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い・く【行く】🔗🔉

い・く行く】 〔自五〕 (奈良・平安時代から「ゆく」と併存。平安・鎌倉時代の漢文訓読では、ほとんど「ゆく」を使い、「いく」の例は極めて稀。助詞「て」の下では「いく」が多い)「ゆく」に同じ。万葉集14「いで吾あれは―・かな」。伊勢物語「伊勢の国にゐて―・きてあらむ」。土佐日記「幣ぬさには御心の―・かねば、み船もゆかぬなり」。世間胸算用1「すこしづつ徳の―・くやうにして返す物ぢや」。「納得が―・く」

ゆ・く【行く・往く・逝く】🔗🔉

ゆ・く行く・往く・逝く】 〔自五〕 (奈良・平安時代からイクと併存。平安・鎌倉時代の漢文訓読ではほとんどユクを使い、イクの例はきわめて稀) ①現在いる地点から出発して向うの方へ進行・移動する。 ㋐前方へ向かって進む。離れ去る。万葉集15「真楫まかじき船し―・かずは見れど飽かぬまりふの浦に宿りせましを」。「―・けども―・けども山の中」 ㋑目的地に向かい進む。出向く。古事記「いざ子ども野蒜摘みに蒜摘みにわが―・く道の」。「外国へ―・く船」 ㋒目的の所に到達する。とどく。万葉集5「家に―・きて如何にか吾がせむ枕づく妻屋さぶしく思ほゆべしも」。「もうじき知らせが―・くはずです」 ㋓ある段階に達する。「そこまで―・けば玄人だ」 ㋔(「そこへ―・くと」「そこへ―・けば」の形で)その点から考える。「そこへ―・くと日本は狭い」 ②ある所を通過して進む。 ㋐通り過ぎる。通行する。古事記「浜つ千鳥浜よは―・かず磯伝ふ」。「道―・く人」「―・く雁」 ㋑水が流れ去る。また、風が吹き渡る。斉明紀「飛鳥川みなぎらひつつ―・く水の間もなくも思ほゆるかも」。万葉集11「わが背子が浜―・く風のいやはやに早事なさば」 ㋒年月・時日などが経過する。万葉集9「とこしへに夏冬―・けや皮衣扇はなたず山に住む人」。「―・く年、来る年」 ③道などが通じる。通っている。万葉集2「三笠山野辺―・く道はこきだくもしじに荒れたるか」。「学校へ―・く道」 ④ある方法で事を行う。「名案だ。それで―・こう」 ⑤《逝》死ぬ。逝去せいきょする。伊勢物語「つひに―・く道とはかねて聞きしかど」 ⑥年齢が進む。成長する。平家物語2「わが身の年の―・く事をば嘆かずして」。好色五人女5「年の程十五か六か、七までは―・かじ」 ⑦心が満たされる。万葉集3「わが屋前にわに花そ咲きたるそを見れど心も―・かず」。「納得が―・く」 ⑧物事がはかどる。進展する。古今著聞集12「相論事―・かざりけるに」。愚管抄3「万機の沙汰の―・かぬ様になるとき」。「にっちもさっちも―・かない」 ⑨ある事態が生起する。生ずる。玉塵抄23「風は乱の―・くにたとへられたぞ」。玉塵抄26「大ひでりが―・くぞ」。世間胸算用1「お伊勢様も損の―・かぬやうに」 ⑩(嫁・婿などになって)他家に移る。毛詩抄「その―・く時分が秋冬でよい時分ぢやぞ」。「養子に―・く」 ⑪他の動詞に付いて「物事が次第に進行する」「引き続いて進行する」意を表す。口語では助詞「て」を介して動詞に付く。万葉集3「語り継ぎ言ひ継ぎ―・かむ富士の高嶺は」。「やせて―・く」 ⇒行くとして可ならざるはなし ⇒行くに径に由らず

ゆく‐あき【行く秋】🔗🔉

ゆく‐あき行く秋】 暮れて行く秋。晩秋。〈[季]秋〉。古今和歌集六帖6「しのすすき穂に出でずとも―を招くといはばそよと答へよ」

ゆくかげ‐の【行く影の】🔗🔉

ゆくかげ‐の行く影の】 〔枕〕 年月の「月」にかかる。

ゆく‐かた【行く方】🔗🔉

ゆく‐かた行く方】 ①指して行く方角。行く先。ゆくえ。 ②心を慰め晴らす仕方。やるかた。古今和歌集物名「―のなきわが心かな」

ゆく‐さ【行くさ】🔗🔉

ゆく‐さ行くさ】 (サは接尾語)行く時。行きしな。万葉集3「―には二人ふたりわが見しこの崎を」↔帰るさ。 ⇒ゆくさ‐きるさ【行くさ離るさ】 ⇒ゆくさ‐くさ【行くさ来さ】

