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格助 《「AとB…」の形で》二つ以上の物事を並べ上げて一団とする。 「兄弟が宿命の対決をした」 「紅茶ケーキを注文する」 「見る聞くでは大違い」 「映画音楽カメラが趣味だ」 「(AとB)が…」のような構造をもち、「AがBと…」のような構造をもつとは区別される。 やや古い言い方で、「AとBと…」がある(「診察券保険証を必ず御用意下さい」)。「琵琶びわ・尺八管弦楽のための音楽」など、最後だけを「と」で結ぶのは翻訳調の新しい言い方。 動作をともに行う相手を表す。…といっしょに。 「友達旅行する」 「子供散歩に出かける」 ◇相手なしでも成立する動作にいう点でと区別される。 相手を必要とする動作における、その相手を表す。対等の立場に立つものとして扱う。 「妹けんかする」 「車ぶつかった」 「仲間落ち合う」 aと/に相談する」「b彼女と/にキスをする」「c喫茶店で先生と/に会う」のように「に」で言い換えると、対等の立場の相手から動作の向かう相手の意となり、a弟の方が立場が上b合意に基づかない一方的な動作c礼にかなった穏当な言い方となる点などに意味の違いが現れる。 比較・類別の際に照合される相手を表す。 「あなた同じ考えだ」 「以前は条件が異なる」 「彼女は従姉妹いとこ同士だ」 「と」は相互関係にある一方を表すので、「父[子]は子[父]似ている」という言い方が可能だが、「に」は比較の基準を表すので、「(顔立ちが)子は父に似ている」とは言えても「父は子に似ている」とは言い難い。 動作・作用の結果をそれと示す。 「明日を決戦の日決める」 「一丸なって戦う」 「子供を太郎名づける」 「大会もいよいよ最終日なった」 「に」は結果(終着点)に、「と」は結果(内容)をそれと示すことに注目していう。「名前を○○党に/と改めた」 《発話・思考を表す動詞とともに使って》発話・思考の内容を示す。 「嫌だ言う」 「危ない感じる」 「やめよう思った」 「言って」「思って」などが省略されることも多い(「痛い顔をしかめる」「これが最後別れを惜しむ」)。思考を表す動詞の場合は、「うれしく[嫌に]思う」のように形容(動)詞の連用形でも言うことができる。→って(格助) 動作や状態の様子を表す。 「ボソボソ話す」 「一人二人立ち去った」 「きっぱり別れる」 「空がからり晴れ上がる」 「蝶ちょうよ花よいつくしむ」 《少数量を表す語+「と」の形で、下に打ち消しを伴って》事が成立しないことや持続しないことを強調していう。わずか…それだけなのに…ない。 「何をやっても三日続かない」 「こんな所は五分我慢できない」 《二つの意を表す語+「と」の形で、下に打ち消しを伴って》一つの意を強調していう。一つ[一度・一人…]だけだ。 「命は二つない」 「こんな失敗は二度しない」 「こんな機会はまたない」 《「…とする」「…とした」などの形で》もののありさま・様子を表す。 「連休はのんびりしたいものだ」 「さっぱりした顔で現れる」 ◆は体言(に準ずる語)に付く。は活用語のさまざまな形に付く。発話を表す動詞を伴う場合は、相手の発話を直接に引用することもある。「体に気を付けてね言った」 接助 あることが前提条件となって必ず次のことが起こるという関係を表す。 「春になる花が咲く」 「夏休みになる海に行ったものだ」 「5を7倍する35になる」 「まっすぐ行く郵便局がある」 あることが起こるのと前後して次のことが起こるという関係を表す。 「部屋に入るカーテンを開けた」 「町を歩いている呼び止められた」 ある事柄の生起や認識のきっかけを表す。 「トンネルを抜ける海だ」 「家に帰る食事の支度ができていた」 「そんなことを言われる照れるな」 前置きとして次に続く発言に対する立場・視点を述べるのに使う。 「はっきり言うやりたくない」 「以前から見るすごい進歩だ」 ある事態の生起を心配・懸念し、その条件を仮定して表す。 「あわてる失敗するぞ」 「早くしない遅れるよ」 《「…といい」「…とよい」などの形で》適当・願望・勧誘・提案などを表す。…たらいい。…ばいい。 「先生に相談するいい」 「早く治るいいね」 《「…(よ)うと(…まいと)」の形で》たとえ…したとしても(…しないとしても)。…しようが。 「何をしよう僕の知ったことじゃない」 「行こう行くまい君の勝手だ」 ◇文語の接続助詞「と(も)」から。 《「…ずと」の形で》→ずとは活用語の終止形に付く。 終助 〔上昇調のイントネーションで〕詰問きつもん調の問いかけを表す。 「何だ」 「なに、会社を辞めたいだ 《「…っと」の形で》軽く言い放つのに使う。 「もう帰ろうっ」 「そんなこと知らないっ 《「…とさ」の形で》〔昔話などで〕伝聞を表す。 「山に帰って行きましたさ」 「幸せに暮らしましたさ」

明鏡国語辞典 ページ 4281 での単語。