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あい【間・合】(あひ)🔗🔉

あい【間・合】(あひ) (「あい(合)」と同源で、両者の相向かうこと、ところ、の意から転じたものか。時代的には「あいだ」の方が古く、また、類似の語に「あわい」もある) 二つのものの間をいう。 1 物と物との間。あわい。ま。*宇治拾遺‐一・七「この鹿の目のあひの」 2 人と人との間柄。関係。仲。*日葡辞書「フタリノ aiga(アイガ)ワルウ ゴザル」 3 酒杯のやりとりの際、二人の間にはいって第三者が代わりに杯を受けて酒席の興をたすけること。「あいの又間」*評判・秘伝書「あひをなどとて人出る事あるべし」 4 「あいのしゅく(間宿)」の略。 5 「あいのて(間手)」の略。 6 人形浄瑠璃で、太夫が語る文句と文句との間を三味線だけでつなぐ演奏。短い旋律で、おもに文意を助けて印象を深めるために行なう。 7 「あいきょうげん(間狂言)」の略。 8 「あいがたり(間語)」の略。 9 「あいごま(間駒)」の略。 10 「あいのもの(間物)」の略。 時と時との間や、ある定まった時期、刻限をいう。 1 ふだん。平日。平常。*咄・新板一口ばなし‐八「とし玉に酒一升おくれ。あいは頼まぬ」 2 とき。折。機会。*随・槐記‐享保一二年二月二〇日「利休、織部と云へども、間(あひ)には、是はいやな物数奇なり」 3 客に出ている遊女が、都合をつけて他の客の座敷に出ること。*談・戯言浮世瓢箪‐四「さても長い間(アイ)なり」

あい‐お【愛悪】(‥ヲ)🔗🔉

あい‐お【愛悪】(‥ヲ) (「悪(を)」は、にくむ意)愛することと憎むこと。

あい‐ざ【間座】(あひ‥)🔗🔉

あい‐ざ【間座】(あひ‥) (「あい(間)」は、間狂言役のこと)能舞台で、間狂言役のすわるところ。

あいだ【間】(あひだ)🔗🔉

あいだ【間】(あひだ) (「あい」は「合い」で、相対するもののすきま、「た(だ)」は「所」などの意か) 二つのものにはさまれた部分。 1 空間的に、二つのものにはさまれた部分。 物と物とのま。あいま。あわい。*万葉‐二四四八「白玉の間(あひだ)開(あ)けつつ貫(ぬ)ける緒も」空間のへだたり。距離。*万葉‐三五七一「己妻(おのづま)をひとの里に置きおほほしく見つつそ来ぬる此の道の安比太(アヒダ)」 2 時間的に、限られた範囲。 時の経過におけるある範囲。うち。ほど。*万葉‐七九四「心ゆも思はぬ阿比(アヒダ)にうち靡き」時間の連続の切れた部分。絶え間。間隔。*書紀‐斉明四年五月・歌謡「阿比娜(アヒダ)もなくも思ほゆるかも」特別の時間でない、普通の時。なんでもない時。*滑・魂胆夢輔譚‐初「間の洒落る時とは違ふ。用の咄しの時はまじめがいい」 3 人と人との関係。事物相互の関係。間柄。仲。*源氏‐賢木「宮のあひだの事、おぼつかなくなり侍りにければ」 4 二つ以上のもののうちの範囲を表わす。…のうち。…の中で。*太平記‐二「彼の入道父子が間に一人さし殺して、腹切らんずる物を」 5 ⇒おあいだ(御間) 形式名詞化して用いられる。 1 (接続助詞のように用いて)原因、理由を示す。…によって。…が故に。…ので。記録資料に多く用いられ、中世以後一般化した。また、「しかる間」の形で一語化し、接続詞となる。*御堂関白記‐寛弘八年六月一三日「東宮雑事不閑間、可然令旨等未下」 2 「この間」の形で、漠然とした時を示す。 ●間で洟(はな)かむ 金銭を渡す人と受け取る人の中間にいて、金銭の若干をくすねる。間でピンはねをする。 ●間に立(た)つ 両方の間に入って、取り持ちをする。仲介する。 ●間踏(ふ)む 調停役をつとめる。調停する。 ●間へはいる 両方の中間に立つ。対立する両者の中に入って取り持ちをする。 ●間を=裂(さ)く[=塞(せ)く] 邪魔をして二人の関係を離す。両者を決裂させる。

あいたげ‐ひと【共食者】(あひたげ‥)🔗🔉

あいたげ‐ひと【共食者】(あひたげ‥) (「たげ」は、「たぐ(食)」の連用形)客とともに飲食する人。陪食する人。

あいみ‐たがい【相身互・相見互】(あひみたがひ)🔗🔉

あいみ‐たがい【相身互・相見互】(あひみたがひ) (「あいみたがいみ(相身互身)」の略)同じ境遇や身分の人が、互いに同情し合い、また助け合うこと。また、そのような間柄。「女は相身互い」

あえ【和・韲】(あへ)🔗🔉

あえ【和・韲】(あへ) (動詞「あえる(合)」の名詞化)魚介類や野菜などを、酢、みそ、ごまなどに混ぜて調理すること。また、そのもの。あえもの。「ごまあえ」「味噌あえ」など。*浄・平仮名盛衰記‐三「海鹿(ひじき)のおあえ」

あえ【饗】(あへ)🔗🔉

あえ【饗】(あへ) (動詞「あう(饗)」の名詞化)飲食のもてなしをすること。→あえす(饗)

あえ‐しら・う【合えしらう】(あへしらふ)🔗🔉

あえ‐しら・う【合えしらう】(あへしらふ) (「あえ」は「あえる(合)」の連用形、「しらう」は「互いに…する」意で「互いに合わせるようにする、相手をする」が原義。これが変化して「あいしらう」「あしらう」となる) 〔自ハ四〕(相手の話が引き立つように)相手をする。調子を合わせる。応答する。*源氏‐帚木「心にいれてあへしらひゐ給へり」 〔他ハ四〕 1 (他人の相手をして)適当にもてなす。程よく処理する。あしらう。*蜻蛉‐上「いとかうしもあるは、われをたのまぬなめりなどもあへしらい」 2 (味などを引き立たせたりするために)取り合わせる。配合する。*蜻蛉‐上「きりおほね、物のしるして、あへしらひてまづいだしたり」