ゆく‐さき【行く先】🔗🔉

ゆく‐さき行く先】 (イクサキ・ユキサキとも) ①向かって進んで行く先方。目的地。万葉集20「闇の夜の―知らず行くわれを」。「―を尋ねる」 ②行く末。前途。将来。世間胸算用1「―の七月魂祭の送り火の時」

ゆくさ‐きるさ【行くさ離るさ】🔗🔉

ゆくさ‐きるさ行くさ離るさ(→)「行くさ来さ」に同じ。 ⇒ゆく‐さ【行くさ】

ゆくさ‐くさ【行くさ来さ】🔗🔉

ゆくさ‐くさ行くさ来さ】 行く時と来る時。万葉集20「―つつむことなく船は早けむ」 ⇒ゆく‐さ【行くさ】

ゆく‐すえ【行く末】‥スヱ🔗🔉

ゆく‐すえ行く末‥スヱ ①進んで行くずっと先の方。はるかなゆくさき。続拾遺和歌集「―の空はひとつにかすめども山もとしるく立つ煙かな」 ②遠い将来。前途。蜻蛉日記「曇り夜の月とわが身の―のおぼつかなさはいづれまされり」。「子の―を案じる」 ③余命。老いさき。源氏物語明石「―短げなる親ばかりを頼もしきものにて」 ④来世。宇津保物語嵯峨院「この世にはさらにもいはず、―にも草・木・鳥・けだものとなるとも、友だちとこそならめ」 ⑤来歴。素姓。太平記18「かの女房の―をくはしく尋ねて候へば」

ゆく‐せ【行く瀬】🔗🔉

ゆく‐せ行く瀬】 流れ行く川の瀬。万葉集2「吉野川―のはやみ」

ゆく‐て【行く手】🔗🔉

ゆく‐て行く手】 ①向かって行く先方。ゆくえ。前途。壬二みに集「―にかすむ野辺のあけぼの」。「―を阻む」 ②行くついで。行きがけ。物事のついで。千載和歌集「冬来れば―に人は汲まねども氷ぞ結ぶ山の井の水」

ゆく‐とし【行く年】🔗🔉

ゆく‐とし行く年】 ①暮れて行く年。過ぎ去って行く年。〈[季]冬〉。「―来る年」 ②年齢。好色一代女6「―もはや六十五なるに」 ○行くとして可ならざるはなしゆくとしてかならざるはなし やって出来ないものはない。やれば必ずやり遂げる。 ⇒ゆ・く【行く・往く・逝く】

○行くとして可ならざるはなしゆくとしてかならざるはなし🔗🔉

○行くとして可ならざるはなしゆくとしてかならざるはなし やって出来ないものはない。やれば必ずやり遂げる。 ⇒ゆ・く【行く・往く・逝く】 ゆくとり‐の行く鳥の】 〔枕〕 「むらがる」「あらそふ」にかかる。万葉集2「―相競あらそふ間はしに」

ゆくとり‐の【行く鳥の】🔗🔉

ゆくとり‐の行く鳥の】 〔枕〕 「むらがる」「あらそふ」にかかる。万葉集2「―相競あらそふ間はしに」 ○行くに径に由らずゆくにこみちによらず [論語雍也]小道や裏通りを通らず大通りを歩く。正々堂々と事を行うこと。 ⇒ゆ・く【行く・往く・逝く】

○行くに径に由らずゆくにこみちによらず🔗🔉

○行くに径に由らずゆくにこみちによらず [論語雍也]小道や裏通りを通らず大通りを歩く。正々堂々と事を行うこと。 ⇒ゆ・く【行く・往く・逝く】 ユグノーHuguenot フランス】 16〜18世紀フランスのカルヴァン派新教徒の通称。政府の弾圧や旧教徒との衝突の結果、ユグノー(宗教)戦争(1562〜98年、前後8回)をひき起こした。1598年アンリ4世のナントの勅令で信仰の自由が認められたが、1685年ルイ14世がこれを撤回したので多数がドイツなどに亡命、1789年の革命によって旧教徒との同権を獲得した。 ゆく‐の‐きゆくの木】 マメ科の落葉高木。暖地に自生し、葉は羽状複葉。夏、白色の蝶形花を開き、細長い果実を結ぶ。材は堅く、細工物・天秤てんびん棒・建築材などとする。ミヤマフジキ。 ゆくは⇒いくは ゆくはし行橋】 福岡県東部の市。周防灘に面する。もと宿場町・市場町。北九州市への通勤者も多い。人口7万。 ゆく‐はる行く春】 暮れてゆく春。過ぎてゆく春。晩春。〈[季]春〉。拾遺和歌集「花もみな散りぬる宿は―の故郷とこそなりぬべらなれ」 ゆく‐ひと行く人】 道を行く人。旅行く人。旅人。土佐日記「―もとまるも袖の涙川」 ゆくふね‐の往く船の】 〔枕〕 「過ぐ」にかかる。 ゆ‐くみ湯汲み】 ①湯を汲むこと。また、その人。 ②銭湯で、浴客のために陸湯おかゆを汲みなどした男。湯番。浮世風呂「女湯の湯舟に簪をおとせば、―の男、滑川なめりがわめきて探すとも」 ゆく‐みず行く水‥ミヅ 流れゆく水。流水。 ⇒ゆくみず‐の【行く水の】 ⇒行く水に数書く

