「おし照る難波の崎に―・きのぼる赤あけのそほ舟」。源氏物語玉鬘「馬四つ五つ―・かせて」。「子供の手を―・く」「車を―・く」「幕を―・く」 ②動いて行く後にそのままついて来させる。時間が経った後まで続けさせる。ひきずる。万葉集5「白妙の袖ふりかはし、紅の赤裳すそ―・き」。宇津保物語祭使「右近の中将、少将、もののふら―・きて参りたり」。「尾を―・く」「納豆が糸を―・く」 ③長くつながる印をつける。枕草子294「白き色紙のむすびたる、上に―・きわたしける墨の」。日葡辞書「ケ(罫)ヲヒク」。「線を―・く」 ④長いものでつなぐ。「電話線を―・く」「水道を―・く」「血筋を―・く」 ⑤矢をつがえた弓の弦を自分の方に寄せる。源氏物語東屋「かの弓をのみ―・くあたりにならひて」 ➌のばし広げる。のべ張る。 ①張りわたす。曾丹集「み山にはむらむら錦―・けるかと見るにつけても秋霧ぞたつ」。更級日記「簾かけ幕など―・きたり」 ②一面に広げる。散らす。伊勢物語集「前栽うゑて砂ご―・けるに、家の人にもあらぬ人奉らむといひて」。日葡辞書「ノリヲヒク」「シブ・スミナドヲヒク」 ③表面を平らにする。ならす。日葡辞書「ヂ(地)ヲヒク」 ➍後方へ退かせる。 ①後方へ移す。退かせる。日葡辞書「ヂン(陣)ヲヒク」。「さす手―・く手」「腰を―・く」 ②出ていたものを取りこむ。取り除く。平家物語4「橋を―・いたぞ、あやまちすな」 ➎物を配布する。配りあてる。平家物語4「北国の織延絹三千匹、往来に寄せらる。是を谷々、嶺々に―・かれける」。日葡辞書「サカナヲヒク」 ➏引出物とする。金品を与える。太平記9「飼たる馬に白鞍置きて十匹、白幅輪の鎧十領、金作の太刀一つ副へて―・かれたりけり」。日葡辞書「セギャウヲヒク」 ➐あびる。入浴する。平治物語「討ち奉らん事大事なりと申せば、御湯―・かせ給へとて、湯殿へすかし入れ奉りて」。日葡辞書「ユヲヒク」 ➑「切る」の忌詞いみことば。「大根をせんに―・く」 ➒(「挽く」と書く) ①(鋸を手前に引く意から)切り割る。 ②轆轤ろくろで挽物を作る。宇津保物語吹上上「沈を一尺二寸ばかりのからわに轆轤に―・きて」 ➓(「碾く」と書く)(引きまわす意)ひき臼で回してすりくだく。日葡辞書「チャ・コムギナドヲヒク」 ⓫(「弾く」と書く)(琴や琵琶などの爪を手前に引く意から)楽器をかき鳴らす。かなでる。弾ずる。源氏物語少女「箏の御こと―・き給ふを」。「ピアノを―・く」 ⓬(「轢く」と書く)(車輪が物を引き掛ける意から)車輪が人や動物の上を通る。 ◇広く一般には「引」を使うが、➊1・➋1・2では「曳」「牽」も用いる。 ⇒引くの山の

ひく‐て【引く手】🔗🔉

ひく‐て引く手】 ①ものを引く人。船などを綱で引く人。 ②さそう人。招き寄せる人。 ③舞の手。手を元に戻すもの。→差手さすて ⇒引く手数多 ○引く手数多ひくてあまた あちこちから誘いかける人の多いこと。ひっぱりだこ。古今和歌集「大幣おおぬさの―になりぬれば」 ⇒ひく‐て【引く手】