あお‐あらし【青嵐】(あを‥)🔗🔉

あお‐あらし【青嵐】(あを‥) (「青嵐(せいらん)」の訓読み)初夏の青葉を吹き渡る風。《季・夏》

あお‐かん(あを‥)🔗🔉

あお‐かん(あを‥) (「あお」は「青天井」、「かん」は「邯鄲(かんたん)」の略という) 1 屋外で寝ること。 2 屋外での売春、または性交。

あお‐しだ(あほ‥)🔗🔉

あお‐しだ(あほ‥) (「あお」は「あう(逢)」の東国方言)逢う時。

あお‐だ【輿】(あを‥)🔗🔉

あお‐だ【輿】(あを‥) (「あみいた(編板)」が「あうた」となり、さらに変化したものか。「あおた」とも)竹や木などで編み、日覆いのない粗末な釣り輿(ごし)。あんだ。あんぽつ。

あお‐にさい【青二才】(あを‥)🔗🔉

あお‐にさい【青二才】(あを‥) (「青」は未熟の意、「二才」は若者の意の「新背(にいせ)」の変化したものという)年若く、経験に乏しい男を卑しめていう。

あお‐ふしがき【青柴垣】(あを‥)🔗🔉

あお‐ふしがき【青柴垣】(あを‥) (「ふし」は、柴(しば)の意)青葉のついた柴の垣。神籬(ひもろき)の類で、神の宿る所とされた。 ●青柴垣の神事(しんじ) 島根県八束郡美保関町にある美保神社で、「古事記」の国ゆずり神話に基づいて、毎年、四月七日の前後十余日にわたって行なわれる神事。神船につくられた青柴の小枝を、人々が奪い合って、豊漁と航海安全のお守りとする。

あか【淦・・垢】🔗🔉

あか【淦・・垢】 (「あか(閼伽)」、または「あか(垢)2」からか)船底にたまる水。あか水。ふなゆ。

あ‐かい【亜槐】(‥クヮイ)🔗🔉

あ‐かい【亜槐】(‥クヮイ) (「三槐」に亜(つ)ぐ意。「槐」は大臣)「大納言」の唐名。亜相。

あ‐かく【角】🔗🔉

あ‐かく【角】 (「」は子供の結髪の形の「あげまき(総角)」の意)総角に結んだ髪形。

あかし【明・灯・証】🔗🔉

あかし【明・灯・証】 (動詞「あかす(明)」の名詞化) 1 ともしび。あかり。また、神仏に供える灯明。ろうそく。 2 確かなよりどころを明らかにすること。証拠。証明。「あかしを立てる」 3 (夜を明かすことの意から)夜中から朝六時までの芸娼妓の花代をいう花柳界の語。あかしばな。

あか‐だ🔗🔉

あか‐だ (「あかだんご」の変化とも、「あかだ(閼伽陀)」による語とも)米の粉をこね、約一・五センチメートルの球状にして油で揚げた菓子。尾張国(愛知県)津島の名産。津島神社の神前に供えた米で作り、これを食べると暑中の厄病、年中の邪気をはらうと信じられている。

あが‐ちご【贖児】🔗🔉

あが‐ちご【贖児】 (罪を贖(あがな)う稚児(ちご)の意。「あかちこ」とも)陰暦六月と一二月の大祓(おおはらえ)に用いた人形(ひとがた)。人間に代わって罪を償うとする。あからこ。

あが‐もの【贖物】🔗🔉

あが‐もの【贖物】 (「あが」は、動詞「あがう(贖)」の語幹。「あかもの」とも) 1 祓(はら)いの具。身のけがれや、災難などを、代わりに負わせて川などに流してやる装身具や調度。《季・夏》 2 祓いの道具をいう女房詞。 3 罪過のつぐないとして出す物。

あから‐め🔗🔉

あから‐め (「あから」は、「あかる(散・離)」また「あからさま」の「あから」などと同根、「め」は「目」の意) 1 ふと目をほかへそらすこと。わき見をすること。*宇津保‐蔵開中「御文読むさかりに、上、あからめし給へるまに」 2 (目が他の異性に移るというところから)男または女が、ほかの相手に心を移すこと。*大和‐一五七「もとの如くあからめもせで添ひゐにける」 3 (ふと、目がそれているという状態であるというところから)にわかに姿が見えなくなること。*栄花‐花山たづぬる中納言「いづくにあからめせさせ給へるぞや」 ●あからめさす (「さす」は、語源、語義未詳。「為(す)」と同じとも、また、「映(さ)す」とも)にわかに、他へ目を移す。また、ふと他へ目が移ったかのように、あるものの姿を急に見失う。→あからめ3

あかん‐べい🔗🔉

あかん‐べい (「あかめ(赤目)」から。「あかんべえ」「あかんべ」とも)指先で下まぶたを下方に押さえてまぶたの裏の赤い部分を出して見せること。また、そういう目つき。主として子供が軽蔑や拒否の気持を表わすしぐさ。あかすかべい。めあこう。めかこう。

あかん‐ぼう【赤ん坊】(‥バウ)🔗🔉

あかん‐ぼう【赤ん坊】(‥バウ) (「あかぼう(赤坊)」から。「あかんぼ」とも) 1 生まれてまもない子供。乳児期の子供。あかご。 2 (比喩的に)幼稚な人間、未熟な人間。

あき‐され【秋され】🔗🔉

あき‐され【秋され】 (「あき(秋)さる」から。「あきざれ」とも) 1 秋になること。秋さり。《季・秋》*浄・傾城八花形‐五「比しも今は秋されや」 2 秋が深まること。また、その時節。秋さり。《季・秋》

あき‐じい【明盲・清盲】(‥じひ)🔗🔉

あき‐じい【明盲・清盲】(‥じひ) (「あきしい」とも。「しい」は、動詞「しう(癈)」の名詞化で、感覚を失うこと)=あきめくら(明盲)1

あきつ‐す【秋津洲】🔗🔉

あきつ‐す【秋津洲】 (「秋津洲(あきつしま)」の誤読)=あきつしま(秋津島)

