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う・く【浮く】🔗⭐🔉
う・く【浮く】
[一]〔自五〕
①水中から水面に出てくる。万葉集16「新羅斧おとし入れ…―・き出づるやと見むわし」。「―・きつ沈みつする」
②物が地面を離れて空中にある。「空に―・く雲」
③中から表面へ出てくる。栄華物語楚王夢「涙―・かせ給ふに、殿原もえ堪へ給はず」。「肌に脂が―・く」
④沈まずに、漂っている。古事記下「瑞玉盃みずたまうきに―・きし脂」
⑤着く所がなく漂う。頼り所がなくさすらう。源氏物語若紫「むつましかるべき人にも立ちおくれ侍りにければ、あやしう―・きたるやうにて」
⑥心が落ち着かず、ふらふらする。不安で動揺する。源氏物語葵「起き臥し思し煩ふけにや、御心地も―・きたるやうに思されて」。大鏡師尹「聞かせ給ふ御心地はいとど―・きたるやうに思し召されて」
⑦根拠がない。確かでない。あてにならない。後撰和歌集雑「天雲の―・きたることと聞きしかど」。徒然草「口にまかせて言ひ散らすは、やがて―・きたることと聞ゆ」
⑧軽々しい。軽薄である。うわついている。源氏物語夕霧「この―・きたる御名をぞ聞し召したるべき」。日葡辞書「ココロノウイタヒト」。「―・いた噂一つない」
⑨心がうきうきしてはずむ。気が引き立つ。浄瑠璃、津国女夫池「自ら―・かぬ顔色を機嫌直しと」。「春は心が―・く」
⑩(釘・歯などが)固定しないでぐらぐらする。日葡辞書「ハガウク」
⑪下地などから、くっきりうきあがったように見える。比喩的に、基盤から遊離する。うきあがる。源氏物語玉鬘「紅梅のいといたく文―・きたるに、葡萄えび染の御小袿こうちぎ」。「大衆から―・いた指導者」
⑫余分ができる。余る。「タバコをやめると月5千円―・く」
⑬(取引用語)相場が上すべりし、あるいは浮動する。引き緩み下値に向かう。
⑭織物で、経糸・緯糸が1本ずつ織り合わずに、何本かとばして織られる。そのような織り方をするのを「地紋を浮かす」という。
[二]〔他下二〕
①水面・水中にうかばせる。また、空中にうかばせる。うかす。万葉集17「布勢の海に船―・けすゑて」。竹取物語「尾―・けてめぐるに」
②涙などを表面に出す。うかべる。源氏物語須磨「涙を一目―・けて」
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