ゆく‐はる【行く春】🔗🔉

ゆく‐はる行く春】 暮れてゆく春。過ぎてゆく春。晩春。〈[季]春〉。拾遺和歌集「花もみな散りぬる宿は―の故郷とこそなりぬべらなれ」

ゆく‐ひと【行く人】🔗🔉

ゆく‐ひと行く人】 道を行く人。旅行く人。旅人。土佐日記「―もとまるも袖の涙川」

ゆく‐みず【行く水】‥ミヅ🔗🔉

ゆく‐みず行く水‥ミヅ 流れゆく水。流水。 ⇒ゆくみず‐の【行く水の】 ⇒行く水に数書く ○行く水に数書くゆくみずにかずかく はかないこと、また、つまらないことをすることのたとえ。古今和歌集「―よりもはかなきは」 ⇒ゆく‐みず【行く水】

○行く水に数書くゆくみずにかずかく🔗🔉

○行く水に数書くゆくみずにかずかく はかないこと、また、つまらないことをすることのたとえ。古今和歌集「―よりもはかなきは」 ⇒ゆく‐みず【行く水】 ゆくみず‐の行く水の‥ミヅ‥ 〔枕〕 「過ぐ」「とどめかぬ」にかかる。 ⇒ゆく‐みず【行く水】 ゆくもかえるも‐の‐せき行くも帰るもの関‥カヘル‥ (後撰集の「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」という、蝉丸の歌から出た語)近江国逢坂関おうさかのせきの異称。 ゆく‐ゆく行く行く】 ①行く末。やがて。将来。玉くしげ「或は今善き事も―のためにあしく」。「―は大物になるだろう」 ②(副詞的に)行きながら。顕宗紀(図書寮本)院政期点「臥しつつ泣き行ユクユクおらびて」。「話は―しよう」 ゆくゆく‐と 〔副〕 ①未詳。一説に、心が動揺しているさま。また、ずんずんの意とも。万葉集2「丹生の河瀬は渡らずて―恋痛きわがせいで通ひ来ね」 ②ずんずん。遠慮せずにずかずかと。源氏物語賢木「何事にかはとどこほり給はむ、―宮にもうれへ聞え給ふ」 ゆくら‐か 揺れ動くさま。心のおちつかないさま。また、ゆっくりしたさま。ゆったり。万葉集12「漁いざりするあまの楫の音―に妹は心に乗りにけるかも」 ゆくら‐ゆくら 揺れ動くさま。心が動揺するさま。ゆらゆら。万葉集17「大船の―に下恋にいつかも来むと待たすらむ」 ゆくり】 ゆかり。所縁。水鏡「事の―ありて丹後の国へ行きて」 ゆぐり (中国・四国地方でいう)(→)「いずめ」に同じ。 ゆくり‐か 思いがけないさま。突然。何心ないさま。不用意なさま。源氏物語明石「―に見せ奉りて」。源氏物語夕霧「―にあざれたることの、まことにならはぬ御心地なれば」 ゆくり‐なく 〔副〕 思いがけず。偶然に。「―もパリで再会した」 ゆくり‐な・し 〔形ク〕 思いがけない。突然である。不用意である。土佐日記「―・く風吹きて」。源氏物語賢木「あたら、思ひやり深うものし給ふ人の、御―・くかやうなる事をりをりせさせ給ふを」 ゆ‐くわ斎鍬‥クハみ浄めた鍬。神事に用いるもの。皇太神宮儀式帳「忌鍬ゆくわゆ‐ぐん斎郡】 大嘗祭に新穀を奉るために卜定ぼくじょうされた国郡。 ゆ‐け湯気】 入浴時の脳貧血。ゆげ。 ⇒湯気に中る ゆ‐げ弓削】 弓を削り作ること。また、その職の人。 ゆ‐げ湯気】 ①湯・水・氷などの表面から立ちのぼる水蒸気が小さな水滴となり、白く煙のように見えるもの。「頭から―を立てて怒る」 ②(→)「ゆけ」に同じ。 