あき‐の‐みや【秋宮】🔗🔉

あき‐の‐みや【秋宮】 (「長秋宮(ちょうしゅうきゅう)」を略した「秋宮」の訓読み)皇后の住んでいる宮殿。また、皇后の異称。《季・秋》

あ‐きょう【阿膠】(‥ケウ)🔗🔉

あ‐きょう【阿膠】(‥ケウ) (「あこう(阿膠)」から)中国山東省阿県から産出する上質の膠(にかわ)。接合用、止血剤、下痢止め、産前産後の薬用。

あぐ【🔗🔉

あぐ【 (「あご(腮)」から)釣り針の先端近くに内側を向いている小さな鉤(かぎ)。魚が抜けないようにするための部分。さかばり。かえし。

あくぞ‐もくぞ🔗🔉

あくぞ‐もくぞ (「芥(あくた)藻屑(もくず)」の意で、「もくず」が「もくぞ」に変わったのにひかれて「あくた」が「あくぞ」に変化したものという) 1 何の役にも立たないつまらないもの。がらくた。あくたもくた。 2 さまざまな欠点、短所。また、人の欠点や短所をあげて、くそみそにいうさま。悪口雑言。*浄・忠義墳盟約大石‐八「隠居へも、あくぞもくぞ焚付て」

あくた‐もくた【芥もくた】🔗🔉

あくた‐もくた【芥もくた】 (「もくた」は藻屑(もくず)の意で、「あくた」の音にひかれて「もくず」が「もくた」に変化したものという)=あくぞもくぞ

あ‐ぐち【開口】🔗🔉

あ‐ぐち【開口】 (「あきくち(開口)」から)足袋、襪(しとうず)などの足をはき入れる口。

あ‐ぐら【胡床・胡坐】🔗🔉

あ‐ぐら【胡床・胡坐】 (「足(あ)座(くら)」の意かという) 1 古代の貴族の着座する床の高い台。あごら。*古事記‐下・歌謡「阿具良(アグラ)に坐(いま)し」 2 腰掛け。腰をおろす板に脚をつけたもの。 3 材木を組んで、高い所への足がかりとしたもの。足代(あししろ)。*竹取「あぐらを結ひあげて」 4 (胡坐)両足を組んですわること。また、そのさま。 ●胡座をかく 1 あぐらの姿勢で楽にすわる。 2 その立場や状態にあっていい気になっている。ずうずうしくかまえる。 3 低くて横に張っている鼻の形容に用いる。

あけ【赤・朱・緋】🔗🔉

あけ【赤・朱・緋】 (古く、「あか(赤)」が複合して用いられたのに対応する、単独の形) 1 赤い色。または、赤く染めたもの。広く、朱、紅、緋(ひ)などの色を含み、また、血の色などにもいう。 2 「あけごろも(緋衣)」の略。 3 馬の毛色。赤毛。 ●朱に染(そ)まる (血まみれになって)赤い色に染まる。 ●朱に染(そ)む 1 (「染む」が自動詞四段の場合)=あけ(朱)に染まる 2 (「染む」が他動詞下二段の場合)赤く染める。あたりを血で染める。血まみれのさまにいう。 ●朱に成(な)る =あけ(朱)に染まる ●緋の衣(ころも) 1 =あけごろも(緋衣) 2 緋の法衣。緋は大僧正に許されたもの。 ●赤の曾保船(そおぶね) (「そお(そほ)」は赤土)船体保護、装飾などのため赤く塗った船。 ●朱の玉垣(たまがき) 神域の内外を区切る斎垣(いがき)を赤く塗ったもの。 ●朱を奪(うば)う紫(むらさき) (「論語‐陽貨」の「悪紫之奪朱也」による)間色である紫色が正色である朱色にとってかわる。悪に侵されて、正が失われることのたとえ。

あげ‐また【上股】🔗🔉

あげ‐また【上股】 (「あげまた(を)うつ」の形で)あおむきに寝て、膝を立てること。のんびりと、また、無遠慮に寝転ぶ姿をいう。

あ‐ごえ【距】🔗🔉

あ‐ごえ【距】 (「あ」は足、「こえ」は動詞「こゆ(蹴)」の名詞化)鶏などの蹴爪。あごい。あぐい。あご。

あこめ【衵・袙】🔗🔉

あこめ【衵・袙】 (「間籠(あいこめ)」の変化という説がある) 1 中古、表(うえ)の衣(きぬ)と肌の衣との間にこめて着る衣。袿(うちき)より裾を短く仕立て、多く幼童が用いた。あこめぎぬ。 2 男子束帯の時、下襲(したがさね)の下、単衣(ひとえきぬ)の上に着けた裏付きの衣。寒暑に応じ、好みに任せて数領重ねたものを衵重(あこめかさね)という。

あさけ【朝明】🔗🔉

あさけ【朝明】 (「あさあけ(朝明)」の変化)夜明け方。あさあけ。多く歌語として用いる。

あさじ‐もち【浅茅餅・麻茅餅】(あさぢ‥)🔗🔉

あさじ‐もち【浅茅餅・麻茅餅】(あさぢ‥) (飴(雨)を忌んで餅といったもの)=あさじあめ(浅茅飴)

あさづく‐ひ【朝付日】🔗🔉

あさづく‐ひ【朝付日】 (「万葉‐一二九四、二五〇〇」などの「朝月(あさづき)の日向(ひむか)」を「朝月日(あさづくひ)向ひ」とよんだことによって生じた語か) 朝日。⇔夕付日(ゆうづくひ)。 「向ふ」にかかる。かかり方未詳。→朝月(あさづき)の

