
《動詞の連用形に付いて複合動詞を作る》

上

謙譲の意を添える。
「厚く御礼を申し━・げます」
「少しも存じ━・げませんでした」

上

その仕事をすっかり終える。
「仕事は夕方までにし━」
「今日中に織り━」
「定年まで三五年間を勤め━」
「染め━・書き━」

上

はっきりと目立つようにことばで示す。
「条文に謳
うたい━」
「賛同者の氏名を読み━」

上

極限まで…する。…し尽くす。
「徹底的に調べ━」
「ぴかぴかに磨き━」
「叙情味たっぷりに歌い━」


補動


《動詞連用形+「て(で)」の形に付いて》「…てやる」を上品にいう語。その動作がそれを受ける人に恩恵を与える意を表す。
「叔母さんに梅川の鰻をとって━の

芥川

」
「少し話し相手になって━から

漱石

」

本来は動作を受ける人を高めて言うべきものとされるが、今はむしろ同等またはそれ以下の人に使い、さらに動植物、無生物にも使う傾向にある。「ポチを末永くかわいがって━・げてね」「CDは大切に扱って━・げてください」

動作主が恩恵を与える立場にあるため、それを受ける人を一段下の者として扱うような感じとともに、恩着せがましさや押しつけがましさを伴うため、目上の人には使いにくいことが多い。
◆

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あがる
あ・ぐ(下二)
上げ
関連語
大分類‖移動‖いどう
中分類‖
上下‖じょうげ
大分類‖仕事‖しごと
中分類‖
昇進‖しょうしん
大分類‖終わる‖おわる
中分類‖
終了‖しゅうりょう
大分類‖犯罪‖はんざい
中分類‖
検挙‖けんきょ
大分類‖与える‖あたえる
中分類‖
贈る‖おくる
大分類‖料理‖りょうり
中分類‖
炊事‖すいじ
あけ‐わた・す【明け渡す】


他五


家や地位などから立ち退いて、その場を他人に渡す。
「城[土地]を━」
明け渡し
関連語
大分類‖与える‖あたえる
中分類‖
譲る‖ゆずる