
中に収め入れることができる。
「この瓶には一リットルの液体が━」
「詰め込めば一〇〇人は━(=入
はいれる)」
「もっと物が━(=入
いれられる)物置がほしい」

可能動詞「入
はいれる」は

人

の場合。

物

の場合は「入
いれられる」を使う。

特定の環境に身を移して、集団や組織の一員になる。
「○○校に━」
「仏門に━」
「芸能界に━」
「傘下[支配下]に━」
「仲間に━」

ある制度のもとに一員として加わる。加入する。
「健康保険に━」
「生命保険に━」

中にあるもの(特に、異質のもの)が加えられる。
「コーヒーにミルクが━・っている」
「井戸水に毒物が━・っている」
「麻に合成繊維が━・っている」
「雑音[じゃま]が━」

《「━・っている」の形で》ある物の中に含まれる形である物が付け加えられている。
「豚肉にはビタミンBが━・っている」
「この布には花模様が━・っている」

文書などに訂正が加えられる。
「報告書に部長の訂正が━」
「校正紙に筆者の赤字が━」

時間の流れや空間の中にあるもの(特に、異質なもの)が挿入される。
「演説の最中に質問が━」
「幕間
まくあいに二〇分の休憩が━」
「『奇』と『怪』の間に『っ』が━」
「今夜はあいにく会議が━・っている」

模様などが付け加えられたり新たにできたりする。
「千円札には透かしが━・っている」
「陶器にひび[亀裂
きれつ]が━」

お金が収入として懐
ふところにおさまる。自分の物となる。
「月末には給料が━」
「印税が━」

物が移し運ばれて一定の所に収まる。特に、事務所などに設備が備え付けられる。
「書店に新刊書が━」
「事務所に冷暖房設備が━」

《「…が手に━」の形で》…が自分の所有物となる。〜を手に入れる。〜を入手する。
「大金[交渉権]が手に━」
「もっと安く手に━方法はないか」

機械や器具に電流や火が通(ってその機能が発揮され)る。
「パソコンに電源が━」
「提灯
ちょうちんに火が━」
「部屋に冷房が━・って涼しくなった」

作業や式典の始まりを表すものとして、ある物に鋭利な刃物が刺し入れられる。
「魚に包丁が━」
「腹部に執刀医のメスが━」
「テープカットで鋏
はさみが━」
「植樹祭で鍬
くわが━」

電話や無線による連絡が特定の所に届く。来る。
「本社から支社にファックスが━」
「メールで注文が━」
「田中さん、電話が━・っています」

電波を受信して音や画像を表示することができる。受信できる。受かる。
「このラジオはFM放送が━」
「このマンションは衛星放送が━」

アルコール飲料が体内に取り入れられる。
「酒が━と陽気になる」
「もうかなり━・っている(=飲んでいる)」

お茶・コーヒーなど、お湯を注ぎ入れて作る飲料が用意される。
「お茶が━・りました(=お茶をどうぞ)」

他動詞表現は「お茶を入れる」だが、一般に人に勧めるときは慎み深い表現として「お茶が入る」の形が使われる。

〔慣用句的に〕物事が知覚されたり理解されたりする。
「美しい景色が目に━・ってくる」
「うわさが耳に━」
「読んでいることが頭に━・らない」

〔慣用句的に〕物事に気持ちや力が傾注される。
「仕事に身が━・らない」
「気合いが━」
「力の━・った一番」
「魂の━・った一撃」

ある範囲内に収まる。含まれる。
「南九州が暴風圏に━」
「一〇〇メートル競走で二位に━」
「標的が射程距離に━」
「その件は予定に━・っていない」

物事があるクラスに分類される。所属する。属する。含まれる。
「ヒトもゴリラも霊長類に━」
「この程度では失敗のうちに━・らない」

《動作性名詞+「に━」の形で》ある目的(特に、盗みの目的)をもって他人の建物の中に入る。
「山間部に方言調査に━」
「係官が立入検査に━」
「盗みに━」
「銀行に強盗に━」

「銀行に強盗が━」など、〜ガに

人

をとる言い方は

の意。

「○○産業に強制捜査が━」など、〜ガに

結果

をとる言い方もできる。「入る」

ことによって、そのことが行われる意。

工事人などがある場所に入って、そこを占有している状態にある。
「大工が━・って改築工事をしている」
「庭には庭師が━・っている」

争いの間に割り込んだり仲裁人として間に立ったりする。
「両者の間に━・って仲を取り持つ」
「もめごとの調停に━」

時が移って、ある時期・期間に達する。
「四月[梅雨
つゆ]に━」
「夜に━と急に涼しくなる」
「夏休みに━」
「ロスタイムに━」

次第に高じて、ある高い状態に移る。
「物語が佳境に━」
「審議が大詰めに━」
「興奮状態に━」
「そろそろ本題に━・ろう」
「決裂すればストライキに━」
◆「はいいる」の転。
はいれる(→
はいる
)
関連語
大分類‖移動‖いどう
中分類‖
入はいる‖はいる
パイル[pile]


名


織物の地から突き出て表面をおおっている輪奈
わなや毛羽
けば。
「━織り」

土木・建築で、基礎工事のときに打ち込む杭
くい。

原子炉。
◇atomic pile

から。