○引く手数多ひくてあまた🔗🔉

○引く手数多ひくてあまた あちこちから誘いかける人の多いこと。ひっぱりだこ。古今和歌集「大幣おおぬさの―になりぬれば」 ⇒ひく‐て【引く手】 ビクティムvictim】 いけにえ。犠牲。犠牲者。 ピクトグラムpictogram】 絵文字。また、絵を使った図表。 ピクト‐ブリッジPictBridge】 デジタル‐カメラとプリンターを直接つないで印刷するための通信標準規格。 びく‐とも‐しない ①外から力を受けても全く動かない。「押しても―」 ②気持がしっかりしていて、何に対しても少しも動じない。「何と言われても―」 ビクトリアVictoria⇒ヴィクトリア ビクトリーvictory】 勝利。 ⇒ビクトリー‐ラン【victory run】 ビクトリー‐ランvictory run(→)ウイニング‐ランに同じ。 ⇒ビクトリー【victory】 びく‐に比丘尼】 (梵語bhikṣuṇī 苾芻尼とも音写) ①出家して具足戒を受けた女子。尼僧。あま。徒然草「―より優婆塞うばそくは劣り」↔比丘。 ②鎌倉・室町時代以降、尼の姿をして諸方を遊行した一種の芸人。熊野比丘尼・歌比丘尼など。次第に定住し、江戸時代には尼の姿で売色した私娼ししょうをもいう。好色一代女3「大坂川口の浮れ―」 ③科負とがおい比丘尼の略。 ⇒びくに‐あしだ【比丘尼足駄】 ⇒びくに‐ごしょ【比丘尼御所】 ⇒びくに‐せった【比丘尼雪駄】 ⇒びくに‐や【比丘尼屋】 ⇒びくに‐ん【比丘尼ん】 びくに‐あしだ比丘尼足駄】 江戸時代、比丘尼の用いた足駄。歯をたてながにつくり、ひねった緒をすげたもの。 比丘尼足駄 ⇒びく‐に【比丘尼】 びくに‐ごしょ比丘尼御所】 江戸時代の寺格の一種。皇女・王女または公卿の息女などで出家した人が住職となった尼寺。女王御所。 ⇒びく‐に【比丘尼】 びくに‐せった比丘尼雪駄】 かかとが隠れるほどに後部の革が反り、ひねった緒をすげた雪駄。江戸時代、比丘尼の用いたもの。 ⇒びく‐に【比丘尼】 ピクニックpicnic】 野遊び。遠足。遊山。

○引くに引かれずひくにひかれず🔗🔉

○引くに引かれずひくにひかれず 退きたいと思っても退かれない。のっぴきならない。 ⇒ひ・く【引く・退く】 びくに‐や比丘尼屋】 江戸時代、比丘尼2を抱えて売色をさせた家。びくにやど。 ⇒びく‐に【比丘尼】 びくに‐ん比丘尼ん】 比丘尼に撥音の添加した語。狂言、泣尼「ぐそうが所へ出入する、なみだもろい―がある」 ⇒びく‐に【比丘尼】