あさめ‐もとり【阿佐女主水】🔗🔉

あさめ‐もとり【阿佐女主水】 (「もとり」は「もいとり(主水)」の変化)大嘗会(だいじょうえ)に際して、供膳(きょうぜん)に奉仕する采女(うねめ)。

あさ‐もよい【朝催】(‥もよひ)🔗🔉

あさ‐もよい【朝催】(‥もよひ) (枕詞「あさもよい(麻裳)」の誤解から生じた語) 1 朝飯のしたく。また朝飯。また、その頃。 2 朝の様子。朝の景色。

あじ‐ざけ【味酒】(あぢ‥)🔗🔉

あじ‐ざけ【味酒】(あぢ‥) (「うまさけ(味酒)」の誤読から生じた語)上等の酒。また、助詞「の」を添えて「みわ」「かみ」「か」などにかかる枕詞の働きをする。

あし‐で【悪手】🔗🔉

あし‐で【悪手】 (「あしで(葦手)」のもじり)悪筆。下手な書。

あじゃら【戯】🔗🔉

あじゃら【戯】 (「あざれ(戯)」からか)ふざけること。たわむれ。あじゃれ。 ●戯にも たとえたわむれにでも。かりそめにも。下に禁止、打消の表現がくることが多い。*浄・仮名手本忠臣蔵‐九「あじゃらにも悋気ばししてさらるるな」

あす‐わ‐ひのき【明日わ檜】(‥は‥)🔗🔉

あす‐わ‐ひのき【明日わ檜】(‥は‥) (明日(あす)はひのきになろうの意)「あすなろ(翌檜)」の異名。

あ‐ぜち【庵室】🔗🔉

あ‐ぜち【庵室】 (「あんじち(庵室)」から) 1 出家または隠遁者の仮ずまい。庵。 2 近世、奈良の一般寺院の呼称。転じて、寺子屋。

あそ🔗🔉

あそ (「吾兄(あせ)」の変化とも、「朝臣(あそみ)」の略とも)親愛の情をこめて男性を呼ぶ時の称。*古事記‐下・歌謡「内の阿曾(アソ)汝こそは世の長人」

あそみ【朝臣】🔗🔉

あそみ【朝臣】 (「吾兄臣(あせおみ)」の変化したものとも、「親しい貴人」の意の韓語とも)古代の姓(かばね)の一つ。天武一三年に制定された八色(やくさ)の姓の第二位。はじめは皇族から臣下にくだった有力氏族に与えられたが、平安時代以後皇子や皇孫にも与えられた。あそ。あそん。あっそん。

あだ【仇】🔗🔉

あだ【仇】 (近世中期まで「あた」。「当たる」などの「あた」と同根で、対するものをいうか。近世後期以後、「徒(あだ)」または「婀娜(あだ)」の意に「仇」の字をあてることがあり、意味の上でも混同があった。→あだ(徒)) 1 自分に向かって害を加えようとするもの。かたき。外敵。「不倶戴天の仇」*万葉‐四三三一「筑紫の国は安多(アタ)守る押への城(き)そと」 2 危害。害するもの。また、ひどい仕打ち。「親切をあだで返す」*虎明本狂言・察化「あのやうな物をわるうあひしらへば、後にあたをする物じゃ」 3 うらみ。怨恨。遺恨。*東大寺本地蔵十輪経元慶七年点‐四「此の怨(アタ)を滅し」 ●仇の風(かぜ) さわりとなるはげしい風。逆風。難風。*宇津保‐俊蔭「あたのかぜ吹きて」 ●仇は情(なさ)け あだと思ったことが、かえって情けとなる。 ●仇を鬼に作る 自分に害を与えるものを、さらに恐ろしい鬼の姿に作るの意で、はなはだ悪く、恐ろしい状態をたとえていう。 ●仇を恩で報ずる 恨みのあるものに対し、かえって情けをかける。 ●仇を=なす[=結(むす)ぶ] 恨みに思う。人に危害を加える。仕返しをする。*太平記‐一八「今武家の為に結怨(アタヲムスビ)」

あだ【他・異】🔗🔉

あだ【他・異】 (「あだ(徒)」と同源か)よそ。ほか。べつ。→あだし。*天正本節用集「他アダ非我事

あたい【価・値】(あたひ)🔗🔉

あたい【価・値】(あたひ) (相当する意の動詞「あたう(能)」の名詞形か。一説に「あた(当)あひ(合)」の変化ともいう) 1 その物のねうちに匹敵し、相当するもの。*竹取「あたいの金すくなし」 2 ねだん。代金。また、ねだんに相当する金銭。 3 労力に相当する報酬。その金銭または代物。 4 ねうち。価値。→あたいする。*徒然草‐九三「牛のあたひ、鵝毛よりも軽し」 5 数学で、文字や関数の表わす具体的な数。 ●値千金(せんきん) 千金ものねうちがあること。物事の価値を高く評価していう。 ●値無(な)し 1 評価できないほどこの上なく尊い。*万葉‐三四五「価無(あたひなき)宝といふとも」 2 ねうちがない。品格がない。

あだ‐け【徒気】🔗🔉

あだ‐け【徒気】 (「け」は接尾語か。一説に、動詞「あだく(徒)」の名詞化) 1 好色。 2 たわむれ。冗談。*伎・伊賀越乗掛合羽‐七つ目「そんな事、あだけにもいうて下さんすなえ」

あだし‐ぐさ【仇し草】🔗🔉

あだし‐ぐさ【仇し草】 (讎(あだ)し種(ぐさ)の意)害のもととなるもの。禍根。

あたじけ‐なすび【あたじけ茄子】🔗🔉

あたじけ‐なすび【あたじけ茄子】 (「あたじけない」の「な」と茄子(なすび)をかけたしゃれ)けちんぼ。

あだち【足立】🔗🔉

あだち【足立】 (葦立(あしだち)の転化した語か) 東京都足立区と埼玉県にまたがる地名。 東京市の区の一つ。 東京都二三区の一つ。東京都の北東端にあり、北は埼玉県に接する。

あ‐たん【亜炭】🔗🔉

あ‐たん【亜炭】 (石炭に亜(つ)ぐ意)炭化度の低い石炭の一つ。褐色または黒褐色で木質組織を残しているものもある。主として第三紀地層中に存在。低質の石炭で、乾留用、ボイラー用、家庭用などに使われる。亜褐炭。磐木(いわき)。

あちゃらか🔗🔉

あちゃらか (「あちら(西洋)か(化)」の変化という)深い意味もない、こっけいなしぐさや、にぎやかなふるまいで観客を笑わせる芝居。オペラを換骨奪胎したもので、昭和の初年流行。どたばた喜劇。

