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ささ【笹・篠】🔗🔉

ささ【笹・篠】 1 イネ科のタケ属で小形のものの総称。一稔性で、高さ〇・二〜〇・六メートル。根茎は地中を横にはう。稈(かん)は細長い中空の円柱形で節がある。葉は先のとがった狭長楕円形で基部は鞘(さや)となって稈を包む。タケに対してふつう稈がのびきるまで竹の子の皮が落ちない。実はだんごにして食べ、稈はパルプにしたり種々の家具や器具をつくる。葉は粽(ちまき)や鮨(すし)、和菓子を包むのに用いる。東アジア、特に日本には、各地に広く分布し、クマザサ、チシマザサ、チマキザサ、ミヤコザサなど種類も多く、しばしば観賞用に庭に植えられる。笹草。 2 (酒)(中国で酒を竹葉と呼んだところから。また「さけ」の「さ」を重ねたものともいう)酒をいう女房詞。 3 紋所の名。竹の葉や枝などをかたどったもの。三枚笹、九枚笹、根笹、雪持根笹、笹に雀、上杉笹、宇和島笹、仙台笹、鳥居笹、山口笹などの種類がある。 4 能楽や演劇の手道具の一つで、狂女の持って出る笹。狂い笹。また、宮廷神楽で用いた篠(ささ)の採物(とりもの)。 ●笹が根(ね) ⇒親見出し ●笹の青(あお) 襲(かさね)の色目の名。表は白で裏は青。壮年の狩衣に多く用い、春用いる時は柳襲(やなぎがさね)といい、冬は松の雪ともいう。 ●笹の庵(いおり・いお) 笹の葉で屋根をふいた庵。 ●笹の隈(くま) (地名「ひのくま(檜隈)」に接頭語「さ」の付いた「さひのくま」が「ささのくま」と誤られ、「笹の隈」と解されたもの)生い茂った笹によってできた物かげ。*古今‐一〇八〇「ささのくまひのくま河にこまとめて」 ●笹の子(こ) 篠竹(しのだけ)のたけのこ。小さいが柔らかで美味。篠子(すすのこ)。《季・夏》 ●笹の露(つゆ) 1 笹の葉におく露。 2 酒、または少量の酒をいう。 ⇒親見出し ●笹の戸(と) 笹で作った戸。また、笹の生い茂った門戸。ささど。 ●笹の葉 1 小さい竹類の葉。ささば。 2 湯立(ゆだて)の巫女(みこ)が神託を受ける時に持つ熊笹の葉。 3 酒をいう。 4 =ささのはがい(笹葉貝) ●笹の実(み) 1 笹の果実。自然粳(じねんご)。 2 酒の粕をいう女房詞。 ●笹の=屋(や)[=宿(やどり)] 笹の葉で屋根をふいた家。 ●笹の雪(ゆき) 1 絹漉豆腐(きぬごしどうふ)の風雅な呼び方。そのなめらかさを、笹の葉に積もった淡雪に見立てたものという。淡雪豆腐(あわゆきどうふ)。 2 豆腐料理の一つ。文化・文政ごろから、江戸根岸新田(東京都台東区根岸)の料亭で売り出された、葛餡(くずあん)をかけた絹漉豆腐。吉原帰りの客で繁昌し、根岸名物となって現在に至る。また、その店名となる。 3 (笹に積もった雪がすぐ落ちるように、首や胴がすぐに落ちるの意をこめて)武士が刀につけた名。 4 紋所の名。笹の上に積もった雪を図案化したもの。雪持笹。

日国 ページ 8655 での単語。