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しぜん‐しゅぎ【自然主義】🔗🔉

しぜん‐しゅぎ【自然主義】 1 哲学で、自然をただひとつの実在とみなして、精神現象をも含めて一切の現象を自然の産物と考え、自然科学の方法で説明しようとする立場。 2 倫理学で、道徳現象を人間の本能、欲望、素質などの自然的要素に基づいて説明する立場。また、そこから道徳をうちたてようとする立場をいう。英国の哲学者ハーバート=スペンサーの進化論的倫理説の類。 3 美学で、自然のありのままの美しさや個性を再現することを芸術の目的とする立場。 4 文学で、人間の生態や社会生活を直視して分析し、醜悪なものを避けず理想化を行わないでありのままの現実を描写することを本旨とする思潮。自然科学の隆盛に刺激されて、一九世紀末にフランスのゾラを中心として起こり、モーパッサン、ゴンクール兄弟、ドーデらにうけつがれた。わが国には明治後期に伝わり、自己の内面的心理や動物的側面をありのままに告白したり、平凡な人生をあるがままに描写したりする行き方をとった。代表的作家は田山花袋、島崎藤村、岩野泡鳴、徳田秋声、正宗白鳥など。 5 教育で、人間の自然の性情を重んじ、社会的な習慣や観念を押しつけることなく子どもを発達させようとする立場。

日国 ページ 9565 での自然主義単語。