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はら・う【払う】ハラフ🔗🔉

はら・う【払う】ハラフ 動五 その場にあるじゃまな物を取り除く。排除する。 「竹ぼうきで天井の煤すすを━」 「手ではたいて服のちりを━」 「小枝を━」 「額にかかった髪を━」 「まとわりつくハエを━」 覆いや仕切りなどを不要な物として取り去る。取り払う。 「ふすまを━・って宴会場にする」 「刀のさやを━」 ふさいだ気持ちなどを取り去る。 「もやもやを━」 「不信感[沈滞ムード]を━」 「酒は憂いを━玉箒たまははき 向かってくる危険物をわきへどける。 「相手の太刀先を軽く右に━」 棒状のものを鋭く横に振り動かす。 「なぎなたで脛すねを━」 「右足で相手の両足を━」 「刀を横に━」など、〜デ(手段)を〜ヲ(道具)に代えていう言い方もある。 じゃまだとしてそこを去らせる。人払い、または先払いをする。 「人を━・って密談をする」 「行列の先を━」 《「威風(が)辺あたりを━」などの形で》周囲の人を圧倒しなびかせる意で、それほどに威厳や気高さがあることをいう。 「威風、辺りを━」 「権勢、天下を━」 「気高き姿はあたりを━・って漱石 不要な物として売り渡す。お払い箱にする。 「古物商に家財道具一切を━」 決済するために金銭を相手に渡す。支払う。 「代金を━」 「家賃[月謝]を━」 「借金[お釣り]を━」 「給料[交通費]を━」 「税金を━」 「百万円(を)━」 「電子マネーで━」 〔payの翻訳から慣用句的に〕あることに心や力を傾ける。 「その時は彼の言葉に注意を━・わなかった」 「音楽に特別の関心を━」 「先生に敬意を━」 「問題の解決に最大限の努力を━」 「国家建設に犠牲を━」 《「裾すそを━」の形で、立ち上がるときの所作にいって》服のちりを「払う」ような動作をして、座して崩れた裾の乱れをただす。 「私は羽織の裾を━・って、…ずずと立つ鏡花 〔やや古風な言い方で〕風がものを運び去る。払いのける。吹き払う。 「一陣の風が塵ちりを━」 「霧[雲・煙]を━」 「熱気[臭気]を━」 《「地を━」「底を━」などの形で》すっかりなくなる。 「威信、地を━」 「公儀の御金庫はあれから全く底を━・ったと言われる藤村」 「このことばの前には、いっさいの分別が眼底を━・って、消えてしまう芥川 〔雅語的な言い方で〕風が物をゆらしたり涼感をとどめたりして吹き過ぎる。 「涼風が袂たもとを━・って冷ややかに吹く」 「時ならない風が、さっと若者の顔を━・って芥川 書道で、文字の先端を勢いよく斜めに引き伸ばすように書く。 「『木』の最終画は右に━」 「止めずに━」 珠算で、計算をご破算にする。 「━・いましては…」 《「分母を━」の形で》算数で、分数を排して整数または小数の形に直す。 「2を乗じて分母を━」 それまでいた所をあける。引き払う。 「アパートを━」 「江戸を━・って長崎へ向かう」 《動詞の連用形に付いて複合動詞を作る》すっかり〜する。 「追い━・売り━・焼き━・落ち着き━」 「全員が出━」 ◆掃う」とも書くが(「枝を掃う」「威厳、地を掃う」など)、一般には「払」を使う。 払える 払い

明鏡国語辞典 ページ 5044 での払う単語。