あっか【赤】🔗🔉

あっか【赤】 (「あか(赤)」の変化)幼児語。 1 赤いもの、明るいもの。また、赤いこと、明るいこと。*常磐津・四天王大江山入「あっかのべべ織って着せう」 2 きれいな物。美しい物。*浄・小野道風青柳硯‐二「あっかあっかと子を賺(すか)す、御所の詞(ことば)は平人もさのみ違ひはなかりけり」 3 酒。あから。*読・夢想兵衛胡蝶物語‐前「酒をおとと又あっかともいひ」

あつけ‐く【暑けく・熱けく】🔗🔉

あつけ‐く【暑けく・熱けく】 (形容詞「あつい(暑)」のク語法)あついこと。*万葉‐一七五三「熱(あつけく)に汗かきなげ」

あっちら‐こっちら【彼方此方】🔗🔉

あっちら‐こっちら【彼方此方】 (「あちらこちら(彼方此方)」の変化) 〔代名〕=あちこち(彼方此方) 〔形動〕=あちこち(彼方此方)*滑・浮世風呂‐三「ヘン、きつい洒落さ。そりゃア、あっちらこっちらだよ」

あて【当・宛】🔗🔉

あて【当・宛】 (動詞「あてる(当)」の名詞化) 1 物事を行なうときの、目的や見込み。目あて。心づもり。→あてが違う・あてが外れる。*山家集‐上「五月雨はゆくべき道のあてもなし」 2 頼みになるもの。たより。*虎寛本狂言・米市「私もこなたをあてに致いて参りましたが」 3 借金などの保証とするもの。抵当。*史記抄‐一二「椹質はあての事ぞ」 4 物を打ったり切ったりなどする時、下に置く台。*書紀‐雄略一三年九月(前田本訓)「石を以て質(アテ)と為(し)」 5 補強したり保護したりするためにあてがうもの。「肩当て」「胸当て」「腹当て」など。 6 こぶしで、相手の急所を突くこと。当て身。 7 (宛)文書や手紙などの差し出し先。 8 食事のおかずをいう芝居者の隠語。 9 「あてもの(当物)5」の略。 10 「あてひ(当檜)」の略。 11 檜の樹皮でつくった火縄。 〔接尾〕(宛)品物などを等量配分することを表わす。 配分する物を示す数詞の下につける。ずつ。「一人千五百円あて」配分を受けるものの単位を示す数詞の下につける。あたり。「一人あて千五百円」 ●当てが違(ちが)う =あて(当)が外れる2 ●当てが付(つ)く 1 物事について、推測ができる。見当がつく。 2 物が手に入ったり、物事が解決したりする見込が立つ。 ●当てが外(はず)れる 1 ぶつけようとした目当ての物に当たらずにはずれる。 2 見込みがはずれる。予期に反する。あてが違う。*滑・七偏人‐三「一番ヤンヤと請ける気の当が外れて」 ●当てにする 見込みをたてて頼みとする。信用して頼りとする。 ●当てになる 信頼して頼りにすることができる。「あてにならない話」 ●当ての槌(つち) 目当て、または見込みなどをつけることの意。多く「あての槌が違う」「あての槌が外れる」などの形で、予期に反する、見込み違いになることにいう。 ●当てを付(つ)ける 1 推測する。見当を付ける。 2 あてこすりを言う。*洒・御膳手打翁曾我「当をつけても祐成は腹をたたぬが気質にて」

あと【後】🔗🔉

あと【後】 (「跡(あと)」の意義が拡大したものという) 1 空間的なうしろ。⇔さき。 後方。背後。うしろ。*源氏‐末摘花「われも行く方あれど、あとにつきてうかがひけり」後方の守りをする軍勢。後衛。「あとぞなえ(後備)」*太平記‐七「追手も、跡(アト)より懸り候ふらん」 2 時間的な後。⇔さき。 ある事柄があった後。以後。のち。*隆信集「横雲の晴れゆくあとの明けぼのに」特に、人の死後。死後の霊。追善供養などもいう。*源氏‐明石「更にのちのあとの名をはぶくとても、たけき事もあらじ」 3 現在から振り返ってみた過去の時点。前(まえ)。さき。*虎寛本狂言・地蔵舞「是と存た成らば、跡の宿でやどをとらう物を」*浮・好色一代男‐六「引ふねの女は、あとにかへし」 4 行為や事件が終わった後の状態。*日葡辞書「タツ トリモ atouo(アトヲ) ニゴサヌ」 5 ある部分を別にして、その後に残ったもの。それ以外の人や事柄。*人情・春色梅児誉美‐初「私が七十両、跡(アト)は外の者へつかはします」 6 家系、役目などを継ぐこと。また、その人。後継者。→跡(あと)7。 子孫。後裔(こうえい)。「あとが絶え果てる」後任者。後継者。後妻。のちぞい。「後をもらう」 7 浄瑠璃で、事件が一段落した切り場のあとに、後段の趣向の呼び出し、または伏線となる語り場の称。「仮名手本忠臣蔵‐四段目・裏門の場」、「加賀見山旧錦絵‐奥庭の場」などの類。落合(おちあい)。 ●後に直(なお)す 妻の死後、かねて縁のあった女性を後妻として迎える。 ●後の雁(かり・がん)が先になる あとから来たものが前のものの先になる。後輩が先輩を追い越したり、若い者が先に死んだりすることなどにいう。 ●後の事(こと) なくなった人をとむらうさまざまの仏事。 ●後の涼(すず)み 京都の四条河原で陰暦七月の一か月間行なわれる納涼の称。六月七日(のちには六日)から一八日まで催される納涼を「すずみ」とよぶのに対していう。「あとすずみ」とは別。 ●後の月(つき) 前の月。先月。あとげつ。 ●後の祭(まつり) 1 祭礼の翌日。また、その日、神饌を下げて飲食すること。後宴。 2 物事が、その時機をはずして、無益なものになってしまうこと。手おくれ。 3 (男女の交わりを、隠語で「おまつり」というところから)男色の異称。 ●後は野となれ山となれ 当面のことさえ済めば、その先のことや、その結果はどうなってもかまわない。 ●後へ引(ひ)く 相手と妥協して、自分の意見、立場を引っ込める。譲歩する。*人情・英対暖語‐二「斯なって見りゃア、今更後へ引くものかネ」 ●後へも先へもやらぬ 身動きをさせない。その場を去らせない。 ●後へも先へも行かぬ 動きがとれなくなり、途方にくれる。にっちもさっちも行かぬ進退きわまる。 ●後や先(さき) 1 あとになり先になりして行くさま。 2 会話、文章、思考などが、前後とり乱れていてまとまりのないさま。 ●後を黒(くろ)む 戦いの際、背後の方を守る。後方から援護する。 ●後を詰(つ)める 1 あとの事の約束を固める。 2 遊里で、客が遊女を、翌朝まで買い切る。 3 結末をつける。終わらせる。 ●後を引(ひ)く きまりがつかずいつまでも続く。また、いつまでも続けてする。主に飲食や好みなどについていう。*浮・男色大鑑‐七「跡引て明暮恋にせめられ」

