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あっ‐つ‐ろう【有っつらう】‥ラウ🔗🔉

あっ‐つ‐ろう有っつらう‥ラウ (アリツラムの転)あったであろう。史記抄「武帝の時にもかかる事こそ―ぞ」

あらせ‐ら・れる【有らせられる・在らせられる】🔗🔉

あらせ‐ら・れる有らせられる・在らせられる】 〔自下一〕 ①「居る」「在る」の尊敬語。 ②(体言に「で」の付いたものに接続して)「ある」の尊敬語。「御壮健で―・れる」→せられる

あら‐ぬ【有らぬ】🔗🔉

あら‐ぬ有らぬ】 (ヌは打消の助動詞) ①ちがっている。他の。枕草子49「見やりたれば―顔なり」 ②実際にはない。思いがけぬ。とんでもない。徒然草「―いそぎいできて」。「―うわさをたてられる」 ⇒あらぬ‐おもい【有らぬ思い】 ⇒あらぬ‐かた【有らぬ方】 ⇒あらぬ‐こと【有らぬ事】 ⇒あらぬ‐さま【有らぬ様】 ⇒あらぬ‐すがた【有らぬ姿】 ⇒あらぬ‐よ【有らぬ世】

あらぬ‐おもい【有らぬ思い】‥オモヒ🔗🔉

あらぬ‐おもい有らぬ思い‥オモヒ 思ってはならないのに、とどめることのできない思い。小野篁集「いとどしく君がなげきのこがるれば―も燃えまさりけり」 ⇒あら‐ぬ【有らぬ】

あらぬ‐かた【有らぬ方】🔗🔉

あらぬ‐かた有らぬ方】 思いも寄らぬ方。別の方面。続後拾遺和歌集「―にも引く心かな」 ⇒あら‐ぬ【有らぬ】

あらぬ‐こと【有らぬ事】🔗🔉

あらぬ‐こと有らぬ事】 ①別の事。 ②意外な事。とんでもない事。無実の事。「―を言いふらす」 ⇒あら‐ぬ【有らぬ】

あらぬ‐さま【有らぬ様】🔗🔉

あらぬ‐さま有らぬ様】 あってはならぬさま。かわったさま。源氏物語夕顔「―にかきかへ給ひて」 ⇒あら‐ぬ【有らぬ】

あらぬ‐すがた【有らぬ姿】🔗🔉

あらぬ‐すがた有らぬ姿】 変わり果てた姿。 ⇒あら‐ぬ【有らぬ】

あらぬ‐よ【有らぬ世】🔗🔉

あらぬ‐よ有らぬ世】 ちがった世界。別世界。源氏物語夕顔「―にかへりたるやうに」 ⇒あら‐ぬ【有らぬ】

あら‐ゆる【有らゆる】🔗🔉

あら‐ゆる有らゆる】 〔連体〕 (アリに奈良時代の助動詞ユの連体形ユルの付いたもの)あるかぎりの。すべての。ありとあらゆる。地蔵十輪経元慶点「所在アラユル悩害に随ひて」。「―手段をつくす」

あら‐れ‐ぬ【有られぬ】🔗🔉

あら‐れ‐ぬ有られぬ】 あってはならない。不都合な。狂言、蜘盗人「手前不自由なれば、―思案の出づることでござる」。和訓栞「俗にあらぬ事を―事といひ又転じてあられなき事ともいひ」

あらん‐かぎり【有らん限り】🔗🔉

あらん‐かぎり有らん限り】 あるだけ全部。ありったけ。「―の力を出す」

あり【在り・有り】🔗🔉

あり在り・有り】 あること。現存すること。→ありのことごと→ありのすさび

あ・り【有り・在り】(自ラ変)🔗🔉

あ・り有り・在り】 〔自ラ変〕 ⇒ある(五段)

あり‐あい【有り合い】‥アヒ🔗🔉

あり‐あい有り合い‥アヒ ありあうこと。また、そのもの。ありあわせ。世間胸算用2「夜食はひやめしに湯豆腐、干魚―に」

あり‐あ・う【有り合う・在り合う】‥アフ🔗🔉

あり‐あ・う有り合う・在り合う‥アフ 〔自五〕 ①たまたまそこにいる。または、ある。居あわせる。ありあわせる。土佐日記「いたれりし国にてぞ子生めるものども―・へる」 ②偶然出合う。行き合う。栄華物語初花「路のほどなどに、夜行の夜なども、おのづから―・ふらむ」

