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お・く【置く】🔗⭐🔉
お・く【置く】

動五

他
ものや人をある位置に存在させ(て、そのままの状態にす)る。
「窓際に机を━」
「食材を冷暗所に━」
「手を肩に━」
「事務所に財布を━・いて(=置きっぱなしにして・置き忘れて)きたらしい」
「私を━・いて帰らないでね」
施設・機関・役割などを作り設ける。また、人にある役割を与えてその地位に据える。
「県に救急センターを━」
「名古屋に支社を━」
「要所要所に見張りを━」
「家に下宿人を━」
《多く「…下かに━」の形で》人や組織などをある状況下にあるもの(特に、自分の下にあるもの)として位置させる。
「大統領が首都を戒厳令下に━」
「A君は物心両面で教授の支配下に━・かれている」
「剛腕社長が同業他社を支配下に━」
「下にも━・かない(=丁重な)もてなしを受ける」
物事と物事の間などに一定の時間または距離を設ける。
「交渉の再開には冷却期間を━・こう」
「三日━・いて(=三日たって)帰宅した」
「一拍━(=あける・休む)」
「一軒━・いて隣」
「五分の休止を━」
「距離を━・いてつきあう」
ことばに強弱や高低の調子をつける。
「語頭にアクセントを━」
《「AにBを━」の形で》ある物事に基盤となる目標や基準を設ける。設定する。
「金メダルに目標を━」
「信頼できるかどうかに採用の基準を━」
「A=B」、かつ「B=A」の関係にあるので、「BにAを━」の形でも使うことができる。「金メダルに目標を置く」→「目標に金メダルを置く」
判断の基盤となる視点や強調すべき力点などを設ける。
「視点を被害者の立場に━・いて反論する」
「経済問題に重点を━」
「開発に重き[ウエート]を━(=重要視する)」
《「…に信を━」の形で》…を信用する。
「民主主義に信を━」
あることを心にとめる。
「結婚を念頭に━・いて交際する」
「事件のことは心の片隅に━・いておく必要がある」
細工物などに金箔きんぱくや蒔絵まきえなどをほどこす。
「
風びょうぶに金箔を━」
「文箱ふばこに蒔絵を━」
質物しちもつとして預け入れる。
「指輪を質に━」
そろばんや算木さんぎを使う。操作する。
「そろばんを━(=入れる)」
「算木を━」
◇そろばん玉・算木の棒を置き並べて使うことから。
《打ち消しを伴って》そのままで放置する、見逃して許す意を表す。
「ただでは━・かぬ」
「▽措く」とも。
《「…を━・いて」の形で》…を除いて。…をさしおいて。
「彼を━・いて(=彼以外に)適任者はいない」
「▽措く」とも。
やめる。中断する。
「一読、巻を措く能あたわず」
「その件はひとまずこちらに━・いておこう」
「筆[ペン]を━(=書くのをやめる。擱筆かくひつする)」
「
はしを━(=食事をやめる)」
◇本や筆を手放して作業をやめる意から。
「▽措く」「▼擱く」とも。

自
露や霜が降りる。
「霜が━」

補動
《「て[で]━」の形で》
あとで起こる事態を予想して、手回しのよい動作を行う意を表す。あらかじめ…する。
「前もって調べて━とよい」
「あれほど注意して━・いたのに、しくじったのか!」
「新聞の上に置いて━・いた眼鏡がない」
動作の持続をそのまま放任する意を表す。…してそのままにする。
「言いたいだけ言わせて━さ」
「ほうって━といつまでもゲームよ」
「少し待たせて━のも手だ」
当座の処置としてある動作を行う意を表す。
「この辺でやめて━」
「せっかくだからもらって━か」
「今度だけは大目に見て━」
「〔捨てぜりふで〕よく覚えて━・け!」
◆
口頭語では「…ておく」「…でおく」は、「…とく」「…どく」となることが多い。「知っとくと便利だ」「あらかじめ読んどくといい」
「…ずにおく」「…ないでおく」は、「…て[で]おく」の本動詞の部分を打ち消したもの。「彼には連絡しないでおく」「当座はとがめずにおく」
かな書きも多く、特に
や
は一般にかな書き。
置ける「気のおけない(=気さくにつきあえる)人」
関連語
大分類‖扱い‖あつかい
中分類‖設置‖せっち
大分類‖扱い‖あつかい
中分類‖放置‖ほうち
大分類‖止とめる‖とめる
中分類‖固定‖こてい



















































明鏡国語辞典 ページ 817 での【置く】単語。