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うつくし・い【美しい・愛しい】🔗🔉

うつくし・い【美しい・愛しい】 〔形口〕うつくし〔形シク〕(上代は主として肉親に対する愛情を表わし、現代の「いとしい」「かわいい」などの意に使われ、「めぐし」「かな(愛)し」などに近い。中古以降はこの他に、情意性と状態性とを兼ね、特に小さいものに寄せる愛、小さいものの美に対する愛を表わし、「愛らしく美しい」の意に多く使われ、「ろうたし」などに近い。現代のように美一般を表わすようになったのは、かなり後である。また、初めは主に連用形で、「ちゃんとしている」「きれいさっぱりしている」などの意にも使われることがあったが、これは「うるわし」「きよし」などに近い) 1 (妻、子、孫、老母などの肉親に対するいつくしみをこめた愛情についていったが、次第に意味が広がって、一般に慈愛の心についていう)かわいい。いとしい。愛らしい。*書紀‐斉明四年一〇月・歌謡「于都倶之枳(ウツクシキ)吾(あ)が若き子を」 2 (幼少の者、小さい物などに対してやや観賞的にいうことが多い)様子が、いかにもかわいらしい。愛らしく美しい。可憐である。*竹取「それを見れば三寸ばかりなる人いとうつくしうてゐたり」 3 (美一般を表わし、自然物などにもいう。室町期の「いつくし」に近い)美麗である。きれいだ。みごとである。立派だ。 形や色についていう。「花(紅葉)が美しい」*大鏡‐六「色こくさきたる木のやうたいうつくしきが侍りしを」話、文章、音色などについていう。「美しい話し方(文章・メロディー)」 4 (不足や欠点、残余や汚れなどないのにいう)ちゃんとしている。きちんとしている。 ちゃんとしていて申し分ない。きちんと整っていて結構だ。*源氏‐乙女「その日のふみ、うつくしう作り給て進士になり給ひぬ」残余や汚れがなく、きれいさっぱりとしている。*日葡辞書「Vtucux(ウツクシュウ) ハテタ〈略〉ネコガ vtccux(ウツクシュウ) クウタ」 5 人の行為や態度が好ましい感じである。「美しい行ない(友情)」 うつくし‐が・る(他ラ四)/うつくし‐げ(形動)/うつくしげ‐さ(名)/うつくし‐さ(名)

日国 ページ 2067 での美しい単語。