
感情・感覚などの作用が生じる。
「痛みが去ると空腹感が
来た」
「喜びの後に悲しみが━」
「『〔肩をもんだときの痛みが〕
来ますか?』『結構
来ますねえ』」

《「…から━」の形で》

言語や文化が…に由来する。…から入ってくる。
「『クーデター』という語は仏語から
来た」
「儒教思想は中国から
来た」

あることが原因・契機となって、そのことが起こる。起因する。
「疲労から━病気」
「不注意から━事故」


は連体形「来る」、または「来ている」の形で使う。

《「…に━」「…まで━」などの形で》事態がある局面(特に、最終的な段階)に至る意を表す。
「あと五分というところへ
来て邪魔が入った」

《「がたが━」の形で》〔俗〕使いすぎたり古くなったりして快適な働きがにぶる。ほころびる。がたが行く。
「体[愛車]にガタが━」

《擬態語+「と━」の形で》

動作・作用の及ぼす影響がじかにこちらに及ぶ。
「わさびが鼻につんと━」
「静電気がびりっと━」
「雨がほおにぽつりと
来た」

感情・感覚などの反応が起こる。
「第六感にぴんと━」
「心にぐっと━(=物事に深く感動する)」
「胸にじんと━」
「がっくりと━」
「かちんと━(=怒りの気持ちが起こる)」

《「しっくり━」「ぴったり━」などの形で》物事がこちらの気持ちにうまく適合する。
「その意見は僕にはしっくり
こないなあ」
「今の気分にこんなにぴったり━音楽はない」

《上に「こう・そう」「…で」「…と」などの副詞句を伴って》相手がある態勢をとってこちらに対処する意を表す。
「そう━ならこう受ける」
「そう
来なくちゃ面白くない」
「奴
やっこさん、またしても『お願いします』と/で
来たな」

《「…と来たもんだ」の形で》〔俗〕その事態を満足すべきことや当たり前のこととして受け入れる意を表す。
「うれしいね、旅は道連れ酒は吟醸と
来たもんだ」

《「…と━と」「…ときては」「…ときたら」「…ときた日にゃ」などの形で》相手の話題を見計らってこちらに引き取るといった気持ちで、物事を題目としてとりたてる。
「音楽と━とやはりモーツァルトだね」
「今時の大人と
きたら全くしょうがないなあ」

「…ときたら」「…ときた日にゃ」には、多くあきれる気持ちなどがこもる。また、後者は俗語的な言い方。


補動


《実質的意味を半ばとどめた用法》

…した後で、(また)そこに来る意を表す。
「文句を言って━」
「ちょっと駅まで送って━」
「顔を洗って出直して
こい」

そのようなしかたで来る意を表す。
「歩いて━」
「終点まで立って
きた」

ある動作が、近づいてくる動作と並行して行われる意を表す。〜しながら来る。
「土産を持って━」
「ベビーカーを押して━」

話し手に近づく動作である意を表す。
「帰って━」
「波が寄せて━」
「向こうからやって━」
「嫌な仕事となると何でも押しつけて━」

複合化の度合いが強く、文語的な表現では「て」が現れず、「寄せ来る」「迫り来る」などとなることが多い。

《形式化した用法》時間的・心理的に近づく気持ちを伴いながら、過去(または、基準となる時点)から現在までの事態の展開を表す。
「少しずつ賛同者が増えて━」
「だんだんと事情がはっきりして━」
「日に増して元気が出て━」
→
行いく

◆

実質的意味が薄まった


以降はかな書きも多い。

はかな書きが多い。特に、


は積極的にかなで書かれる。
く(カ変)
関連語
大分類‖移動‖いどう
中分類‖
到着‖とうちゃく
大分類‖会う‖あう
中分類‖
訪れる‖おとずれる
【来たか長ちょうさん待ってたほい】
待ちかねていた人や事態の到来を歓迎していう軽口。