あと【跡】🔗🔉

あと【跡】 (「足(あ)所(と)」の意) 1 足。また、足もと。足のあたり。⇔枕。*書紀‐継体七年九月・歌謡「阿都(アト)取り端(つま)取りして」 2 人などが通り過ぎた所に残る痕跡(こんせき)。足跡。 あしがた。あしあと。*万葉‐五四五「わがせこが跡(あと)踏みもとめ」人が行き来した足あと。往来。*新古今‐六五九「けふは都に跡だにもなし」去って行った道や方向。行方。*古今‐三九一「雪のまにまにあとはたづねん」航跡、轍(わだち)。*万葉‐三五一「漕ぎいにし舟の跡(あと)」 3 刃物や爪などが物に当たって残る形。*白氏文集天永四年点‐三「箭の孔、刀の痕(アト)、枯骨に満てり」 4 人の行ない、事件などをとどめるもの。遺跡。*平家‐五「或は源氏の大将の昔の跡をしのびつつ」 5 手本とすべき過去の事柄。先例。故実。ためし。しきたり。「あととする」*源氏‐帚木「臨時のもて遊びものの、そのものとあとも定まらぬは」 6 筆跡。筆のあと。*源氏‐絵合「今の浅はかなるも、昔のあとに恥なく賑ははしく」 7 家の名跡。また、家の名跡をつぐ者。跡式。*愚管抄‐六「将軍があとをば母堂の二位尼総領して」 8 取引所で売買取引の終わったあと。引け跡。 ●跡が付(つ)く 逃亡した者のゆくえがばれる。 ●跡白波(しらなみ) 1 船の通ったあとに立つ波。 2 (「しらなみ」を「知らない」にかけて)行く方が知れなくなること。 ●跡とす 物事を決め行なう時に、あることを先例とする。手本とする。 ●跡の間(ま) 1 次の間。 2 物事が、その期を逸していること。手おくれ。あとの祭。 ●跡を追(お)う 1 先に行くものや去ってしまったものをあとから追って、ついて行く。 2 ゆかりのある人が死んですぐ、あとを慕うようにして死ぬ。 3 物事をするのに先人の手本に従う。 ●跡を隠(かく)す 1 この世を去る。死ぬ。逝去する。 2 人目につかないようにゆくえをくらます。また、隠遁(いんとん)の境涯に入る。 3 死骸を葬る。 ●跡を暗(くら)ます[=暗む・暗まかす・暗くす] どこへ行ったのかわからないように姿を消す。ゆくえをくらます。 ●跡を絶(た)つ 1 主として男女が、交渉を絶つ。 2 特定の時期を最後としてそのことが起こらなくなる。 3 =あと(跡)を隠す ●跡を絶(た)ゆ 1 ゆくえをくらます。隠遁する。 2 人跡が絶える。訪れる人もなくなる。 3 音信がとだえて、様子がわからなくなる。 4 存在しなくなる。絶滅する。 5 跡つぎがなくなる。家が断絶する。 ●跡を垂(た)る (「垂迹(すいじゃく)」の訓読み) 1 本地である仏菩薩が衆生を救うため、かりに神や偉人となって此の世に現われる。 2 その本来の居所と別の所に出現する。 3 先人の行ないにならう。手本としてあとをしたう。*浮・日本永代蔵‐五「弥次郎が跡たれて発心もならざれば」 4 模範として示し残す。範を垂る。 ●跡を付(つ)ける 1 去ったあとに足跡などの痕跡を残す。あとを残す。 2 人や鳥獣の行くあとについて行き、様子をさぐる。尾行する。追跡する。 3 江戸深川の岡場所で、他の遊客が揚げた芸妓があいたら、すぐにつづけて自分が揚げるために、玉(ぎょく)をつける。または、つづけて揚げる。 ●跡を留(とど・と)む 1 この世に生き長らえる。*源氏‐総角「いとど、世にあととむべくなむおぼえぬ」 2 以前からあったままに残しておく。 ●跡を弔(とむら・とぶら)う 死者の霊を慰める。追善のために法事を行なう。 ●跡を濁(にご)す 立ち去ったあとに醜い痕跡を残す。不名誉な手落ちや過失、悪いうわさなどを残すことにいう。「立つ鳥跡を濁さず」 ●跡を踏(ふ)む 1 前人の事跡に学び、それを手本として行なう。踏襲する。 2 他人に先んじられる。立ち遅れる。

あと‐じょうり【後じょうり】🔗🔉

あと‐じょうり【後じょうり】 (「あとじより」とも。「あとじさり」の変化とも「あとにじより(後躙寄)」の変化とも)=あとずさり(後退)

あと‐ぶつ【阿堵物】🔗🔉

あと‐ぶつ【阿堵物】 (中国、六朝時代の俗語で、「このもの」「こんなもの」の意。晋の王衍(おうえん)が金銭を忌んで「このもの」と言ったところから)金銭のこと。阿堵。阿堵の物。

あな‐め🔗🔉

あな‐め (小野小町の髑髏(どくろ)の目に薄(すすき)が生え、「あなめあなめ」と言ったという伝説から)ああ目が痛い。また、ああたえがたい。あやにくだ。*小町集「秋風の吹くたびごとにあなめあなめ小野とはなくし(てカ)薄おひけり」

