
「顔[目・鼻]が利く」「口を利く」など身体に関する成句を、「効く」と書くのは誤り。その部位がきちんと働く意で「利く」と書く。
き・く【聞く・聴く】


他五


聞・聴

音・声を耳で感じとる。
「さっき階下で物音を
聞いた」
「音楽を
聞きながら眠る」
「どうか私の話を
聞いて下さい」
「ラジオでニュース[音楽]を
聴く」
「為政者は国民の声を
聴かねばならない」

「聞」は広く一般に使う。「聴」は注意深く耳を傾ける意で使われるが、謹聴するようすが明らかな場合(耳を澄まして聞く・いいか、よく聞け)や、使役の場合(御意見をお聞かせ下さい)などでは、むしろ「聞」が一般的。

聞

話を情報として受け取る。
「昨日の会合で花子の
うわさを━・いた」
「話には━・いていたが、見るのは初めてだ」
「━ところによると入院されていたとか…」

聞

相手の言うことを受け入れる。聞き入れる。
「私の頼みを━・いてくれ」
「主治医の意見をよく━・いて療養に努めて下さい」
「要求[訴え・警告]を━」
「親の言いつけをよく━子だ」

聞・聴

質問する。尋ねる。問う。
「駅へ行く道を
聞く」
「本人に
聞いてみないことには分からない」

問いただす意では「
▼訊く」とも。特に、「訊問
じんもん」をふまえて「犯行の動機を訊く」などと使われる。「聴く」は「事情聴取」をふまえて「警察が事情を聴く」などと使う。

「手紙[メール]で聞く」のように、音声によらない場合にもいう。

聞

においをかぐ。また、においのよしあしなどを感じとる。
「香
こうを━」

聞

酒のよしあしなどを舌で感じとる。
「酒を━」


は「利く」とも。
◆「利く」と同語源。
関連語
大分類‖聞く‖きく
中分類‖
聞く‖きく