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うじ【氏】(うぢ)🔗🔉

うじ【氏】(うぢ) 1 古代、血縁あるいは擬制血縁集団の成員が他と区別するために唱える名称。*万葉‐四四六五「大伴の宇治(ウヂ)と名に負へるますらをの伴」 2 家の名称。姓。名字。*読・弓張月‐続「原来氏(ウヂ)もなく」 3 家柄。家系。*曾我物語‐一「うぢといひ器量といひ」 〔接尾〕名字に添えて敬意を表わす。*伎・東海道四谷怪談‐三幕「ヤア、民谷氏(ウヂ)。爰にござったか」 ●氏無くして玉の輿(こし) 女性は家柄や育ちが卑しくても、容貌次第で貴人の愛を得て、地位を得ることができる。女は氏無くて玉の輿。 ●氏の院(いん) 同じ氏族の中の子弟の教育のために設けた大学別曹(だいがくべっそう)。藤原氏の勧学院、橘氏の学館院など。 ●氏の=上(かみ・このかみ)[=長(おさ)] 上代、氏族の首長。多くは氏の宗(氏族の本家)のうち、官位第一の者が任命され、氏神をまつり、氏人を糾合して公事に奉仕し、氏人の訴訟を判ずる権限を有した。 ●氏の挙(きょ) 氏の爵(しゃく)の恩典にあずかるように、各氏の長者の推挙を得ること。 ●氏の子(こ) =うじこ(氏子) ●氏の爵(しゃく) 正月五日頃に宮中で行なわれる叙位の儀に、王・源・藤原・橘氏の長者が、その氏人の叙爵(五位)を申請して叙せられた位。 ●氏の神(しん) =うじがみ(氏神) ●氏の長者(ちょうじゃ) 平安時代以降の氏族の首長の称。奈良時代以前の氏の上(かみ)にあたる。 ●氏の社(やしろ) 氏神をまつる神社。藤原氏の春日神社の類。うじやしろ。 ●氏の奴(やつこ) 大化改新以前の豪族の私有民。かきべ。*書紀‐安閑元年閏一二月(北野本訓)「部曲(うぢノやっこ)」 ●氏より=育(そだ)ち[=育(そだ)て柄(がら)] 家柄、身分のよさよりも、環境、教育などのほうが、人間をつくりあげるのにはたいせつであるということ。

日国 ページ 1886 での氏うぢ単語。