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て‐まえ【手前】‥マヘ🔗⭐🔉
て‐まえ【手前】‥マヘ
[一]〔名〕
①自分の目の前。手もと。竹斎「鞠を蹴る。…人の―を奪ひ取り」
②その所よりも自分に近い方。こちら。東海道中膝栗毛3「大井川の―なる島田の駅」。「―に引っぱる」「優勝の一歩―まで行く」
③他人や世間に対する体裁。浄瑠璃、生玉心中「姉の―がはづかしい」。「威張った―やめられない」
④自分の手で行うこと。日本永代蔵2「―の商ひをして」
⑤(「点前」とも書く)茶道で、茶をたてたり炉に炭をついだりする所作・作法・様式。おてまえ。
⑥自分が所有する物、また抱えている者。武家義理物語「―の人足数千人出て鋤鍬の音」
⑦腕前。技量。狂言、靱猿「身どもが―をば皆何といふぞ」
⑧資力。くらしむき。生計。日葡辞書「テマエガナラヌ」
[二]〔代〕
①(一人称)自分のことをへりくだっていう語。わたくし。日葡辞書「テマエニカネ(金)ガナイホドニカ(貸)サセラレイ」。「―共」
②(二人称)目下の相手を指す語。そち。汝。
⇒てまえ‐がって【手前勝手】
⇒てまえ‐がね【手前金】
⇒てまえ‐かん【手前勘】
⇒てまえ‐ざいく【手前細工】
⇒てまえ‐ざいくにん【手前細工人】
⇒てまえ‐じまい【手前仕舞】
⇒てまえ‐しゃ【手前者】
⇒てまえ‐じょうぎ【手前定規】
⇒てまえ‐だたみ【手前畳・点前畳】
⇒てまえ‐ぶしん【手前普請】
⇒てまえ‐みそ【手前味噌】
てまえ‐がって【手前勝手】‥マヘ‥🔗⭐🔉
てまえ‐がって【手前勝手】‥マヘ‥
自分の便宜ばかりはかること。自分勝手。夏目漱石、道草「比田の―な気性が此一事でも能く窺うかがはれた」
⇒て‐まえ【手前】
てまえ‐がね【手前金】‥マヘ‥🔗⭐🔉
てまえ‐がね【手前金】‥マヘ‥
自分の手もとに持っている金。自分の自由になる金。好色二代男「―ありながら使はぬは、世の楽しみ知らず」
⇒て‐まえ【手前】
てまえ‐かん【手前勘】‥マヘ‥🔗⭐🔉
てまえ‐かん【手前勘】‥マヘ‥
自分だけの勘にたよって、自分の都合のよいように思いこむこと。ひとりよがり。また、その癖の人。花暦八笑人「さう―が強くつては仕方がねえが」
⇒て‐まえ【手前】
てまえ‐ざいく【手前細工】‥マヘ‥🔗⭐🔉
てまえ‐ざいく【手前細工】‥マヘ‥
人にあつらえず、自分で細工すること。転じて、自分勝手にこしらえること。また、そのもの。浮世風呂2「親の持たせた男を嫌つて、―の亭主だから」
⇒て‐まえ【手前】
てまえ‐ざいくにん【手前細工人】‥マヘ‥🔗⭐🔉
てまえ‐ざいくにん【手前細工人】‥マヘ‥
自家の抱えの職人。日本永代蔵1「数十人の―立ち並び即座に仕立て」
⇒て‐まえ【手前】
てまえ‐じまい【手前仕舞】‥マヘジマヒ🔗⭐🔉
てまえ‐じまい【手前仕舞】‥マヘジマヒ
遊女が揚屋に行かずに遊女屋で客を取ること。
⇒て‐まえ【手前】
てまえ‐しゃ【手前者】‥マヘ‥🔗⭐🔉
てまえ‐しゃ【手前者】‥マヘ‥
家計のゆたかな人。金持ち。日本永代蔵3「伊豆屋といへる―自然と倒れ」
⇒て‐まえ【手前】
てまえ‐じょうぎ【手前定規】‥マヘヂヤウ‥🔗⭐🔉
てまえ‐じょうぎ【手前定規】‥マヘヂヤウ‥
自分勝手にきめた理屈。ひとりぎめ。
⇒て‐まえ【手前】
てまえ‐ぶしん【手前普請】‥マヘ‥🔗⭐🔉
てまえ‐ぶしん【手前普請】‥マヘ‥
借家人などが、費用を自弁してする修理。浄瑠璃、博多小女郎波枕「貸家といふは名ばかり、破れ家を―」
⇒て‐まえ【手前】
てまえ‐みそ【手前味噌】‥マヘ‥🔗⭐🔉
てまえ‐みそ【手前味噌】‥マヘ‥
(自分の作った味噌を自慢する意)自分の事を誇ること。自慢。手味噌。「―を上げる」「―を並べる」
⇒て‐まえ【手前】
て‐めえ【手前】‥メヘ🔗⭐🔉
て‐めえ【手前】‥メヘ
〔代〕
(テマエの訛)
①自分。わたくし。
②相手を卑しんでいう語。おまえ。
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