あに‐き【兄貴】🔗🔉

あに‐き【兄貴】 (「あにぎみ(兄君)」の変化した語か。「貴」は当て字) 1 兄を敬って、また、親しんでいう語。にいさん。 2 若者またはやくざ仲間などで年長の者、勢力のある者を呼ぶ敬称、愛称。 3 男が他の者より年長であること。「ぼくの方が二つあにきだ」

あにん‐じょう【兄ん丈・兄ん上】(‥ヂャウ)🔗🔉

あにん‐じょう【兄ん丈・兄ん上】(‥ヂャウ) (「あにじょう(兄丈)」から。「丈」は年長者に対する尊称)兄上。兄さま。

あね‐き【姉貴】🔗🔉

あね‐き【姉貴】 (「あねぎみ(姉君)」の変化か。「貴」は当て字) 1 姉を敬って、また、親しんでいう語。ねえさん。 2 女が、他の者より年上であること。また、その女。

あばら【荒・疎】🔗🔉

あばら【荒・疎】 (「あばる(荒)」と同根) 〔形動〕 1 すきまが多いさま。あけひろげたさま。まばら。*古今‐七四七「あばらなる板敷にふせりてよめる」 2 家などの破れくずれてすきまが多く、荒れているさま。荒れて戸障子などのないさま。*伊勢‐六「あばらなる蔵(くら)に」 3 人の態度やふるまいなどが心のこもっていないさま。 =あばらや(荒屋)12

あ‐ばり【網針】🔗🔉

あ‐ばり【網針】 (「あみばり(網針)」から)=あみすきばり(網結針)

あ‐ふ【亜父】🔗🔉

あ‐ふ【亜父】 (「あ(亜)」は次の意) 1 父に次いで尊敬する人。父のごとく尊ぶ人。 2 血のつながりのない父。ままちち。継父。

あぶ‐ちゃん🔗🔉

あぶ‐ちゃん (「あぶらやさん(油屋―)」から)よだれ掛け。

あ‐ぶみ【鐙】🔗🔉

あ‐ぶみ【鐙】 (「足(あ)踏み」の意) 1 鞍の両脇に垂れて、乗る人が足を踏みかけるもの。木、また鉄などでつくる。壺鐙、唐様の輪鐙、上総鐙、武蔵鐙など形状、製作地により、各種の呼称がある。 2 「むさしあぶみ(武蔵鐙)」の略。

あべかわ‐もち【安倍川餅】(あべかは‥)🔗🔉

あべかわ‐もち【安倍川餅】(あべかは‥) (駿府(静岡市)安倍川の名物であったところから)焼いた餅を湯にひたして、砂糖のはいったきな粉をまぶしたもの。あべかわ。

あま‐あし【雨脚・雨足】🔗🔉

あま‐あし【雨脚・雨足】 (「雨脚(うきゃく)」の訓読み) 1 雨が降りながら移動する状態。「雨足が早い」 2 白い糸すじのように地上に降り注ぐ雨。 3 乱層雲、積乱雲から雨が降っているとき、遠くから見て雲が筋になって落ちているように見える部分。

あま‐じし【余肉】🔗🔉

あま‐じし【余肉】 (あまり肉(じし)の意)いぼ、こぶなどのように、皮膚に突き出ている肉。こくみ。

あまっぷり‐かざっぷき【雨っ降風っ吹】🔗🔉

あまっぷり‐かざっぷき【雨っ降風っ吹】 (「雨降り風吹き」を威勢よくいった奴(やっこ)ことば)雨が降り風が吹くこと。また、そのような時。

あま‐なっとう【甘納豆】🔗🔉

あま‐なっとう【甘納豆】 (「あまななっとう(甘名納豆)」から)豆類をゆでて糖蜜で煮つめ砂糖をまぶした菓子。明治初年、東京日本橋の菓子商栄太楼細田安兵衛の創製。遠州名物「浜名納豆」に対し「甘名納豆」としたという。

あみ【網】🔗🔉

あみ【網】 (動詞「あむ(編)」の名詞化) 1 糸、縄、針金などで目をあらく編んだもの。魚や鳥獣を捕るための糸、縄製のもの、魚、餅を焼いたり、防御や囲いの目的で用いたりする金属製のものなど。*書紀‐神代下・歌謡「片淵に阿弥(アミ)張りわたし」 2 仏が衆生を救済する慈悲のたとえ。*海道記「大悲弘誓の網を垂て」 3 事を行なうために張りめぐらしたもの。犯罪者などをとらえるための手段。「網を張る」 4 網の目のように、系統的、組織的に作られたもの。「法の網」「交通の網」 5 「あみのりもの(網乗物)」の略。 6 賭場。*伎・お染久松色読販‐中幕「ふとした網に引かかり、がらら百両打込(ぶちこ)んだが」 7 蜘蛛(くも)の巣。 8 紋所の名。漁労の投網(とあみ)を立てかけて干した形状を図案化したもの。 9 =あみがしら(網頭) ●網が上(あ)がる 1 事件が解決する。かたがつく。 2 隠し事がばれる。*浄・七小町‐三「網の上った道ならぬ恋路」 ●網が下(お)りる 悪事が露見して、捕り手の役人に逮捕される。 ●網呑舟(どんしゅう)の魚を洩(も)らす (「史記‐酷吏列伝」による。網の目があらいために、舟を呑むほどの大魚までものがすの意から)法の規定が大まかなため、大罪人をのがしてしまうたとえ。 ●網無くて淵(ふち)をのぞくな (「抱朴子‐学」の「夫不学而求知、猶魚而無網焉。心雖勤而無獲矣」による)十分の用意がなくては物事を行なうな。努力をしないでは、何事もうまくいかないことや、何もしないで他人の成功をうらやんではならないことをいう。 ●網の手 ⇒親見出し ●網の目(め) ⇒親見出し ●網の者(もの) 網で漁をする人。漁師。 ●網の物 網でとった魚類。 ●網を=張(は)る[=掛(か)ける] 1 鳥や魚を捕えるために網を張りめぐらす。 2 犯人や客など、ねらう人物を捕えるために手はずをととのえて待ち受ける。

