
《「AはBで━」「AがBで━」の形で》AとBが等しい、また、AがBに属するという断定的な判断を表す。
「責任者は私で━」
「私が卒業したのは去年のことで━」
「トラはネコ科の動物で━」

口頭語の「です」、口頭語・文章語両用の「だ」に対して、専ら文章語として使う。

《形容動詞の連用形について、「〜で━」の形で》そういう性質・状態をもっているという判断を表す。
「人柄は穏やかで━」
「辺りは静かで━・った」
「健康で━のが何よりです」

形容動詞・形容詞の連用形に、係助詞「は・も」などを添えた形に付く。「実直だが→実直ではあるが

明敏ではない」「嬉
うれしくもまた寂しい→嬉しくもあるが、また寂しくもある」

形容動詞・形容詞の連用形に付いて、「たい」「べきだ」などに接続させる。「
×
美しくたい→
○
美しくありたい」「
×
厳格だべきだ→
○
厳格であるべきだ」

形容動詞「〜だ」に比べて、「〜である」のほうがより文章語的。

「勤勉で━ことが求められる」「正直で━が故に損をする」「潔く━ためには引き際が肝心だ」など、連体形が形式名詞の類に続く形では、おおむね形容動詞・形容詞の連体形で置き換えられるが、口頭語的でやや言葉が足りない言い方となることも多い(「勤勉なことが求められる・常に正しいことは容易ではない」)。

→
の表現

《「お[ご]…あれ」「お[ご]…あられよ」の形で、間に動詞連用形や漢語サ変動詞語幹が入って》
尊敬
Aに…てくれと要望・懇願することについて、Aを高める。古語的な言い方で、今の「…て下さい」に当たる。
「おいで━・れ」
「久々の大作、ご期待━・れ」
「神もご照覧━・れ」
→
お(御)
表現
あ・り(ラ変)
関連語
大分類‖有る‖ある
中分類‖
存在‖そんざい
ある【▼或る】


連体


人・事物・時・所などをはっきりそれと示さないで言う語。また、漠然とぼかして言う語。
「━人は雑誌を読み、━人は音楽を聴く」
「━悲しい出来事が起こった」
「それは━日のことだった」
「━消息通によれば話はこうだ」
「それは━意味で驚くべきことだ」
◇動詞「あり」の連体形から。

近年「ある意味で」に代えて、「ある意味、それは正しい」などと使うが、言葉が足りない感じで、慣用になじまない。