くり‐や【厨】 (黒屋の意) ①食物を調理する所。台所。庖厨。〈倭名類聚鈔10〉 ②厨人_{くりやびと}の略。 ⇒くりや‐びと【厨人】 ⇒くりや‐ぶね【厨船】 ⇒くりや‐め【厨女】

くりやがわ【厨川】_‥ガハ 姓氏の一つ。 ⇒くりやがわ‐はくそん【厨川白村】

くりやがわ‐の‐き【厨川柵】_‥ガハ‥ 岩手県盛岡市下厨川にあった城柵。前九年の役の際、源頼義が安倍氏一族を滅ぼした古戦場。

くりやがわ‐はくそん【厨川白村】_‥ガハ‥ 英文学者・文明批評家。名は辰夫。京都生れ。東大卒。京大教授。西洋文芸の紹介、近代思潮の解説に貢献。著「近代文学十講」「象牙の塔を出て」「近代の恋愛観」など。（1880〜1923） ⇒くりやがわ【厨川】

くりや‐びと【厨人】 厨で調理をつかさどる人。料理人。 ⇒くり‐や【厨】

くりや‐ぶね【厨船】 本船に付随して割烹_かっぽうをするための小型の船。まかないぶね。台所船。 ⇒くり‐や【厨】

くりや‐め【厨女】 台所仕事をする女。みずしめ。枕草子60「―のきよげなるが、さし出でて」 ⇒くり‐や【厨】

ず‐し【厨子】_ヅ‥ (本来厨房において食品・食器を納めた棚形の置物) ①仏像・舎利_しゃりまたは経巻を安置する仏具。両開きの扉がある。→玉虫厨子（図）。 ②調度・書籍などを載せる置き戸棚。棚の一部に両開きの扉をつけてある。厨子棚。 厨子 ③屋根裏。天井裏の物置場。つし。

ずし‐おう【厨子王】_ヅ‥ワウ 「山椒太夫_{さんしょうだゆう}」参照。

ずし‐だな【厨子棚】_ヅ‥ ^（→）厨子2に同じ。

ずし‐ぼとけ【厨子仏】_ヅ‥ 厨子に安置した仏像。また、厨子に据えるほどの小さい仏像。宇治拾遺物語8「すずろに小さやかなる―をおこなひ出したり」

ちゅう‐かい【厨芥】 炊事場から出る、野菜・魚介などのくず。

ちゅう‐さい【厨宰】 料理をつかさどる人。厨人。

ちゅう‐じん【厨人】 台所の事をつかさどる人。料理人。

ちゅう‐てい【厨丁】 台所の料理に当たる男。台所がた。料理方。

ちゅう‐ひ【厨婢】 台所の事をする女中。

ちゅう‐ぼう【厨房】_‥バウ 台所。調理場。くりや。

厨　字形 〔厂部10画／12画／3163・3F5F〕 〔音〕チュウ(漢)　ズ〈ヅ〉(呉) 〔訓〕くりや [意味] ①くりや。調理場。台所。「厨房・厨芥_{ちゅうかい}・厨人・庖厨_{ほうちゅう}」 ②ひつ。はこ。「厨子_ずし・書厨」 ▷正字は［廚］。［］は異体字。

くりや [0] 【厨】 （１）料理をこしらえる所。台所。 （２）「厨人(クリヤビト)」の略。

くりや-ぶね 【厨船】 本船に付き添って飲食物の調理をする船。まかない船。台所船。

くりやがわ クリヤガハ 【厨川】 姓氏の一。

くりやがわ-はくそん クリヤガハ― 【厨川白村】 (1880-1923) 評論家・英文学者。京都の人。本名，辰夫。京大教授。自由主義の立場から，文明批評を展開，また欧米文芸を紹介。著「近代文学十講」「近代の恋愛観」「象牙の塔を出て」など。

くりやがわ-の-さく クリヤガハ― 【厨川柵】 平安時代に，現在の盛岡市北西部，北上川西岸にあった柵。前九年の役の末期，安倍貞任(サダトウ)・宗任(ムネトウ)が源頼義・義家の軍をこの柵に迎えて戦い，敗れた。

ず-し ヅ― [1] 【厨子】 （１）仏像・舎利・経巻などを安置する戸棚形の仏具。扉が両開きで，漆や箔(ハク)を施したものが多い。 （２）古代の貴族住宅における調度の一。両開きの扉をつけた置き戸棚。文具・書物など身の回りの品を収納するためのもの。 厨子（１） [図]

ずしおう ヅシワウ 【厨子王】 山椒太夫(サンシヨウダユウ)伝説の登場人物。安寿姫の弟。 →山椒太夫

ずし-だな ヅシ― [0] 【厨子棚】 武家の室内調度の一。三層に分かれた置き棚の中・下層の一部に両開きの扉を設けたもの。 →三棚(サンタナ)

ずし-ぼとけ ヅシ― [3] 【厨子仏】 厨子に安置した仏像。また，厨子に据えるほどの小さい仏像。

ちゅう-か [1] 【厨下】 台所。くりや。

ちゅう-かい [0] 【厨芥】 炊事場から出る，食べ物のくず。

ちゅう-じん [0] 【厨人】 台所のことをつかさどる人。料理人。まかないかた。

ちゅう-てい [0] 【厨丁】 台所の事をつかさどる男。料理人。

ちゅう-ひ [1] 【厨婢】 台所の事をする下女。くりやおんな。

ちゅう-ふ [1] 【厨夫】 調理場で働く男。料理人。

ちゅう-ぼう ―バウ [0] 【厨房】 食物を調理する所。くりや。台所。調理場。

ちゅうぼう【厨房】 a kitchen;→英和 a galley (船の).→英和