あり‐あかし【有り明し】🔗🔉

あり‐あかし有り明し】 一晩中ともしておく灯火。

あり‐あま・る【有り余る】🔗🔉

あり‐あま・る有り余る】 〔自五〕 余るほどある。必要よりも多くある。「―・る体力」

あり‐あわせ【有り合せ】‥アハセ🔗🔉

あり‐あわせ有り合せ‥アハセ 特にととのえるのでなくて、ちょうどその場にあること。また、その物。ありあい。「―ですませる」「―の材料を使う」

あり‐あわ・せる【有り合わせる・在り合わせる】‥アハセル🔗🔉

あり‐あわ・せる有り合わせる・在り合わせる‥アハセル 〔自下一〕[文]ありあは・す(下二) ①都合よくその場にある。持ち合わせる。好色五人女2「幸さいわい遣銀つかいぎんは―・す」 ②折よくその場にいる。居合わせる。また、行きあう。武道伝来記「折ふし御ぜんに豊田隼人といふ大目付おおめつけ―・せ」

あり‐うち【有り内】🔗🔉

あり‐うち有り内】 世の中によくあること。ありがち。東海道中膝栗毛8「ものの間違ひといふことは―だ」

あり・うる【有り得る】🔗🔉

あり・うる有り得る】 〔自下二〕 (文語の「ありう」の連体形を終止に使ったもの)あって差し支えない。そうなる可能性がある。「そういうことも―・うる」

あり‐がお【有り顔】‥ガホ🔗🔉

あり‐がお有り顔‥ガホ いかにもそうあるような顔つき。しばしば「…あり」に直ちに「顔」をつけた形でいう。源氏物語竹河「うちしめりて思ふこと―なり」

あり‐かず【有り数】🔗🔉

あり‐かず有り数】 ①人や物のある数。夫木和歌抄18「大宮人のけさの―」 ②この世に生存する齢の数。よわい。古今和歌集「君が千歳の―にせむ」

あり‐かた【有り形・在り方】🔗🔉

あり‐かた有り形・在り方】 ①現在の形。すがた。ありさま。天武紀「其の地の―を見しむ」 ②当然こうなくてはならないという、物事のあるべき姿。「学問の―」

あり‐がた・い【有り難い】🔗🔉

あり‐がた・い有り難い】 〔形〕[文]ありがた・し(ク) ①存在が稀である。なかなかありそうもない。珍しい。万葉集17「これを除きてまたは―・し」 ②生存しにくい。生きがたい。源氏物語東屋「世の中は―・くむつかしげなるものかな」 ③(世にも珍しいほど)すぐれている。立派である。宇津保物語吹上上「いと―・き君と聞きたてまつるぞ」 ④またとなく尊い。もったいない。恐れ多い。御伽草子、七草草子「帝釈天王は天降り給ひ、…汝が親を若くなさんとて薬を与へ給ふぞ―・き」。「―・い教え」 ⑤(人の親切や好意などに対し)感謝したい気持である。身にしみてうれしい。梅暦「思ひがけない御隠居さまの―・いおぼしめし」。「君の心づかいが―・い」「―・く頂戴する」 ⑥本当に恵まれていて、うれしい。「―・いことに雨は降らなかった」

