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ロマン‐しゅぎ【ロマン主義】🔗⭐🔉
ロマン‐しゅぎ【ロマン主義】
(英romanticismの訳語)〈ローマンしゅぎ〉一八世紀から一九世紀にかけて、ヨーロッパを中心に隆盛した思潮。文芸思潮に端を発し、情緒や自然の重視、超理性的なものや永遠に向かう傾向、創造的個性の尊重など、普遍的、理性的なものを理想とする古典主義に対立する思想として発展、広く芸術・文学・哲学・宗教のあらゆる分野に及んだ。文学ではゲーテ、ホフマン、ワーズワース、ユーゴーなど、音楽ではベートーベン、シューベルト、ワーグナーなど、美術では新古典主義に対する潮流として、ジェリコー、ドラクロワなどが輩出。わが国では明治二〇年代から三〇年代にかけて、「文学界」「明星」などの詩歌・評論を中心に展開された文芸運動をさす。個人主義・自由主義思想の発展に伴い、封建性からの自我の解放、確立を目指したが、一方、空想的・唯美的芸術をも志向した。北村透谷・高山樗牛の評論、島崎藤村・土井晩翠の詩、与謝野鉄幹・晶子の短歌、泉鏡花・国木田独歩の小説などがその代表。また、明治四〇年代には、「スバル」「三田文学」を中心とする耽美主義的文学が出現し、さらに昭和一〇年代には「日本浪曼派」が台頭した。ロマンチシズム。
ロマンス🔗⭐🔉
ロマンス
(英romance元来は「通俗ラテン語であるロマンス語で書かれた物語」の意)〈ローマンス〉
1 中世ヨーロッパの、恋愛や武勇談などを中心にした空想的、伝奇的な通俗小説。一一世紀南フランスの吟遊詩人たちによりひろがった。伝奇文学。奇異譚。騎士物語。ロマン。
2 恋愛を内容とする抒情的な文学。恋物語。長編恋愛小説。
3 歌曲、器楽曲の小品の一つ。スペイン中世のロマンセ、すなわち詩や俗謡に由来し、フランスで抒情的な歌曲、ドイツで抒情的な器楽小品となって発達。
4 恋愛に関すること。恋愛事件。恋愛ざた。艶聞(えんぶん)。
日国 ページ 20865。