○引くの山のひくのやまの🔗🔉

○引くの山のひくのやまの (「山」は山鉾やまぼこのこと)物事の多忙・繁雑なさま。ごたごたしているさま。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「勘定が合はぬの―そんなことは空吹く風」 ⇒ひ・く【引く・曳く・牽く】 ひく‐ひく ①連続してしゃっくりが出たり、しゃくり上げたりする音。また、そのさま。「―としゃくり上げて泣く」 ②体が痙攣したり脈打つように動いたり、体の部分が小刻みに動いたりするさま。「鼻を―させてにおいをかぐ」 びく‐びく ①振動するような小刻みな動きが伝わるさま。「釣竿に―と手ごたえがある」 ②不安や恐怖で恐れおののいているさま。世間胸算用3「門の戸のなるたびに、女房―して」。「いつ叱られるかと―ものだ」 ③響く音。浄瑠璃、傾城酒呑童子「鼓も耳に―と」 ぴく‐ぴく 間隔をあけて繰り返し小刻みに動くさま。ひきつるように動くさま。「目の下が―する」 ひ‐ぐま】 クマ科の一種。体長約2メートルほど、毛色は褐色ないし黒褐色。水浴びを好む。ヨーロッパ・アジア・北アメリカ(ハイイログマ)・北極周辺(アラスカアカグマ)の針葉樹林帯に分布。日本では北海道(エゾヒグマ)にすみ、冬は洞窟内にこもる。胆嚢は薬用、毛皮は敷物などに利用。あかぐま。ひ。〈[季]冬〉 エゾヒグマ(アカグマ) 提供:東京動物園協会 ピグマリオンPygmaliōn】 ギリシア神話でキプロス島の王。象牙でつくった女像に恋し、アフロディテがそれに生命を与えて妻とさせたという。 ⇒ピグマリオン‐こうか【ピグマリオン効果】 ピグマリオン‐こうかピグマリオン効果‥カウクワ 親や教師の子供に対する期待が生み出す、子供をその期待通りに成長させる効果。ギリシア神話のピグマリオン王にちなむ。 ⇒ピグマリオン【Pygmaliōn】 ひく‐ま・る低まる】 〔自五〕 低くなる。「尾根の―・った所」 ひく‐み低み】 低いところ。低い部分。 ピグミーPygmy】 男性の平均身長が特に低い人種の総称。特にアフリカ中部の熱帯雨林に住む採集狩猟民ムブティなどを指す。 ひく・める低める】 〔他下一〕 低くする。「腰を―・める」 ひく‐やか低やか】 低いさま。ひきやか。 ひ‐ぐらし蜩・茅蜩】 セミ科の一種。全長約5センチメートル。全体は栗褐色で、緑色および黒色の斑紋が多い。雄の腹部は大きく、薄く半透明で、共鳴器となる。夏から秋にかけ、夜明けや日暮に、高く美しい声で「かなかな」と鳴く。カナカナ。〈[季]秋〉。万葉集10「夕影に来鳴く―」 ひぐらし ヒグラシ 提供:ネイチャー・プロダクション ひ‐ぐらし日暮し】 (古くはヒクラシ) ①(一日を暮らす意)朝から暮れまで。一日中。ひねもす。終日。狭衣物語4「―守り聞えさせ給ふ」 ②その日ぐらし。 ⇒ひぐらし‐の‐うたねぶつ【日暮の歌念仏】 ⇒ひぐらし‐の‐もん【日暮の門】 ひぐらしすずり日暮硯】 信濃松代藩家老恩田木工(杢とも)(1717〜1762)の藩財政改革の過程を述べた書。著者不詳。1巻。誠実・思いやりなどを信条とする木工の行動への共感から、すでに江戸時代において全国的に写本が流布。 →文献資料[日暮硯] ひぐらし‐の‐うたねぶつ日暮の歌念仏】 江戸時代の初め、上方で「日暮」の名を冠して、歌念仏をうたいながら門付かどづけをして歩いた者。それらの中から日暮小太夫など操座あやつりざを京に起こした者も出た。 ⇒ひ‐ぐらし【日暮し】 ひぐらし‐の‐もん日暮の門】 日の暮れるのも気づかずに見とれてしまうほどの美しい門。特に、日光東照宮の陽明門の異称。 ⇒ひ‐ぐらし【日暮し】 ひくり 瞬間的に小さく動くさま。 びくり 驚きなどのために小さく動くさま。「物音に―とする」 ぴくり (→)「ひくり」に同じ。 ピクリン‐さんピクリン酸】 (Pikrinsäure ドイツ・picric acid イギリス)有機酸の一つ。分子式CH(OH)(NO フェノールに硫酸と濃硝酸を作用させて製する化合物。黄色の結晶で、苦味をもち、多少毒性がある。爆薬(黄色火薬)に用いる。トリニトロ‐フェノール。 ピクルpicul】 中国沿岸から東南アジアにかけて、主として海運で用いられた重量の単位。1ピクルは約60キログラムに当たる。ピコル。担たんピクルスpickles】 キュウリ・キャベツなどの野菜や果物を、香辛料などを加えた酢に漬け込んだ西洋風の漬物。 ひ‐ぐるま日車】 ヒマワリの別称。〈[季]夏〉。「日向葵ひぐるまに恋に酔ふ子のふたり載せて星の百合咲く其国めぐれ」(三木露風) ひ‐ぐれ日暮】 ①日の暮れようとする時。夕暮。夕方。たそがれどき。「―どき」 ②〔天〕日没後太陽の中心が地平線下7度21分40秒の角度にある時刻。

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