あり‐がたち【有り形】🔗🔉

あり‐がたち有り形】 もとのままの有様。旧形。

あり‐がち【有り勝ち】🔗🔉

あり‐がち有り勝ち】 世の中によくあること。ありうち。「若いころに―の態度」「雨の日に―な事故」

あり‐がとう【有り難う】‥ガタウ🔗🔉

あり‐がとう有り難う‥ガタウ (アリガタクの音便。下の「ございます」「存じます」の略された形)感謝の意をあらわす挨拶語。

あり‐がね【有り金】🔗🔉

あり‐がね有り金】 現在、手許に所持する金銭。「―をはたいて買う」

あり‐きり【有り限】🔗🔉

あり‐きり有り限】 〔副〕 (アリギリとも)あるかぎり。ありたけ。

あり‐ぎれ【有り切れ・有り布】🔗🔉

あり‐ぎれ有り切れ・有り布】 有り合せのきれ。

あり‐げ【有りげ】🔗🔉

あり‐げ有りげ】 ありそうなさま。源氏物語夕顔「何の心ばせ―もなく」。「いわく―な品物」

あり‐ごと【有り事】🔗🔉

あり‐ごと有り事】 ありのままの事。

あり‐だか【有り高】🔗🔉

あり‐だか有り高】 現在あるだけの数量。現在高。

あり‐たけ【有り丈】🔗🔉

あり‐たけ有り丈】 〔名・副〕 あるかぎり全部。ありったけ。「誠意の―を示す」 ⇒ありたけ‐こたけ【有丈小丈】

あり‐つかわ・し【有り付かはし】‥ツカハシ🔗🔉

あり‐つかわ・し有り付かはし‥ツカハシ 〔形シク〕 似つかわしい。似合わしい。住吉物語「姿ありさま―・しく」

ありっ‐たけ【有りっ丈】🔗🔉

ありっ‐たけ有りっ丈】 〔名・副〕 (アリタケの促音化)あるかぎり全部。「―の力を出す」「金を―使う」

あり‐つる【有りつる】🔗🔉

あり‐つる有りつる】 さきほどの。例の。源氏物語帚木「―子の声にて」

あり‐てい【有り体】🔗🔉

あり‐てい有り体】 ①ありのまま。いつわりのないこと。ありよう。歌舞伎、与話情浮名横櫛「―に言へ言へ」。「―に言えば」 ②ありきたり。通り一ぺん。西鶴置土産「―の礼義をのべて」

あり‐と‐あらゆる【有りと有らゆる】🔗🔉

あり‐と‐あらゆる有りと有らゆる】 あると考えられるすべての。太平記33「其中に―神社仏閣は」

あり‐と‐ある【有りと有る】🔗🔉

あり‐と‐ある有りと有る】 (アリを重ねて強調した語)あらゆる。すべての。ありとしある。土佐日記「―かみしも、童までゑひしれて」

あり‐と‐し‐ある【有りとし有る】🔗🔉

あり‐と‐し‐ある有りとし有る】 (シは強めの助詞) ⇒ありとある

あり‐なし【有り無し】🔗🔉

あり‐なし有り無し】 ①有るか無いか。存否。浜松中納言物語3「世に―を知らるる方なく過し侍りぬるを」 ②有るか無いかわからないほど、きわめてかすかなさま。千載和歌集「をやま田の庵にたく火の―にたつ煙もや雲となるらむ」 ⇒ありなし‐の‐ひ【有無の日】

あり‐な・む【有り否む】🔗🔉

あり‐な・む有り否む】 〔他四〕 (アリイナムの約か)否定しつづける。一説に、「在り並む」と解し、連れ添う意。万葉集13「―・み得ずぞ言はえにし我が身」

あり‐の‐くだり【有りの件】🔗🔉

あり‐の‐くだり有りの件】 前にあった事柄。宇治拾遺物語10「―の事を申してけり」 ○蟻の熊野参りありのくまのまいり 人が列をなして群集することのたとえ。日葡辞書「アリノクマノマイリホドツヅイタヨ」 ⇒あり【蟻】

あり‐の‐まがい【有りの紛ひ】‥マガヒ🔗🔉

あり‐の‐まがい有りの紛ひ‥マガヒ 各種のものが入り乱れているさま。允恭紀「麋鹿おおしか、猨さる、猪、―に山谷に盈てり」

あり‐の‐まにまに【有りの随に】🔗🔉

あり‐の‐まにまに有りの随に】 実際あるとおりに。ありのままに。後拾遺和歌集「こととはば―都鳥都のことをわれにきかせよ」

あり‐の‐まま【有りの儘】🔗🔉

あり‐の‐まま有りの儘】 あるとおり。事実のまま。あるがまま。ありてい。「―を言う」「―の自分を見てもらう」

あり‐の‐み【有の実】🔗🔉

あり‐の‐み有の実】 (「梨なし」が「無し」に通ずるのを忌んでいう) ①梨の実。〈[季]秋〉。〈日葡辞書〉 ②(「鹿梨」と書く)ヤマナシの異名。

あり‐ふ・れる【有り触れる】🔗🔉

あり‐ふ・れる有り触れる】 〔自下一〕[文]ありふ・る(下二) どこにでもある。珍しくない。好色五人女2「かぢの葉に―・れたる歌をあそばし祭り給へば」。「―・れた品」

あり‐もの【有り物】🔗🔉

あり‐もの有り物】 ありあわせの品物。

あり‐よう【有り様】‥ヤウ🔗🔉

あり‐よう有り様‥ヤウ ①ありさま。ようす。土佐日記「海の―も見えず」 ②なりゆき。蜻蛉日記「すべて―にしたがはん」 ③ほんとうのこと。ありのまま。好色五人女2「―に申せど、これをさらに合点せず」 ④あるべきわけ。 ⇒ありよう‐は【有り様は】