アメ‐しょん🔗🔉

アメ‐しょん (「アメ」は「アメリカ」、「しょん」は「しょんべん(小便)」の略)アメリカ合衆国へほんの短い期間渡って、何も得るところなく帰国すること。また、その人。昭和初年からいわれた。

あめ‐の‐した【天の下】🔗🔉

あめ‐の‐した【天の下】 (漢語「天下(てんか)」の訓読として、また、「高天原の下にある、この国土」の意もこめて用いる) 1 地上の世界全部。天に対していう。 (政治的に、その勢力の及ぶ範囲すべてをいう)この国全部。日本の国土。全国。特に、この全世界。てんか。*万葉‐四一二二「天皇(すめろき)の敷きます国の安米能之多(アメノシタ)四方の道には」(一般的に)地上のすべて。この世の中。この世界。また、この世間一般。*万葉‐三九二三「天下(あめのした)すでにおほひて降る雪の」 2 国中の人。世間の多くの人。天下の人々。*宇津保‐藤原の君「あめのしたそしり申すこと侍るなり」 3 朝廷。また、朝廷の政事。*書紀‐推古一二年(岩崎本訓)「国家(アメノシタ)永久(とこめづら)にして」 4 世の中、国中で最も程度が高いことを強調していう。 (「天の下の」の形で)天下に比類がないさま。天下第一。*伊勢‐三九「あめのしたの色好み」(副詞的に「天の下において」の意で)日本中のどこででもすべて。*宇津保‐内侍督「あめのした、これよりこえたる心にくさ、いつかあらん」 ●天の下=知らしめす[=知ろしめす・知らす・知ろす] この国土をお治めになる。天下を御統治なさる。 ●天の下申(もう)す (朝廷の政治を天皇に奏上し、執り行なうの意で)天皇に代わって、天下の政治を執り申す。大臣などが政治を行なうことにいう。

あも🔗🔉

あも (「あんもち(餡餅)」の略か)もちをいう幼児や女性の語。あんも。かちん。

あら‐か【殿】🔗🔉

あら‐か【殿】 (「在処(あらか)」の意。多く「御(み)」を伴って用いる)宮殿。居所。→みあらか(御殿)

アリラン🔗🔉

アリラン (朝鮮'a-ri-rang「とうげ」の意)朝鮮民謡の一つ。哀調を帯び失恋を歌った歌詞が多い。

うるさん【蔚山】🔗🔉

うるさん【蔚山】 ('Ur-san)朝鮮半島南部の地名。農産物、魚類の集散地から、重化学工業都市へ発展。 ●蔚山の戦(たたか)い 慶長の役の時、朝鮮慶尚南道に築いた蔚山城で、加藤清正、浅野幸長らが明・鮮連合軍の包囲攻撃をうけた籠城戦。毛利秀元らの援軍を得て撃退した。

オンドル🔗🔉

オンドル (朝鮮'on-dor「温突」の朝鮮漢字音)暖房装置の一つ。朝鮮、中国東北地方などで行なわれている。床下に仕切り壁と溝を設けて、たき口で火をたき、煙をこの溝に通して床を熱し、室内を暖める。

おん‐もん【諺文】🔗🔉

おん‐もん【諺文】 (朝鮮'n-mun「諺文」の朝鮮漢字音)朝鮮固有の文字。→ハングル

しめ【締・〆】🔗🔉

しめ【締・〆】 1 締めること。堅く固定したり結んだりすること。 2 数えあげること。また、合わせた額、数量。合計。総計。「期末のしめ」 3 手紙を封じた所に書く「〆」のしるし。 〔接尾〕 1 たばねたものを数えるのに用いる。束。木綿一しめは、一〇〇〇段をさす。 2 半紙やちり紙などの一〇束、すなわち一〇〇帖、二〇〇〇枚を単位として数えるのに用いる。

しめ‐いた【〆板】🔗🔉

しめ‐いた【〆板】 縁側の鴨居上と軒桁(のきげた)との間に張る横羽目板。

しめ‐がね【締金・〆金】🔗🔉

しめ‐がね【締金・〆金】 1 金銭の出納の合計を計算・整理すること。精算。 2 帯、紐などの端に付けて、それを締めるのに使う金具。また、物を締めたり留めたりする金具にもいう。

しめ‐きり【締切・閉切・〆切】🔗🔉

しめ‐きり【締切・閉切・〆切】 1 出入口、戸、窓などを閉じたままにすること。また、しめきられた場所。 2 周囲を閉じられたところ。牢(ろう)。 3 あらかじめ決められた時、日の終了の期限。「原稿の締切」 4 口、底ともに広い南蛮土瓶。全体に糸で締めたような筋があるのでいう。

しめ‐だか【締高・〆高】🔗🔉

しめ‐だか【締高・〆高】 合わせた金額。合計した高。

しめ‐て【締めて・〆めて】🔗🔉

しめ‐て【締めて・〆めて】 〔副〕全部合わせると。合計して。*浮・好色万金丹‐一「しめて二十七文」

どう【同・仝】🔗🔉

どう【同・仝】 1 おなじであること。ひとしいこと。 2 前に出てきた字句を繰り返して書く代わりに用いる語。「三月一日出発、同七日到着」 3 前に出てきた事柄を受けて、連体詞的に「その…」の意で用いる。「同問題」

ヤン‐バン【両班】🔗🔉

ヤン‐バン【両班】 (朝鮮'ya‐ban)〈ヤンパン〉朝鮮、高麗および李氏朝鮮時代の特権的な文武の官僚階級、身分。文官は東班(文班)、武官は西班(武班)に分けられ、官職・官位を独占して、兵役・賦役の免除のほか、種々の特権を享受した。

リグベーダ🔗🔉

リグベーダ (原題サンスクリット&1E5A;g-veda-sahit)インドの聖歌集。一〇巻。紀元前一五〇〇〜紀元前一〇〇〇年ごろ成立。インド最古の文献。大半はインドラ神など多くの神々に捧げられた賛歌で、婚礼・葬送・宇宙創造などをうたったものや対話形式の叙事詩のような世俗的なものも含む。古代アーリア人の生活意識を反映し、インド思想の源泉で神話学・民俗学・言語学の豊富な資料ともなっている。

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