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ところ【所(処)】🔗🔉

ところ【所(処)】 《連体修飾句を受けて》物が置かれたり事が行われたりする、具体的な場所。 「ピアノを置く━」 「岩清水のわき出る━」 「昔、合戦のあった━」 「弾丸のあたった━」 《「…の━」の形で》 《基準となる人を受けて》その人が住んだり所属したりしている場所。 「伯父の━に下宿する」 「君の━(=会社)は待遇がいいから…」 「姉の━は薬屋をやっている」 《基準となる物を受けて》その物のすぐ近く。…のそば。 「電柱の━に犬がいる」 「信号の━を右に曲がる」 物の部分を場所としていう。…の箇所かしょ。 「庭のすみの━に小山がある」 「肩のすぐ下の━が痛い」 《「━の…」の形で、体言を修飾して》〔文〕その土地の。その地方の。 「幅広き襟飾り斜に結びたるさま、誰が目にも、━の美術諸生と見ゆるなるべし 《多く、固定的な言い回しで》ある(抽象的な)場所。特に、それにふさわしい場所。また、物語の舞台となる場所。 「天候は━によって異なる」 「━狭しと暴れる」 「その━を得た(=事情にぴたりと適合した)決断」 「さて、━変わって、こちらは姫君…」 《連体修飾句を受け、抽象的な事柄に使って》問題となるその部分や側面。点。 「見るべき━は多々ある」 「そこが彼の偉い━だ」 《連体修飾句を受け、時間的位置を規定する》そのような場面・状況・事態・場合などの意。 「家を出る━を見た」 「ちょうどいい━に来た」 《「今[今日]の━」「この━」などの形で》今の時点を中心とした一定の時間。 「今日の━はこれで終わりだ」 「この━寒い日が続いている」 《「早い━」の形で、副詞的に》早いうちに。早いとこ。 「用事は早い━済ましてしまおう」 《「…(ようと)する━だ」「…ている━だ」「…(てしまっ)た━だ」などの形で、現在または現在に近い過去を表す語を伴って》動作が、直前・最中・直後にある意を表す。 「今手紙を書いている━だ」 「書き終わった━でベルが鳴った」 《数量・程度・範囲などを表す連体修飾句を受けて》おおよその程度や漠然ばくぜんとした範囲を表す。 「大体の━は分かった」 「三日が━(=三日ほど)音さたがない」 《連体修飾句を受けて》 その語句の表す事柄の内容の意。 「それこそ私の望む━だ」 「聞く━によるとこうだ」 「余す━なく打ち明ける」 ◇漢文で用言を体言化する助辞「所」を訓読したところから。 《「AのBする━となる」の形で》〔文〕AにBされる意(=受身)を表す。 「法の禁ずる━となる」 「病魔の冒す━となる」 ◇漢文で受身の助辞「所」を訓読したところから。 《「…━の」の形で、下の体言に続けて》上の語句が連体修飾句であることを明示する。 「彼らが信ずる━の神」 「美しく輝く━の星々」 ◇欧米語の関係代名詞の直訳から出たもの。普通の言い方では使わない。 《「…━から」の形で、活用語の連体形を受けて》物事の原因や契機、出自や来歴などの事情を表す。…ことから。 「病気がちな━から欠席が多い」 「新薬は偶然に配合を誤った━から生まれた」 「名は芝生の上を滑走する━から出た」 《「…ところ」の形で、完了の助動詞「た」を受けて》次に続く事柄のきっかけを表す。…ところが。〔順接にも逆接にも使う〕 「お願いした━、すぐ引き受けてくれた」 「お願いした━、断られた」 (造) 《「どころ」の形で》 それにふさわしい場所やもの。 「身の置き━もない」 「見━がある」 「役━・思案━・きれい━」 それを行う場所やもの。 「打ち━が悪い」 「とらえ━がない」 それがとれる場所。 「米━・茶━」 それを供する場所。 「お食事━・そば━」 場所を数える語。 「ひと━」 〔古風な言い方で〕貴人を数える語。方かた。 「宮様お二ふた━」 ◆「床とこ」+接尾語「ろ」からという。 以降は、かな書きが多い。は「処」が好まれる。 関連語 大分類‖所‖ところ 中分類‖‖ところ

明鏡国語辞典 ページ 4402 での所(処)単語。