ありよう‐は【有り様は】‥ヤウ‥🔗🔉

ありよう‐は有り様は‥ヤウ‥ 〔接続〕 実は。ほんとうは。浄瑠璃、夕霧阿波鳴渡「―、私もちよつと銀のいる事があるによつての」 ⇒あり‐よう【有り様】

あ・る【有る・在る】🔗🔉

あ・る有る・在る】 〔自五〕[文]あ・り(ラ変) (ものごとの存在が認識される。もともとは、人・動物も含めてその存在を表したが、現代語では、動きを意識しないものの存在に用い、動きを意識しての「いる」と使い分ける。人でも、存在だけをいう時には「多くの賛成者がある」のように「ある」ともいう。↔無い) ①そこに存在する。古事記「賢し女を―・りと聞かして」。万葉集20「陸奥の小田なる山に黄金―・りと」。土佐日記「―・る人々もえ堪へず」。「彼に責任が―・る」「本がたくさん―・る」「二人の子が―・る」「今は病床に―・る」 ②この世に存在する。生きている。竹取物語「翁の―・らむ限りはかうてもいますかりなむかし」。徒然草「このころ―・る人の文」。「―・りし日の面影」 ③住む。暮らす。万葉集18「天ざかる鄙に一日も―・るべくもあれや」。伊勢物語「伊勢の国に率ていきて―・らむ」 ④目立つ存在として認識される。きわだつ。すぐれている。源氏物語若紫「御供に声―・る人して歌はせ給ふ」 ⑤(「世に―・り」の形で)多くの人に存在を知られる。栄える。時めく。宇津保物語藤原君「ただ今世に―・る上達部、御子たち」 ⑥実際に起こる。源氏物語蜻蛉「しのびたる事とても、御心より起りて、―・りしことならず」。徒然草「―・るにも過ぎて人はものを言ひなすに」。「2度―・ることは3度―・る」「閏年は4年に1度―・る」 ⑦(…を)持っている。万葉集1「雲だにも情こころ―・らなも」。万葉集15「命―・らば逢ふこともあらむ」。「金の―・る人」「痛みの―・る傷口」「出発まで3日―・る」 ⑧それによってきまる。「成否は君の努力いかんに―・る」 ⑨(引用の助詞「と」を受け、「言う」「書く」の間接的表現。多くは敬意がこもる)言われる。書かれている。古今和歌集「郭公まつ歌よめと―・りければ、よめる」。枕草子184「あけて見れば、…御けしきはと―・るに」 ⑩(動詞の連用形、漢語、尊敬の意を含んだ名詞を受けて、その動作をした人を示さない言い方で、敬意を表す)…なさる。源氏物語桐壺「内裏より御使―・り」。蒙求抄7「代々公になりたいと思ひ―・るか」。平家物語9「沙汰―・って誅せられけるとぞ」。「お楽しみ―・れ」「御照覧―・れ」 ⑪時間がたつ。時を経る。伊勢物語「昔物言ひける女に年ごろ―・りて」 ⑫(断定の助動詞「なり」「たり」「だ」の連用形「に」「と」「で」を受けて)指定を表す。景行紀「一つ松人に―・りせば衣着せましを」。万葉集3「なかなかに人と―・らずは酒壺になりにてしかも」。「人は自由で―・る」 ⑬(動詞に助詞「て」「つつ」の付いた形を受けて)動作・作用の、結果の存続または進行継続の状態を表す。万葉集15「旅なれば思ひ絶えても―・りつれど」。万葉集8「かくのみや恋ひつつ―・らむ」。「壁に掛けて―・る額縁」「窓があけて―・る」 ⑭(形容詞やいわゆる形容動詞の連用形または指示副詞などを受けて)状態の存在または存続を表す。間に係助詞の入ることが多く、打消の語が下に続くことが多い。伊勢物語「人しげくも―・らねど」 ⑮(助詞「て」を受けて)そのままでいる。それですましている。後撰和歌集「なき名ぞと人には言ひて―・りぬべし」 ◇「有」は物事がある状態を保ったり物を所有したりする意味で使われ、「在」は物の存在を特に示す場合に使われる。 ⇒有る時は蟻が有り、無い時は梨も無し