ゆ‐げ遊化】 〔仏〕 ①僧が遊行ゆぎょうして人を教化し善に導くこと。 ②(→)遊戯ゆげに同じ。 ゆ‐げ遊戯】 (ユケとも) ①遊び楽しむこと。ゆうぎ。栄華物語本雫「九重の宮の内に―し給ふこと」 ②楽しく思うこと。よろこぶこと。栄華物語後悔大将「―しおぼいたるさまもをかし」 ③〔仏〕心にまかせて、自在にふるまうこと。沙石集1「地獄に―してこそおはしませ」 ゆげい靫負ユゲヒ (ユキオヒの転。古くは清音) ①古代、靫ゆぎを負って宮廷を守った者。 ②特に、衛門府えもんふおよびその官人の称。→衛門府⇒ゆげい‐の‐かみ【靫負督】 ⇒ゆげい‐の‐ちょう【靫負庁】 ⇒ゆげい‐の‐つかさ【靫負司】 ⇒ゆげい‐の‐みょうぶ【靫負の命婦】 ⇒ゆげい‐べ【靫負部】 ゆげい‐の‐かみ靫負督ユゲヒ‥ 衛門府の長官、衛門督えもんのかみの別称。 ⇒ゆげい【靫負】 ゆげい‐の‐ちょう靫負庁ユゲヒ‥チヤウ 検非違使庁けびいしちょうの別称。 ⇒ゆげい【靫負】 ゆげい‐の‐つかさ靫負司ユゲヒ‥ 衛門府の別称。 ⇒ゆげい【靫負】 ゆげい‐の‐みょうぶ靫負の命婦ユゲヒ‥ミヤウ‥ 命婦(後宮女官)の名の一つ。父・兄や夫が靫負であるものの称。源氏物語桐壺「―といふをつかはす」 ⇒ゆげい【靫負】 ゆげい‐べ靫負部ユゲヒ‥ 大和政権で靫ゆぎを負って天皇や皇族を守護した品部しなべ。靫部。 ⇒ゆげい【靫負】 ゆげ‐ざんまい遊戯三昧】 遊戯ゆげにふけること。 ゆ‐げしょう湯化粧‥シヤウ 入浴後に化粧すること。 ゆ‐げた井桁】 イゲタの転。天草本伊曾保物語「狐とんで―のうちにとびあがつて」 ゆ‐げた湯桁】 湯槽ゆぶねのまわりの桁。また、湯槽。源氏物語空蝉「伊予の―もたどたどしかるまじう見ゆ」 ゆ‐げた湯下駄】 昔、湯殿で用いた下駄。 ゆげ‐たて湯気立て】 冬、室内の乾燥を防ぐため、暖房器に水を入れた容器をのせて湯気を立てること。〈[季]冬〉 ゆ‐けつ輸血】 血液型の合う健康者の血液を患者の血管内に注入すること。外傷または手術による失血、胃腸出血、貧血、衰弱、種々の伝染性疾患などの場合に行う。 ⇒ゆけつ‐はんのう【輸血反応】 ゆ‐けつがん油頁岩(→)オイル‐シェールに同じ。 ゆけつ‐はんのう輸血反応‥オウ 輸血による生体の反応、特に副作用。溶血・発熱・アレルギー反応・感染など。 ⇒ゆ‐けつ【輸血】

ゆくみず‐の【行く水の】‥ミヅ‥🔗🔉

ゆくみず‐の行く水の‥ミヅ‥ 〔枕〕 「過ぐ」「とどめかぬ」にかかる。 ⇒ゆく‐みず【行く水】

ゆくもかえるも‐の‐せき【行くも帰るもの関】‥カヘル‥🔗🔉

ゆくもかえるも‐の‐せき行くも帰るもの関‥カヘル‥ (後撰集の「これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関」という、蝉丸の歌から出た語)近江国逢坂関おうさかのせきの異称。

ゆく‐ゆく【行く行く】🔗🔉

ゆく‐ゆく行く行く】 ①行く末。やがて。将来。玉くしげ「或は今善き事も―のためにあしく」。「―は大物になるだろう」 ②(副詞的に)行きながら。顕宗紀(図書寮本)院政期点「臥しつつ泣き行ユクユクおらびて」。「話は―しよう」

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