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しな【品・科・階】🔗🔉

しな【品・科・階】 1 種類。また、等級やその違い。*東大寺諷誦文平安初期点「聞法に約て三の品(シナ)有り」 2 人の位(くらい)。身分。地位。*源氏‐帚木「人のしな高く生まれぬれば」 3 階段。きざはし。*源氏‐若菜上「御階の中のしなの程に居給ひぬ」 4 人や物の品格、または品質。 (人間に関して)人品。人柄。ひん。*源氏‐若菜下「見知り顔にほのめかす、いとしなをくれたるわざになむ」(物事の状態、性質に関して)風情。風格。品格。*無名抄「この半臂の句は、必ずしなと成りて姿を飾るものなり」 5 物事の事情や理由。 そうなった事情や立場。*浄・新版歌祭文‐野崎村「添に添れぬ品になり、わしゃ尼になったはいな」理由。わけ。*浄・吉野都女楠‐三「それを品に勘当許し」 6 方法。しかた。やりかた。*中華若木詩抄‐上「罪科に依て、成敗のしなあり」 7 (科)ちょっとしたしぐさやふるまい。特に、あだっぽいしぐさ、様子。媚(こび)をふくんだしぐさ、様子。姿態。嬌態。*雑俳・みきの口「そろそろと・目から品つくむすめの子」 8 感情のこもっていること。情味。*浄・甲賀三郎‐一「あはれと思召れよとしなをあらして口説かるる」 9 (品)品物。もの。 人が使ったり食べたりする物。また、商品。「結構なお品」特に、物の質やはたらきをいう。品質。「品が良い(悪い)」 ●品無(な)し 1 差がない。違いがない。*弥勒上生経賛平安初期点「世尊の手足は、各の等しくして无差(シナなシ)」 2 品格がない。下品である。品(ひん)がない。*枕‐四〇「たそばの木、しななき心地すれど」 3 愛敬がない。無愛想(ぶあいそう)である。情がない。*私用抄「上方尊宿の句ども無骨にしななく返し侍るべからず」 ●品に依(よ)る (多く「品によったら」「品によっては」の形で用いる)事情による。事による。場合による。 ●品良(よ)し 1 品位がよい。上品である。体裁がよい。*浮・好色五人女‐五「髪は品(シナ)よく油にしたしながら」 2 都合がよい。ぐあいがよい。うまいぐあいである。*浄・近頃河原達引‐堀川「品(シナ)よう訳の立つやうに」 ●品を作(つく)る 1 上品そうな様子をする。体裁ぶる。上品ぶる。 2 なまめかしい様子、動作などをする。あだっぽくふるまう。 ●品を遣(や)る なまめかしくつくろう。はでにする。

日国 ページ 9779 での単語。