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さくら【桜】🔗🔉

さくら【桜】 1 バラ科サクラ属のうちの一群。おおむね落葉高木。北半球の温帯ないし暖帯に分布し、特に東アジアに多く、数十の野生種がある。花はふつう春に咲き、葉の展開に先だって開くことが多い。淡紅・白などの美しい五弁花で、八重咲きのものもある。古くから和歌や絵画にとり上げられ、現在日本の国花とされる。観賞用に古くから栽培され江戸時代以来多くの園芸品種が作られた。材は版木、家具、建築、造船などに使い、樹皮は漢方で鎮咳(ちんがい)、痰(きょたん)薬に用いる。塩漬けにした花や蕾は桜湯にして飲み、ミザクラ(オウトウ)の実はさくらんぼと称して食用にする。ヤマザクラ、サトザクラ、オオシマザクラ、ソメイヨシノ、エドヒガン、ヒガンザクラなど。《季・春》*万葉‐三九六七「山峡(やまがひ)に咲ける佐久良(サクラ)を」 2 1の木材。材質は緻密で、家具材・器具材・船材などに用いられる。江戸時代には版木としても用いられた。桜の木。 3 =さくらがわ(桜皮) 4 「さくらいろ(桜色)」また、「さくらがさね(桜襲)」の略。 5 桜の花を図案化したもの。桜の花の模様。桜模様。 6 紋所の名。桜の花を図案化したもの。桜、山桜、細川桜、大和桜、裏桜、桜井桜、浮線桜(ふせんざくら)、三つ割り桜、八重桜などがある。 7 (色が桜色であるところから)馬肉のこと。さくらにく。 8 (桜の花の刻印があるところから)天保一分銀の異称。 9 上方の遊里で、遊女の階級である小天神(こてんじん)の異称。 10 「さくらゆ(桜湯)」の略。 11 花札で、桜の花の絵が描いてある札の称。 12 魚のひれの部分の名。背びれの中程の部分をいう。 13 江戸時代の劇場で、頼まれて役者に声をかける者などを入れるための特別の桟敷。また、その者。太郎桟敷。 14 露店などの業者の仲間で、客を装って品物を買ったりほめたりして他の客の購買心をそそる者。また、なれあいをいう俗語。「夜店のさくら」 15 耳をいう隠語。 16 (「佐倉」に「桜」を当てたもの)「さくらずみ(佐倉炭)」の略。 17 「さこん(左近)の桜」の略。 平曲の冒頭に語られる一句の曲名。桜町中納言が泰山府君(たいさんぷくん)に祈って桜の花の命を延ばしたという内容。 箏曲。初心者の手ほどきに用いられる小曲。作曲者不明。明治時代、文部省で「咲いた桜」の古謡を改作し、「さくら、さくら、弥生の空は…」の歌詞を定めて「箏曲集第一編」(東京音楽学校)の中に発表。さくらさくら。 東京と長崎、佐世保間に運行されている。JRの特別急行列車の愛称。大正一二〜昭和一七年、東京、下関との間に運行されていた特別急行列車を昭和四年に命名したのが始め。 ●桜の宴(えん) 桜の花を観賞しながら催す宴。 ●桜の御能(おのう) 陰暦三月、桜の花の咲く頃、宮中で行った能楽。

日国 ページ 8618 での単語。