ある‐が‐うえ‐に【有るが上に】‥ウヘ‥🔗🔉

ある‐が‐うえ‐に有るが上に‥ウヘ‥ なおその上に。

ある‐かぎり【有る限り】🔗🔉

ある‐かぎり有る限り】 ①あるもの、いる人の全部。ありったけ。枕草子90「―つれだちて」 ②生きている間。蜻蛉日記「女親といふ人―はありけるを」

ある‐が‐なか【有るが中】🔗🔉

ある‐が‐なか有るが中】 多くある中で特別。伊勢物語「この歌は―におもしろければ」

あるか‐なきか【有るか無きか】🔗🔉

あるか‐なきか有るか無きか】 ①存在するか、しないか。拾遺和歌集雑恋「あやまちの―を知らぬ身は」 ②あるともないともいえないほどに、はかなく、たよりないさま。また、生きているのかいないのか分からないほどに、弱々しいさま。源氏物語桐壺「―に消え入りつつものし給ふ」

あるか‐なし【有るか無し】🔗🔉

あるか‐なし有るか無し】 あるかないか分からないほどに、わずかなさま。「―の財産」

あること‐ないこと【有る事無い事】🔗🔉

あること‐ないこと有る事無い事】 実際にあったことと無かったこと。本当とうそ。狂言、津島祭「―を取り集め話して」。「―言いふらす」

○有る時は蟻が有り、無い時は梨も無しあるときはありがありないときはなしもなし🔗🔉

○有る時は蟻が有り、無い時は梨も無しあるときはありがありないときはなしもなし 金というものは、あるときには十分にあり、ないときには全くないということ。「有る」「無い」に同音の「蟻」「梨」を添えてしゃれた表現。 ⇒あ・る【有る・在る】 あるとき‐ばらい有る時払い‥バラヒ 期限を決めずに金銭のある時に払うこと。 ⇒有る時払いの催促なし

あるにも‐あらず【有るにも有らず】🔗🔉

あるにも‐あらず有るにも有らず】 あるともいえないほどに、非常にはかない。無いに等しい。また、気が転倒してそこにいる気もしない。無我夢中である。源氏物語椎本「あるにもあらで過ぐし来にける年月の」。落窪物語1「からうじて―いらふ」

あるびょう‐も‐なし【有るべうもなし】‥ベウ‥🔗🔉

あるびょう‐も‐なし有るべうもなし‥ベウ‥ (アルベクモナシの音便)とんでもない。平家物語2「入道相国簾中より見出して―とのたまへば」

ある‐まじき【有るまじき】🔗🔉

ある‐まじき有るまじき】 ①あってはならない。源氏物語桐壺「―恥もこそと心づかひして」。「役人に―行為」 ②生きられそうもない。竹取物語「この女見では、世に―心地」

う【有】🔗🔉

】 (呉音) ①〔仏〕(梵語sat; bhava)存在すること。存在するもの。生存。十二因縁の第10。また、実体があると執着することを有見うけんという。↔無↔空。 ②「無」に対して、肯定・然りの意を示す。日葡辞書「ウトモムトモヘンジ(返事)ナイ」 ③〔哲〕存在。 →ゆう(有)

ゆう【有】イウ🔗🔉

ゆうイウ ①あること。存在すること。↔無。 ②〔哲〕(→)存在に同じ。 ③「また」「その上に」の意を表す。「十―三年」 →う(有)

ゆう・する【有する】イウ‥🔗🔉

ゆう・する有するイウ‥ 〔他サ変〕[文]有す(サ変) 持っている。所有する。「権利を―・する」

[漢]有🔗🔉

 字形  筆順 〔月(月・月)部2画/6画/教育/4513・4D2D〕 〔音〕ユウ〈イウ〉(漢) (呉) 〔訓〕る・たもつ (名)あり [意味] ①ある。存在する。実在。(対)無。「無から有を生ずる」「有利・有罪・特有・希有けう・未曾有みぞう・有象無象うぞうむぞう」▶仏教では「ウ」とよむ。 ②所持する。たもつ。もちつづける。「我が有に帰する」「資格を有する人」「領有・保有・私有・現有勢力・有段者・有視界飛行」 ③…に加えて。また。(同)又。「十有五年・三年有半」 ④一字の名詞に冠して、語調を整える助字。「有司・有衆」 [解字] 形声。「月」(=肉)+音符「又」(=手)。肉を自分の手にかかえこむ意。 [下ツキ 烏有・奄有・官有・含有・享有・共有・偶有・具有・希有・兼有・現有・公有・国有・固有・私有・所有・占有・専有・中有・通有・特有・万有・非有・富有・分有・併有・保有・本有・未曾有・民有・無何有・領有

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