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な・る【成る(為る)】🔗🔉

な・る【成る(為る)】 動五〔「なす」の自動詞形で、人為的ではなく、自然のなりゆきで推移変化して別の状態が現れる意〕 ある物事・事柄ができあがる。成立する。実現する。 「為せば成る」 「ローマは一日にして━・らず」 「功━・り名遂ぐ」 「悲願の優勝が━」 「駅前店、新装━!」 《「…から━」の形で》あるものがいくつかの要素からできている。組み立てられる。構成される。成り立つ。 「水は酸素と水素から━」 「国会は衆議院と参議院から━・っている」 《多く「…の手に━」の形で》その人の仕事によって作られた。…の制作・製作にかかる。 「この詩は李白の手に━ものだ」 「巨匠の筆に━名品」 《「…に━」「…と━」「〜く━」などの形で》変化して別の事物に至る。また、ある経過をたどった結果としてある事物が生じる。 「大人に━」 「教師から画家に━」 「夫婦に━」 「保証人に━」 「水が湯に━」 「苦労が水の泡に━」 「おたまじゃくしがカエルに━」 「病気に━」 「財産が灰に━」 「食物がやがて血と━・り肉と━」 「センター前の当たりがヒットに━」 「予定が変更に━」 「私の身に━・って考えてくれ」 「騒然と━」 「明るく━」 「暑く━」 「好きに━」 「しんみりと━」 「厳しい顔に━」 「〜に」は、おおむね「〜と」と置き換えることができる。「〜に」は変化の到着先という趣が、「〜と」は結果物をそれと指定するという趣が強い。また、「〜と」のほうが、やや表現が古く硬い感じがある。 自分自身の変化を表す場合には、意図的な行為を表すこともある。「僕は医者に━ぞ!」 時間が経過して、ある時期・時刻、天候などに移る。 「早く春に━・らないかなあ」 「合否は明日に━と分かる」 「約束の時間に━・っても来ない」 「明日は雨に━・りそうだ」 順当に考えると、それに相当する。…に当たる。…だ。 ある要件を満たしたために、一定の罰則が適用される。 「痴漢は犯罪に━・ります」 他の何ものでもなく、これに違いないことを示す。 「この子は次男に━・ります」 は現在の状態を表す。年齢を聞かれて、「来月で六〇歳になります」と答えるのは、来月に達する年齢を表すの用法。現在の年を「もう六〇歳になります」と答えるのは、の用法。「あなたにどう見えるか知らないが、実は」といったニュアンスを伴う。 「〔客の注文した品を出すときに〕こちらきつねうどんになります」のように、「…になります」が用いられることがある。の「…になります」は、他の可能性も考えられる場面で、一つに絞られることを表すもので、きつねうどんを注文した客にきつねうどんを出すような、他の可能性が考えにくい場合には不自然になる。 あるものが一定の重要な役割を果たす。 「この情報は捜査の参考に━」 「兄の活躍は僕の励みに━」 「そばにいるだけで頼りに━」 「抑止力に━」 「ごまをすっても何の足しにも━・らない」 《「…に━」「…と━」の形で》物事がそのように決まる。 「集合場所は新宿駅に━・った」 「振り駒によって田中君が先手と━」 ある数量に達する。 「出費は合計して五万円に━」 「来年で六〇歳に━」 それにふさわしい価値が成立する。 「この光景は絵に━」 「相手が彼では試合に━・らない」 「てんで話に━・らない」 「一方的に謝罪するだけでは様さまに━・らない(=格好がつかない)」 《「…に(お)世話に━」「…に(ご)馳走に━」の形で》他からその恩恵を受ける。…してもらう。 「彼女にはいろいろとお世話に━・りました」 「先輩にご馳走ちそうに━」 《「横に━」の形で》体を横たえる。体を横にする。 「ごろりとソファーに横に━」 「ひじを枕に畳の上に横に━」 《「気に━」の形で》心配になる。気にかかる。 「母の病気が気に━」 将棋で、王将・金将以外の駒こまが敵陣に入って裏返され、飛車・角は金将+銀将の働きを併せ持ち、他の駒は金将と同じ働きをするようになる。 「歩が金に━」 〔古い言い方で〕おでましになる。〜あそばす。 「殿がお━・りになりました」 ◇非常に高い敬意を表す。 ◆以下のような文型でも使う(それぞれの項目を参照)。→ことになることとなるようになるとなるとになるととなればとなっては しばしば、対応する他動詞文に「なす」ではなく「する」が用いられる。「水が湯になる/水を湯にする」「病気が気になる/病気を気にする」→する 補動 《「━・らない」の形で》→ならない 《「て[で]━(もの)か」の形で》…てたまる(もの)か。 「死んで━か」 「負けて━ものか」 《「お[ご]…になる」の形で、間に動詞連用形や漢語サ変動詞語幹が入って》尊敬Aが…するという動作について、Aを高める。 「先生がお読みに━」 「皆さんがご心配に━・っています」 「お試しに━・りますか」 ◇「お見えになる」「お召し上がりになる」は、「見える」「召し上がる」も敬語で二重敬語だが、一般化した表現として使う。→お(御)ご(御) 「お[ご]…になる」の形が慣用になじまない動詞もある。「×お貰もらいになる・お死にになる」 「ご注文の品はおそろいになりましたでしょうか」は、「注文の品がそろった」の敬意表現で、客である「あなた」にではなく、「注文の品」に敬意を払った言い方になるため、誤り。レストラン側の行為として、「ご注文の品はそろっておりますでしょうか」のように言うか、客側の状態を表す「(お客様には)ご注文の品はおそろいでしょうか」のように言うのが適切。 尊敬の「れる」を続けた「お…になられる」は二重敬語で、敬意過剰。「×先生がお越しになられた」「×どうぞご覧になられてください」→「お」のコラム15はかな書きも多い。はかな書きが多い。は「鶏口と為るも牛後と為るなかれ」など、慣用的に「為」と書くものもあるが、一般にかな書き。、並びには、一般にかな書き。 なれる「信ずれば幸せになれる」 成り 関連語 大分類‖できる‖できる 中分類‖できる‖できる 大分類‖生‖せい 中分類‖生み出す‖うみだす

明鏡国語辞典 ページ 4630 での成る(為る)単語。